フラワーガーデン

ようやく再会したハルナとトオル。
2人の下す決断は?

ドライブって。

2005年06月24日 14時46分55秒 | 第1章 恋愛ビギナー編~ハルナの章~
家に戻ると、いつも来ている普段着に着替えた。
そして、出掛けようとして姿鏡に映る自分の恰好をじぃっと上から下まで見つめた。

「やっぱり、このスカート止めよう」

慌てて別のスカートに着替え、玄関に走った。

「やっぱり、さっきのにしよう!」

何度も着替えて、結局は普段着よりもちょっぴり大人びた服に着替えた。

かずにぃが大学に行ってから遠退いていたお隣の家を久しぶりに訪ねた。
おばさんは、それはそれは嬉しそうに私を招き入れ、御馳走に腕を奮ってくれた。

おばさんのグラタンはいつも思うけどサイコー\(≧▽≦)ノだった。
まろやかで温かな、まさにオフクロの味!

食事が済んでおばさんとお話ししていると、かずにぃが
「ハルナ、ちょっと部屋来て」
と、ご指名してきた。
「で、でもかずにぃ。私、後片付けがあるから・・・」
「いいのよぉ~。かずはね。ハルナちゃんに見せたくて、急いで帰ってきたんだから。行って見てあげて」

おばさんは嬉しそうに私の背中を押した。

「すみません。じゃ……おご馳走様でした」

笑って頷くおばさんにお礼を言って、2階に上がった。

かずにぃは戸を開けて入るなり、水戸黄門みたいにぬっと私の目の前に何かを突きつけた。

「遂に取ったんだ。免許」
「うっわぁ~すっ、凄いよ!おめでとーーー!!!」

手を叩き喜びながらも、ふと突然、トオル君の教習所で運転をしている姿が頭の中を過った。

え!え!ええ~~!!
何で、ここでトオル君の姿がよぎるのぉぉ

頭を振っていると、かずにぃが不思議そうに私の顔を覗き込んだ。

「ん?どした?!」
「あ、ううん。なんでもない!凄いね~。ホント、大学のお勉強もあるのに良く取れたねぇ」

私がしみじみ感心していると、こめかみに人差し指を当ててバキューンといたずらっぽく撃つ真似をした。


「ここの出来が違うからな。実は車も既に購入済みなんだ。今は親父のクルマが車庫に入っているから、近くの駐車場を間借りしてるんだけどな」

かずにぃがクルマを運転する……。

なんだか急にかずにぃが大人の男性になったような気がして、眩しく見えて少し胸がドキドキして苦しくなった。

「……ってどう?」

かずにぃの言葉で急に現実に引き戻された。

「え?なに??」
「はぁ~。聞いてなかったのか。」
「ごめんなさい。かずにぃが免許取って、しかも車まで買ったっていうから、スンゴイ驚いちゃって」
「土曜日、暇だったらドライブに行くってどう?って聞いたんだけど」

私のおでこの髪をくしゃくしゃに掻き上げながら笑うかずにぃの笑顔に、胸の音は今にも爆発しそうになったんだ。



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