copyright (c)ち ふ
絵じゃないかおじさんぐるーぷ
これが、あの三山の争いなのか。
香具山が女で残りのニ山は男だったのか!
やはり、私が想像していた通りだ。
人によっては畝傍が女性という者もいるが、
私は、名前の響きからして、
香具山が女性に相応しいと思っている。
それに男二人が女性をめぐって争うほうが好ましい。
(この偏見! 女性の方すみません)
香具山の顔は、はっきりとは解らないが、
私からすると、剣で争うほど美しいとは、
思われない。
美女に対する感覚が違うのだろう。
少なくとも、私だったら争いは避ける。
けれど二人は必死だ。
その時、一方の男の耳の辺りから血が噴きだした。
耳が削がれたのだ勝負はついた。
香具山は負けた方の男の傍に走り寄って、
傷口あたりの血を袖で拭ってやっている。
「こちらにおいで」
香具山は顔を上げようともしない。
その時、パアーッと朝日が射してきた。
それと同時に3人の姿がすっと消えてしまった
三山の 遠き物語 映しだす
冬の朝靄 大和ミステリー
ち ふ
この項おわり