フラワーガーデン

ようやく再会したハルナとトオル。
2人の下す決断は?

2005年09月19日 21時50分07秒 | 第4章 恋愛前夜編~カズトの章~
ハルナがうちに来て1週間が過ぎようとしていた。
どこから聞きつけたのか、北尾が家にやってきて、「ハルナちゃんって子はどこ?」と、キョロキョロと部屋中を見渡した。

(バーカ。お前が、来ると知っててハルナを家に置いとく訳ないだろう)

ハルナはオフクロと一緒に買物に出掛けていた。

「うちのクラスの奴等がさ、ハルナちゃんのことで騒いでてさ。で、見に来たんだけど」

(お前みたいに手の早い奴に紹介する訳ないだろう)


ところが、ハルナの奴、先に帰って来てしまった。

「どうした?ハルナ?」
オレは北尾の目を気にしながら尋ねた。

「ちょっと、暑過ぎて、具合が悪くなって先に帰って来たの。おばさんは、3時に人と会う約束があるから途中で別れたの。私だけタクシーで帰ってきて、それで……」
「分かった。説明はもう良いから、とにかく、横になれ!」

俺は急いでリビングの冷房をつけ、ソファをベッドにした。

「悪いけど、北尾帰ってくれる?」

北尾はじぃっとハルナに魅入っていたようだったが、オレは家からヤツを追い出した。



ハルナの顔色が悪く不安のが気になったオレは矢部先生に電話し、状態を説明し応急処置を尋ねた。
自力で水分補給ができるような状態だったのでポカリスエットを飲ませた。
軽症度の熱中症との診断を受け、様子を見ることにした。

必死にやっていたから気付かなかったが、ベッドの上に横たわるハルナの肌蹴た胸元から小さな胸の谷間が見えて急に気持ちがざわめいてきた。
ハルナが小さく寝返りをうってくれたお陰で、オレははっと我に返った。

「こいつは妹!それにまだ中学生だ……。どうかしてる」

オレはいつの間にか額を伝わる汗を拭いながら、懸命に目を逸らそうと努力した。

暫くするとハルナが身震いをし出したので、冷房の温度を上げ、オレも一緒にソファベッドにもぐりこみ、ハルナを抱き締めた。
そして、思った以上に細く華奢なハルナの身体を抱きしめながら「妹。妹」と何度も自分に言い聞かせ、そのまま眠りに落ちていった。



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