Enchanted Serendipity

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World Mental Health day

2007-10-10 | concern
Mental Health...



少しでも何かがおかしいと○○障害という疾患名がついてしまう、今日この頃。
でも、そんな簡単に診断されてしまう精神的疾患に意外と世の中は寛容じゃありません。




精神科や心療内科に通ってなくても実際には病んでいる人もいると思うし、極軽症でも、通院している人はいると思います。




私の知人にも病んでいる人がいました。
でも、彼女は1年半で回復しました。



ちょっと彼女のお話をします。彼女にも許可を得ています。



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彼女がつけられた診断名は『適応障害』。
皇太子妃やダイアナ妃もかかったとされる病気です。




彼女は何に適応しなかったのかはよくわかりません。日本なのか、医学部なのか、部活なのか…いずれにせよ、環境に適応できなかったのでしょう。



彼女がいつ発症したのかは誰もわかりません。
最初に行った病院では『境界性人格障害』といわれました。難しい疾患名に彼女は
さらに落ち込みました。その帰り道、彼女は部活の後輩に会ってしまいました。でも、その後輩は彼女のママに言われるがまま、彼女の秘密を守り通してくれているそうです。



「死にたい、生きていても意味がない。」そう繰り返し、言い続けていました。
彼女は自殺未遂をして、救急車で運ばれました。
動く気力もなく、寝たきりでした。
食べることが大好きだったのに、食欲もありませんでした。
逃げることばかり考えていました。
電車にも乗れませんでした。




彼女は、Mental Clinicに通ってることを知られるのを恐れていました。





彼女を支えたのは、家族と全てを知ってる親友と何も知らない仲間たちと彼女が大好きなアクターでした。




彼女は学校を休んでばかりでした。正直、学校を辞めようと考えていました。
それでも、責任感の強い彼女は幹部学年として部活にだけは行き続けました。自殺未遂をした次の日に試合に行ったこともありました。ガムシャラに部活だけ頑張っていました。よくやっていたと思います。




そんなとき、彼女に声がかかりました。こんな活動があるんだけど、やってみないかと。彼女は自分を必要としてくれている場所を探していたので、それに参加することにしました。彼女は新しい仲間に出会ったのです。




夏休み、彼女は最後と言い聞かせて、部活をがんばりました。彼女はできるかぎりのことしたと思います。彼女はいっぱい泣きました。
彼女は彼女のHometownに帰り、夏休みを過ごし、大好きなアクターと会い、少しだけ元気になりました。自分は自分でいいと少しだけ思えたのかもしれません。
でも、やっぱり、学校が始まるとダメでした。




秋に、彼女が参加したイベントでたくさんの仲間ができました。彼女はその時、その人たちが自分にとってどんだけ大切な人たちになるかは分からなかったようです。でも、彼女は自分だって人の役に立つということを実感したそうです。
そのイベント以降、彼女はその団体にガッツリ関わるようになりました。




秋休みには大好きなアクターとも仲良くなり、ちょっとした新しい夢を抱くようになりました。自分の将来に夢はないって思ってた彼女にとって夢はキラキラした宝物です。



それでも、学校に行くのがこわかったりして、なかなか元気になりませんでした。
彼女の体調の悪さは続きました。
再試もたくさん。留年してしまおうかと考えていたみたいです。周りの言葉がすべてイヤミに聞こえました。
彼女は体調不良のため、参加したかったプロジェクトにも満足に関わりきれませんでした。




彼女の中に少しづつだけど、+の感情が芽生えていました。
新しい夢を見つけ、一緒に頑張りたいという仲間に出会ったことは彼女が飲んでる抗不安薬よりも効果的でした。




彼女は動けない状態から脱却して、今度は頑張りたいけど体力と気力がなくて頑張れないというジレンマに陥りました。
毎週会う、仲間の笑顔にどれだけ勇気付けられたかわかりません。




新しい環境に馴染めず、ボロボロになって帰宅する平日。その中で、週末に会える仲間は彼女の救世主でした。




診断されて1年たって、彼女の薬物量は減ったものの、まだ抗不安薬が手放せない状態でした。




彼女は声を失ったこともありました。




そんな彼女に学校から開放される夏休みが訪れました。
この夏休みが彼女の特効薬でした。
彼女は『信頼されること』『必要とされること』の喜びを再び感じ、それに感謝することができました。
彼女は自分の居場所を見つけました。
何も知るはずのない仲間たちは彼女のありのままの姿を受け入れてくれました。そして、何よりも彼女にたくさんの『ありがとう』をくれたのです。こんなステキなプレゼントはありませんでした。
彼女は両親から離れた10日間で、すっかりパワーを取り戻しました。




彼女はもう薬を飲まなくても、大丈夫になりました。




彼女は、自分を元気にしてくれた仲間にどうしても感謝したいと思っています。
事実を知らない仲間に感謝しても、事実を伝えないと感謝の気持ちが伝えきれないとも思っています。すべてを打ち明ける必要はないけれど、彼女の感謝の気持ちをきちんと伝えるためには必要なストーリーなのです。
近いうちに、彼女は仲間にこの話を打ち明けるでしょう。




彼女の特効薬は『信頼されること』でした。
彼女は、ある人たちに「君は我々を信じていない。我々に何も話してくれないじゃないか。だから我々も君が信じられないのだ」というようなことを言われたことがあったそうです。すごくショックだったようです。
信じられなかったことがショックだったのではなく、信じていないと決め付けられたこと、全てを打ち明けなければ信頼関係が成り立たないという考えにショックを受けたようでした。
それに、彼女の間違った噂をきいて、「彼女をホントウに信じていたのに、裏切られたと思った。人間不信になった」と言った彼女の友人は彼女の話など聞こうともしませんでした。
それでも、彼女は心のどこかで、一度信頼関係にあった人ならもとに戻れるって信じています。



彼女が回復した今、原因を追究しても仕方ないけれど、彼女はまだ恐怖心を持っている人が数人います。彼女はその人たちも克服したいと思っているようです。





彼女は、たぶん自分が自分であることの自信をまったくもてなかったのですね。
自分のカラーが否定されるのを恐れていたのです。





人、それぞれ同じなんてことはないし、それでいい。彼女が幼いころ育った環境では彼女はそう教わってきましたが、彼女が今いる世界ではそれがなかなかゆるされない雰囲気なのです。それでも、彼女は自分は自分、人から浮いていても、個性的でもいいのだと思えたみたいです。自分のカラーを存分に発揮していい場所もあると知ったようです。





そんな彼女のsignature colorはpinkです。


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みんなの周りにもそんな人がいるかもしれません。
みんなの笑顔や優しさが知らず知らずのうちに誰かを救っているかもしれない。



WHOは健康を
a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity
と定義しています。



人が健康であるということはかなり多面的なことだし、簡単なことじゃないのかもしれません。
プシコ、プシコとバカにされたり軽んじられたりしますが、内臓の炎症なんかとそんなに変わることなのかな?そんなことないと私は思います。



私は彼女が元気になったことがとっても嬉しいです。