現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

草間彌生展@松本市美(前編)

2005-08-07 | アート感想@遠征
長野県の松本市美術館に行ってきた。

美術館にたどり着くと、草間彌生の巨大立体作品《幻の華》(写真)がお出迎え。新潟県のまつだい駅前で咲き乱れる《花咲ける妻有》に負けないくらいの迫力!

草間彌生 魂のおきどころ

去年の秋に東京で観た「草間彌生:永遠の現在」の巡回展。東京を皮切りに、京都→広島→熊本とサブタイトルを変えながら各地を巡回し、最後は作家出生の地での凱旋展。

館内に入ると、蛍光ピンクに黒い水玉の《塔》がそびえ立ち、その先の階段全体が《水玉強迫》というインスタレーション作品になっている。階段、窓、そして吊り下げられたバルーンに赤い水玉が貼られ、まさに草間ワールド。3つの展示室は、この空間からのアプローチ。

展示室1に入ると、東京展の最後のほうにあった《再生の瞬間》がお出迎え。松本展は、新作と旧作を交互に配置するような展示構成が多かった。

次の区画では、この展覧会のサブタイトルにもなった絵画《魂のをきどころ》が「ごあいさつ」と一緒に展示してあった。ホッとさせるようなタイトルとは裏腹に、混沌と不安を描いたような作品は、ずっと拒絶され続けてきた故郷:松本に対する複雑な想いを表しているのだろうか。

展示室1で最も印象に残った作品は、立体作品の《自己消滅》。棚に収められたカボチャや動物などの置物が、棚ごと真っ白に塗られ、赤い水玉に覆われている。幼少期の草間は、人や物が水玉に覆われて消えていくという幻覚を見たらしいけど、この作品を観てその感覚が少し分かるような気がした。このほか、50年代の絵画や、近作の大型絵画も観応えがあった。

続いて、展示室2へ。ここでは、3連発のインスタレーションが観モノ。最初は、鏡に囲まれた空間の中で極彩色の万華鏡を覗く《Infinity Mirroed Room-信濃の灯》。続いて、ブラックライトに照らされた部屋で、あちこちに貼られた赤・黄・緑の水玉が光る《I'm Here, but Nothing》。東京展より部屋が広く、独立した部屋になっていた。最後に、左右の壁が合わせ鏡になっている《鏡の通路》。出てくる頃にはもうヘトヘト。でも、素晴らしかった!

後編に続く。

最新の画像もっと見る