私は階段を降りている時、トオル君に思い切って昨日の夜から気になっていたことを聞いた。
「トオル君、もしかしてあの時の車椅子の男の子?」
トオル君は応える代わりに、
「君は随分髪を思い切って切っちゃったよね。
キレイだったのにね。もったいない」
彼は私の頭に手を回して引き寄せると軽くキスをした。
トオル君の言った通り、ご両親は既に起きて居間のソファに座っていた。
でも、二人とも私達に気付かないのか深刻そうな顔をしていた。
「あの・・・・・・おはようございます。昨晩は泊めて頂いて・・・」
そう言い掛けて、はっとした。
トオル君のお父さんは、トモと行った産婦人科医院の先生だった。
私を覚えていないのか向こうは無反応だ。
だけど、よくよく近づいてみると別人のような気もする・・・・・・。
そう思いたいから、そんな気がするのかな・・・・・・。
二人は弾かれたようにソファから立ち上がると、私達にソファを進めながらにこやかな顔で迎え入れてくれた。
「あ、あら。昨晩はよく眠れたかしら?」
「僕は良く眠ったけど、ハルナは?」
突然私に振らないで下さい!
心の動揺が収まらずシドロモドロの私に、トオル君が助け舟を出してくれた。
「今朝、彼女を起こしに部屋まで行ったら良く寝ていたのか、なかなか出てきませんでしたよ」
え?!
そ、・・・そか。
そだよね。
幾らなんでも一緒の部屋で寝ていたことにしない方がいいよね。
トオル君の機転に感謝しつつほっとした。
それによ~く、見てみるとトオル君のお父さんは産婦人科医院の先生とは別人だった。
先生の方が、もっと痩せていて、髪がカール気味だったような気がする。
トオル君のお父さんは白髪混じりながらもサラサラの髪・・・・・・
ここにきて私はその違和感にはっとなった。
トオル君のご両親は共にどう見ても生粋の日本人だ。
トオル君のように、金髪でも、碧色の目でもない・・・・・・
私が咄嗟にトオル君の方を振り向くと、彼は私が思ったことを全てを察したかのようにちょっとだけ頷いた。
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トオル君は応える代わりに、
「君は随分髪を思い切って切っちゃったよね。
キレイだったのにね。もったいない」
彼は私の頭に手を回して引き寄せると軽くキスをした。
トオル君の言った通り、ご両親は既に起きて居間のソファに座っていた。
でも、二人とも私達に気付かないのか深刻そうな顔をしていた。
「あの・・・・・・おはようございます。昨晩は泊めて頂いて・・・」
そう言い掛けて、はっとした。
トオル君のお父さんは、トモと行った産婦人科医院の先生だった。
私を覚えていないのか向こうは無反応だ。
だけど、よくよく近づいてみると別人のような気もする・・・・・・。
そう思いたいから、そんな気がするのかな・・・・・・。
二人は弾かれたようにソファから立ち上がると、私達にソファを進めながらにこやかな顔で迎え入れてくれた。
「あ、あら。昨晩はよく眠れたかしら?」
「僕は良く眠ったけど、ハルナは?」
突然私に振らないで下さい!
心の動揺が収まらずシドロモドロの私に、トオル君が助け舟を出してくれた。
「今朝、彼女を起こしに部屋まで行ったら良く寝ていたのか、なかなか出てきませんでしたよ」
え?!
そ、・・・そか。
そだよね。
幾らなんでも一緒の部屋で寝ていたことにしない方がいいよね。
トオル君の機転に感謝しつつほっとした。
それによ~く、見てみるとトオル君のお父さんは産婦人科医院の先生とは別人だった。
先生の方が、もっと痩せていて、髪がカール気味だったような気がする。
トオル君のお父さんは白髪混じりながらもサラサラの髪・・・・・・
ここにきて私はその違和感にはっとなった。
トオル君のご両親は共にどう見ても生粋の日本人だ。
トオル君のように、金髪でも、碧色の目でもない・・・・・・
私が咄嗟にトオル君の方を振り向くと、彼は私が思ったことを全てを察したかのようにちょっとだけ頷いた。
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