かずにぃの部屋から出ようとして、机の上にある鏡に映る自分の顔を見てぎょっとした。
「目、真っ赤だ」
鏡に映る私の目は、明らかに泣きはらした後だった。
二人にこんな顔見せられない。
でも、このまま、この部屋に引きこもる訳にもいかないし……。
ふと伏せた目線の先に乱れたベッドが目に入り、さっきまでここでしていたことを思い出し、顔から火が出そうだった。
私はまるで証拠を隠す犯人のように、シーツを伸ばして、何とかキレイにベッドを整えた。
意を決して、扉を開けると、かずにぃとリョーコさんはダイニングテーブルに腰掛けて話をしているところだった。
リョーコさんは私が部屋から出てきたことに気付き、目を見開いて驚きの声を挙げた。
「あれ!ハルナちゃん、来てたの?」
かずにぃは……、かずにぃは丁度向こう側を向いて座っているから表情が読めない。
コクンと私が頷くと、リョーコさんはその視線をかずにぃに移し、上目遣いにかずにぃを見た。
「じゃぁ、もしかして。お邪魔しちゃった???」
「うん。マジで、すんげー邪魔されたかも、なっ?!ハルナ!」
かずにぃは笑顔を作りながら、椅子に肘を掛け、私の方を振り向いた。
でも、目が合うなりその笑顔もすっと引いていた。
私に、話を振らないで……
私は益々、真っ赤になって俯いてしまった。
そんな様子を、かずにぃは肘杖をつきながら、じっと冷静に見つめている。
しばしの沈黙があった後、かずにぃはガタンと乱暴に音を立てながら椅子から立ち上がると、テーブルの上の鍵束とタバコに手を伸ばした。
「リョーコ、夕飯サンキューな。でも、もう遅いから、オレ、こいつ送ってくよ」
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「目、真っ赤だ」
鏡に映る私の目は、明らかに泣きはらした後だった。
二人にこんな顔見せられない。
でも、このまま、この部屋に引きこもる訳にもいかないし……。
ふと伏せた目線の先に乱れたベッドが目に入り、さっきまでここでしていたことを思い出し、顔から火が出そうだった。
私はまるで証拠を隠す犯人のように、シーツを伸ばして、何とかキレイにベッドを整えた。
意を決して、扉を開けると、かずにぃとリョーコさんはダイニングテーブルに腰掛けて話をしているところだった。
リョーコさんは私が部屋から出てきたことに気付き、目を見開いて驚きの声を挙げた。
「あれ!ハルナちゃん、来てたの?」
かずにぃは……、かずにぃは丁度向こう側を向いて座っているから表情が読めない。
コクンと私が頷くと、リョーコさんはその視線をかずにぃに移し、上目遣いにかずにぃを見た。
「じゃぁ、もしかして。お邪魔しちゃった???」
「うん。マジで、すんげー邪魔されたかも、なっ?!ハルナ!」
かずにぃは笑顔を作りながら、椅子に肘を掛け、私の方を振り向いた。
でも、目が合うなりその笑顔もすっと引いていた。
私に、話を振らないで……
私は益々、真っ赤になって俯いてしまった。
そんな様子を、かずにぃは肘杖をつきながら、じっと冷静に見つめている。
しばしの沈黙があった後、かずにぃはガタンと乱暴に音を立てながら椅子から立ち上がると、テーブルの上の鍵束とタバコに手を伸ばした。
「リョーコ、夕飯サンキューな。でも、もう遅いから、オレ、こいつ送ってくよ」
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