ぴてのひとりごと

法務や福岡ソフトバンクホークスの話題など、徒然なるままに書き込んでいるブログです。

物価比較の謎

2005-10-02 22:33:42 | 経営、経済
 よく「東京の物価は世界一高い」ということを聞きます。いろいろな調査でも東京の物価は世界一高いと報じられています。しかし、この点についてはかなり違和感を感じています。個人的な実感としては、東京で高いのは住居費とガソリンであり、一般的に物価が高いとは思いません。少なくとも、ロンドンやチューリッヒよりも高いなんてとても信じられません。ロンドンなんて、都心部の地下鉄の初乗りが約400円、私が行ったときはハンバーガーセットが約800円もしました。部屋の家賃もロンドンは相当高いようです。

 このような実感と統計上の数字の乖離はなぜ起こるのでしょうか。いくつか理由があるような気がしますが、とりあえず私の直感的な思いつきをメモ代わりに書いておきます。
1)「物価」の構成要素が違う
 物価というのはあるひとつ財・サービスの価格ではなく、いくつか複数の財・サービスの価格ですから、「物価」調査の対象として選ぶ財・サービスがなにかによってその人の感覚と異なってきます。実際にはあんまり利用しない財・サービスが比較されていてもあまり意味がありません。例えば、私はタクシーをほとんど利用しないので、タクシー料金がロンドンより高くても特に問題ではありません。むしろ、電車をよく利用する私にとってはロンドンのとても高い地下鉄料金の方が大問題です。
2)調査地点が違う
 日本では、最近ユニクロやら100円ショップやらが進出してきています。このような新しい形態の小売店の価格が物価に反映されていない可能性があるのではないでしょうか。「成城石井」や「紀伊国屋」の価格が調査対象とされていても、多くの人には実感がないのではないでしょうか。
3)品質が違う
 違う品質のものを同一の基準で比較しているのかもしれません。日本で売られている財・サービスは極めて品質が高く、それくらい高品質でないと消費者は納得しません。換言すると、消費者が求める最低限の品質が著しく高いのかもしれません。例えば、日本の地下鉄はほぼ時刻どおりに運行されますが、海外ではそのようなことは稀のようです。
4)為替レート
 物価の国際比較を行うに当たり、為替レートは避けて通れませんが、為替は資金の需給関係や投機的動向に影響され、必ずしも購買力平価に基づいて決まるとは限りません。


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