copyright (c)ち ふ
絵じゃないかおじさんぐるーぷ
雲行きは悪かった。
雷がやってきそうな雰囲気である。
引き返そうかと思ったが、せっかくここまで来たのだから、
山頂までゆかねば気は治まるまい。
原始林も見てみたい。
しかしながら、私は雷が大嫌いだ。
ましてや、バイク。
直撃されたら一たまりもない。
山道の20kmは中々進まない。
危なくてスピードはあまり出せないのである。
その上、曲がりくねっているわりには、
普通車がかなりのスピードを出して、
前後から走って来る。
生命知らずの奴らが多いのだろう。
そのうちポツリポツリと雨が降り始めた。
夕立だ。
稲光もし始める。
他に、バイクは?と捜したが見当らない。
孤独感と不安感に襲われる。
バイクが近くに居れば、
こういう天気の日にはそれなりに安心するものだが、
普通車ばかりだ。
普通車は雷に強い。
そういう点が、たまらなく羨ましい。
しかし、羨んだところでどうしようもないのだ。
だんだんと雨足が激しくなり、
雷もほんの傍まで来ている感じがする。
雨宿りをする適当な場所も見当らない。
木の下は危険だといわれている。
泣きたい気分だ。
サヤカを置きざりにして、
誰かの普通車のなかに入らせてもらおうかとも思うが、
いつの間にか1台も居なくなっていた。
空は薄気味が悪いほどに黒暗くなってきた。
ピカーッ。
バリバリバリ、バッシーン。
ついに始まった。
私は、堪らなくなってサヤカを止め飛び降りた。
サヤカに落ちる可能性がある。
かといって逃げる場所もない。
万事休す。
ピカピカ、ピカーッ。
ガラガラ、ドッシャーン。
ああ、サヤカよ、何とかしてくれーっ!
つづく
絵じゃないかおじさんぐるーぷ
雲行きは悪かった。
雷がやってきそうな雰囲気である。
引き返そうかと思ったが、せっかくここまで来たのだから、
山頂までゆかねば気は治まるまい。
原始林も見てみたい。
しかしながら、私は雷が大嫌いだ。
ましてや、バイク。
直撃されたら一たまりもない。
山道の20kmは中々進まない。
危なくてスピードはあまり出せないのである。
その上、曲がりくねっているわりには、
普通車がかなりのスピードを出して、
前後から走って来る。
生命知らずの奴らが多いのだろう。
そのうちポツリポツリと雨が降り始めた。
夕立だ。
稲光もし始める。
他に、バイクは?と捜したが見当らない。
孤独感と不安感に襲われる。
バイクが近くに居れば、
こういう天気の日にはそれなりに安心するものだが、
普通車ばかりだ。
普通車は雷に強い。
そういう点が、たまらなく羨ましい。
しかし、羨んだところでどうしようもないのだ。
だんだんと雨足が激しくなり、
雷もほんの傍まで来ている感じがする。
雨宿りをする適当な場所も見当らない。
木の下は危険だといわれている。
泣きたい気分だ。
サヤカを置きざりにして、
誰かの普通車のなかに入らせてもらおうかとも思うが、
いつの間にか1台も居なくなっていた。
空は薄気味が悪いほどに黒暗くなってきた。
ピカーッ。
バリバリバリ、バッシーン。
ついに始まった。
私は、堪らなくなってサヤカを止め飛び降りた。
サヤカに落ちる可能性がある。
かといって逃げる場所もない。
万事休す。
ピカピカ、ピカーッ。
ガラガラ、ドッシャーン。
ああ、サヤカよ、何とかしてくれーっ!
つづく