現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

草間彌生:永遠の現在

2004-10-31 | アート感想@関東
続いて竹橋へ移動。東京国立近代美術館(写真)「草間彌生:永遠の現在」展。

会場に入ると、黄色と黒のカボチャがお出迎え。なんだか元気が沸いてくる。

カボチャの部屋を抜けると、鏡張りの六角形の部屋、≪Infinity Mirroed Room―信濃の灯≫。部屋の中央にも鏡張りの柱があって、その柱の窓を覗くと電飾による万華鏡の世界。キレイだけど色は強烈!

次の部屋は、ちょっと落ち着いて、1970年代のコラージュ作品が中心。死を連想させるような暗い作品が多い。それと、小学校時代の作品≪無題≫が2点。「5年 草間弥生」と書いてあるのはほほえましかったけど、すでに水玉!

続いて、バルーンの≪水玉強迫≫の部屋と、モノクローム作品群の部屋を抜けると、≪I'm Here, but Nothing≫の部屋。リビングのような部屋の隅々まで水玉が貼ってあって、それをブラックライトが照らしている。まさに草間彌生の視覚世界。テレビでは、ニューヨーク(?)でのパフォーマンスビデオが上映中。

その隣は、本展の目玉(たぶん)≪水上の蛍≫。この作品は一人ずつしか鑑賞できないけど、これは並んでも観るべし!床に水が張られた鏡張りの暗い部屋の中に、無数の小さな電飾がぶら下がっている。まるで宇宙の中に放り出されたような感覚。自分がちっぽけに思えてくる。

銀色のオブジェの部屋、巨大ミラーボールの≪宇宙の心≫の部屋、1950年代の水彩画の部屋を抜けると、≪天国への梯子≫。色が変化する梯子が、天井と床の鏡で無限に伸びていく。下を覗くと足がすくむ。上は本当に天国へつながっているみたい。

最後の部屋は、80年代の作品。新作の≪再生の瞬間≫は、何本もの突起物が床から力強くそそり立っていた。出口の脇には、銀色の大きな玉が所狭しと転がっていて、観る人の姿を一斉に映す≪ナルシスの鏡≫。最後まで密度の濃い展示で大満足の展覧会だった。12月19日まで(月休)。

この展覧会は、サブタイトルを変えながら→京都広島熊本松本と巡回予定。カタログによると、東京展と松本展を観れば、ほぼ全作品を網羅できるみたい。松本展も行くしかない!?ちなみに、京都展は東京展と同じ内容。

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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
初めまして。 (Tak)
2004-11-04 16:02:16
私も昨日行ってきました。

草間さんの「実力」見せつけられた展覧会でした。
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コメント&トラックバックありがとうございます。 (pizz)
2004-11-05 14:11:43
質・量ともに充実した、中身の濃い展覧会でしたね。

おかげで、木村伊兵衛展や所蔵作品展をじっくり観るだけの体力・気力が残っていませんでした。

ハシゴしなきゃ良かったと反省……。

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はじめまして (ぴぴ)
2004-12-18 23:55:10
水曜日に行ってきました。

すごくよかったと感じたので、同じような意見が見られてうれしいです。

松本展、わたしも行きたいです。

TBさせていただきました。
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はじめまして、ぴぴさん。 (pizz)
2004-12-20 00:04:24
コメント&TBありがとうございます。

本当に充実した展覧会でしたね。

森美術館のクサマトリックスは、ちょっと表面的な印象でしたが、今回は深みのある内容で良かったです。

贅沢を言えば、NY時代のパフォーマンス映像をもうちょっと観たかったなあ……。

巡回展もできる限り行こうと思っています。

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Unknown (rossa)
2005-01-17 02:04:35
pizzさん☆おすすめいただいてありがとう☆ほんと!濃かった。。。です☆

でもでも楽しかった。来週も行ってきま~~す☆

pizzさんのデュシャン展のお話(大阪と横浜の印象の違い)。。。たぶん、この草間展にもありそうです。美術館の構成と作品との相性。とかストーリー性の問題。。。巡回展。というのは、2ヶ所以上みてみたいなぁ。。。と感じました☆

ほんと☆ありがとうございました。

pizzさんの言葉は<背中を押す風>でした☆
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コメント&TBありがとうございます。 (pizz)
2005-01-17 21:24:26
また観に行かれるのですね!

草間彌生が苦手だという方にオススメするのは、ちょっと勇気が必要だったのですが、一部でも気に入ってもらえて本当に嬉しいです。

(展覧会って、本当に気に入った作品が1点でもあれば、行った価値があると私は思っています。)

これからも、<背中を押す風>を東から吹かせますね!

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Unknown (rossa)
2005-01-18 09:55:30
pizzさん

おはようございます。あのね、もう一回どうしても行きたくなったのは、理由があって、pizzさんのお話では東京と京都。って展示が同じなんですよね。ところで、私、その京都展。よく考えたら、見る順序に問題があったのです。かぼちゃからスタートしていないのです(笑)京都の展示が、ちょっと変わっていて、4Fにエレベーターで上がってしまうと、ミラーボール→梯子→水玉(赤)これが4Fから3Fへの階段。そして、3Fは、途中の赤の突起物から、かぼちゃに戻ってください。ここは、途中だから。。。とかなんとか言われて、逆流してしまうのです。

やはり、これ、エレベーター使わずに、階段で、3Fに上がって、かぼちゃ→信濃。という順序では全然印象ちがうような気がします。そういうことで、ほんと!今まで、展示順序には、全然かまわなかったのですが、今回のこの<濃さ>は、やはり、ちゃんと味わうべき。(笑)のようなきがしました☆ではでは☆また遊びにきます☆
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なるほど! (pizz)
2005-01-18 22:02:12
やはり最初は、かぼちゃに出迎えてもらわなくてはいけませんね。(笑)



あと、京都展は、階段が水玉なんですか?

東京展はワンフロアの構成で、途中に階段はありませんでした。

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Unknown (rossa)
2005-01-19 05:30:15
pizzさん☆たびたび(笑)あ。そうです。階段が水玉。

4Fの<ミラーボール>は、窓辺の長いすが置いてある通路に気の毒なくらい狭いスペースに置いてあって、そのミラーボールよこを通り抜けた向こうに3Fへ下りる階段があって、そのステップや、壁とか天井が赤い水玉で、天井から、<バーバー・パパ>のような形の(笑)あの、ビニールの水玉物体がぶら下がってる。その感じで3Fにおりると、ちょうど途中の展示にぶち当たるのです。

(※それが、床から力強くそそり立っていた赤突起物)



<梯子>は、展示室でも別格のちょっとわかりにくい位置(実際、見落とした。というBLOGも見かけました)なのです。



・・・ね。?pizzさん。やっぱり、rossaの見た順序が<変>です。(笑)なんだか、せっかくの草間ストーリーが、めちゃくちゃに。ってかんじ。します。敬意をもって、ここは、もう一度、展示順序どおりに味わう<草間フルコース>を・・・☆



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《水玉強迫》ですね。 (pizz)
2005-01-19 22:42:10
階段の作品は、たぶん《水玉強迫》ですね。

東京展では通路が狭くて短かったので、あんまり印象に残ってないです。

たしか黄色だったような……。(うろ覚え)



ところで、東京展と京都展では、展示の順序がちょっと違うようですね。

東京展では、最後の部屋に床からそそり立つ突起物《再生の瞬間》がありました。

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