ハルナの妊娠が分かったあの頃、オレは天国と地獄を行ったり来たりしていた。
ハルナをギリギリまで追い込んでしまったのはオレだ。
ハルナは、オレがわざと避妊しなかったと思い込んでいる。
だが、それは半分正解で、半分は外れだ。
あの時、オレはハルナにこう言うので精一杯だった。
「ね。あの時、どうして、・・・・・・その、着けなかったか聞いていい?
かずにぃ知ってて、どうして・・・・・・」
「言えない」
「ど・・・して・・・・・・。私、嫌だって、何度も何度も止めてってお願いしたのに・・・・・・。
それでも、どうして抱けちゃうの?」
「お前だから」
だけど、これが唯一真実の答えだった。
何人も女を抱いていながら笑われそうだが、オレはあの時生まれて初めて理性を失った。
ゆとりなんかなかったんだ。
・・・・・・ハルナだったから。
それでも、勿論途中で気付いた。
だけど、情けないことにそれは全てコトが終わってからだった・・・・・・。
無我夢中だった。
ハルナの体を、心を気遣ってあげられない程に・・・・・。
優しくなんて出来なかった。
逃がすまいと必死だった。
この機会を逃せばハルナを永遠に失ってしまうと言う恐怖がオレの冷静な判断を奪い取っていった。
だけど、ハルナは気絶して目覚めた時、その時のことを断片的にしか覚えていなかった上に、記憶がすりかえられていた。
オレは救われたような気がした。
あれからハルナはオレを愛しているとトオルに向かって言ってくれた・・・・・・。
その上、抱かれて幸せだったとあいつの前でそうお前は言ってくれたんだ。
・・・・・・そう思いたい程、オレはハルナを追い詰めてしまったひどい夜だった。
思い出すな・・・・・・。ハルナ。
オレの一生を掛けて償うから、だから花のようにいつまでも笑って忘れていて・・・・・・。
あの過喚起症候群・・・・・・。
あれこそが、オレに課せられた罪の刻印だ。
トオルはその事をオレに忠告していたんだ。
オレはあの夜を思い出す度、この後悔こそが自分の望んだ結果なのだと、ギリギリと歯を食い縛り、手の爪が肉に食い込む程、自分に言い聞かせてきた。
「それでも、トオルだけにはあいつを渡さない!」
辛うじて正気の綱の上を渡っているハルナの心が、闇の中に落ちてしまわないよう、オレは幸せな未来を紡ぐことで償っていこうと思っていた。
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ハルナをギリギリまで追い込んでしまったのはオレだ。
ハルナは、オレがわざと避妊しなかったと思い込んでいる。
だが、それは半分正解で、半分は外れだ。
あの時、オレはハルナにこう言うので精一杯だった。
「ね。あの時、どうして、・・・・・・その、着けなかったか聞いていい?
かずにぃ知ってて、どうして・・・・・・」
「言えない」
「ど・・・して・・・・・・。私、嫌だって、何度も何度も止めてってお願いしたのに・・・・・・。
それでも、どうして抱けちゃうの?」
「お前だから」
だけど、これが唯一真実の答えだった。
何人も女を抱いていながら笑われそうだが、オレはあの時生まれて初めて理性を失った。
ゆとりなんかなかったんだ。
・・・・・・ハルナだったから。
それでも、勿論途中で気付いた。
だけど、情けないことにそれは全てコトが終わってからだった・・・・・・。
無我夢中だった。
ハルナの体を、心を気遣ってあげられない程に・・・・・。
優しくなんて出来なかった。
逃がすまいと必死だった。
この機会を逃せばハルナを永遠に失ってしまうと言う恐怖がオレの冷静な判断を奪い取っていった。
だけど、ハルナは気絶して目覚めた時、その時のことを断片的にしか覚えていなかった上に、記憶がすりかえられていた。
オレは救われたような気がした。
あれからハルナはオレを愛しているとトオルに向かって言ってくれた・・・・・・。
その上、抱かれて幸せだったとあいつの前でそうお前は言ってくれたんだ。
・・・・・・そう思いたい程、オレはハルナを追い詰めてしまったひどい夜だった。
思い出すな・・・・・・。ハルナ。
オレの一生を掛けて償うから、だから花のようにいつまでも笑って忘れていて・・・・・・。
あの過喚起症候群・・・・・・。
あれこそが、オレに課せられた罪の刻印だ。
トオルはその事をオレに忠告していたんだ。
オレはあの夜を思い出す度、この後悔こそが自分の望んだ結果なのだと、ギリギリと歯を食い縛り、手の爪が肉に食い込む程、自分に言い聞かせてきた。
「それでも、トオルだけにはあいつを渡さない!」
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