お猿さん。写真のように横にもできるし縦にぶら下げることもできる傑作。
先日亡くなった父はとても手先が器用でした。
昭和4年生まれなので戦争の時は今でいう中学生。軍需工場で船か飛行機か(どっちだったかな?)のプロペラを作っていたという話を少しだけ聞いた記憶があります。
きっと器用な手先がフルに動いていたのではないかと思います。
10年前にアルツハイマーと診断されてからは、なんとか進行を食い止めようと何かにとり憑かれたかのように一心に木工作業に励んでいました。
その時の作品が写真のお猿さん。これ、五匹の猿が手を繋いでいるものですがボンドで止めているのではなく微妙な手の角度で繋がっています。
裏を見ると「右から1番目」「右から2番目」と書き込んであります。
最初の作品ができあがった時に母は大喜びで玄関に飾ったのですが、それを見たお客さん方がとても褒めてくれたので父は気をよくしてたくさん同じものを作ってご近所の方にお渡ししました。
帰省した時に私が「わ~、これすごいなあ~ うちにもくれんかな。」と言ったところ、一日で完成させてくれました。
持ち帰ったものを飾っていると遊びに来た友人が「私も欲しいわ。」と。もちろん父は喜んで作ってくれました。
ですから同じものがいろんなところに飾られています。父の作ってくれたものは今になってまた輝いているような気がしています。
亡くなってから気づいたのですが、私の指と爪の形は父にそっくりでした。
だけど、その指で作るものは到底まねができません。
なぜか「超」」が付くくらい不器用な私。
器用さをちょっと分けてくれればよかったのに、お父さん。
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