オフクロ達は夕飯の支度があるとかなんとかで、話し合いが終わると早々にホテルが用意したハイヤーで帰っていった。
オレとハルナは披露宴に出される予定のディナーを体験するためにホテルに残った。
やや暗めに落とされた照明の中、オレ達は美しい夜景が見えると言う窓際のテーブルに通された。
大きなグラスの中では、真っ赤な蝋燭に灯された炎がゆらゆらと揺らめき、幻想的な雰囲気を醸し出していた。
ハルナは居住まいを正すと、「緊張しちゃうね」と肩をすくめた。
鮮魚のカルパッチョという前菜が出されるや、ハルナは両手を合わせ、目をキラキラと輝かせた。
「すごーい!綺麗だね~」
「式当日は殆ど食えないらしいから今のうち食っとけよ」
新しい皿が運ばれて来る度にはしゃぐハルナを見て、結婚式を挙げることにして良かったと心から思った。
美味しそうに食事を頬張るハルナとは逆に、オレは殆ど食事に手を付けられないでいた。
ハルナに退学のことを聞きたかったが、こんなに嬉しそうに食っているヤツの顔を曇らせたくない・・・・・・。
オレは聞きたい気持ちをワインと一緒に飲み下した。
そのこととは別にオレの心を曇らせるもうひとつの要因がこのオレの中にある。
食事が終わりに近づくにつれ手が汗ばみ、心臓がざわざわと騒ぎ出す。
大きく息を吸い、オレがポケットに手を忍ばせた時、食事を下げるウェイターが、
「お食事はお口に合いませんでしたでしょうか?」
と、不安げに質問をしてきた。
「あ、いや。美味しかったよ。・・・・・・今日はちょっと、腹の具合が良く無くてね」
オレは笑いながら、「あ、すみません。これももう下げて下さい」と謝罪した。
「かずにぃ、大丈夫?殆ど、手を付けてなかったけど・・・・・・」
心配そうな目をしながらハルナは食事をする手を置いた。
空になった皿をウェイターが下げ、彼女の前にはデザートのアイスクリームが置かれた。
「食べれないんだったら、何か他のものをお願いしようよ」
ハルナはウェイターからメニューを取り寄せると、
「ほら、お粥みたいなのもあるよ」
と、オレにメニューを差し出した。
オレは開かれたメニューを閉じるとナプキンをテーブルの上に置いた。
「かずにぃ?」
「・・・・・・お前が食べたい」
「え?!」
ハルナは目を見開くと、手に持っていたスプーンを床に落とした。
オレはポケットに入っていた2枚のカードをテーブルの上に置いくと、呆然としているハルナの目の前にすっと滑らせた。
「この番号の部屋を予約してある・・・・・・。お前は先に行って休んでて。30分したらオレも行く。さっきの答えがOKなら、中から鍵を開けてくれ。ダメだったら・・・・・・」
考えたくも無い回答だが・・・・・・。
「もし、ダメだったら、絶対に開けるな。・・・・・・オレは車の中で寝る。明日の朝には部屋に迎えに行くよ」
それだけ言うと、ドロドロに溶けたアイスクリームをじっと見つめているハルナを置いてオレはレストランを後にした。
恋に夢中なあなたに♪アルファポリス
楽しい小説を読みたい貴方へ
オレとハルナは披露宴に出される予定のディナーを体験するためにホテルに残った。
やや暗めに落とされた照明の中、オレ達は美しい夜景が見えると言う窓際のテーブルに通された。
大きなグラスの中では、真っ赤な蝋燭に灯された炎がゆらゆらと揺らめき、幻想的な雰囲気を醸し出していた。
ハルナは居住まいを正すと、「緊張しちゃうね」と肩をすくめた。
鮮魚のカルパッチョという前菜が出されるや、ハルナは両手を合わせ、目をキラキラと輝かせた。
「すごーい!綺麗だね~」
「式当日は殆ど食えないらしいから今のうち食っとけよ」
新しい皿が運ばれて来る度にはしゃぐハルナを見て、結婚式を挙げることにして良かったと心から思った。
美味しそうに食事を頬張るハルナとは逆に、オレは殆ど食事に手を付けられないでいた。
ハルナに退学のことを聞きたかったが、こんなに嬉しそうに食っているヤツの顔を曇らせたくない・・・・・・。
オレは聞きたい気持ちをワインと一緒に飲み下した。
そのこととは別にオレの心を曇らせるもうひとつの要因がこのオレの中にある。
食事が終わりに近づくにつれ手が汗ばみ、心臓がざわざわと騒ぎ出す。
大きく息を吸い、オレがポケットに手を忍ばせた時、食事を下げるウェイターが、
「お食事はお口に合いませんでしたでしょうか?」
と、不安げに質問をしてきた。
「あ、いや。美味しかったよ。・・・・・・今日はちょっと、腹の具合が良く無くてね」
オレは笑いながら、「あ、すみません。これももう下げて下さい」と謝罪した。
「かずにぃ、大丈夫?殆ど、手を付けてなかったけど・・・・・・」
心配そうな目をしながらハルナは食事をする手を置いた。
空になった皿をウェイターが下げ、彼女の前にはデザートのアイスクリームが置かれた。
「食べれないんだったら、何か他のものをお願いしようよ」
ハルナはウェイターからメニューを取り寄せると、
「ほら、お粥みたいなのもあるよ」
と、オレにメニューを差し出した。
オレは開かれたメニューを閉じるとナプキンをテーブルの上に置いた。
「かずにぃ?」
「・・・・・・お前が食べたい」
「え?!」
ハルナは目を見開くと、手に持っていたスプーンを床に落とした。
オレはポケットに入っていた2枚のカードをテーブルの上に置いくと、呆然としているハルナの目の前にすっと滑らせた。
「この番号の部屋を予約してある・・・・・・。お前は先に行って休んでて。30分したらオレも行く。さっきの答えがOKなら、中から鍵を開けてくれ。ダメだったら・・・・・・」
考えたくも無い回答だが・・・・・・。
「もし、ダメだったら、絶対に開けるな。・・・・・・オレは車の中で寝る。明日の朝には部屋に迎えに行くよ」
それだけ言うと、ドロドロに溶けたアイスクリームをじっと見つめているハルナを置いてオレはレストランを後にした。
恋に夢中なあなたに♪アルファポリス
楽しい小説を読みたい貴方へ
ん~わたしがドキドキしてきました。どーすんの?どーすんのぉ?
やっぱり、我慢できないのかなぁ…(笑)
もーね、本当に×2気になるんですよ!続きがっ
こんなんじゃ、仕事に手がつかないよぉ~っといいながら、夜勤中はヒマなので新しいお話をせっせと書いております
じゅんちさんはお勤め人さんだったんですね。
しかも夜勤とは・・・・・・
もしや白衣の天使様??
続きを楽しみにして頂いて光栄です。
が、熱が引かなくて・・・・・・。
でも書きたくて、ここ1週間朦朧としながら書いてます。
この時点で連続休載は生殺し?ですか~??
私は19歳でワインを嗜むカズトの肝臓の方が心配だ~~~!d( ̄◇ ̄)b
じゅんちさんのブログも遊びに行ってます。
リンク貼ってあるので嬉しい~♪
また後で行きま~す。
・・・・・・の、前に安静にしなきゃ・・・・・・(´・ω・`)」