今の研究室で使っているデータは自分で入れたものもあるが,先人の人たちやGISの会社にお願いして入力したものもある.
いろいろなデータがあるのは非常にありがたいのだが,悲しいことにデジタイザ座標系で入力されているものもあったり,測地系がよくわからなかったりで,相変わらず一筋縄では使えないデータが多い.本当にかなしー.
その中に,インドの大縮尺の地図から街や村の名前を拾い出して入力した地図データがある.街とか村はポイントで入力されていて,それに対応する地図上の地名やコード番号などが振られたデータだ.
このデータは結構前から使われていて,これを使った地図をよく見かける.重要なデータだ.
ところが,このデータのポイントの位置がどうもずれていることに気付いた.念のため背景にスキャンした地図画像を重ねてみたら,明らかに違っている.測地系のずれのように,系統的にずれているのではない.1つの行政界の中のポイントのうちAからZまで地名の頭文字を並べて最初に来る地名はその行政界の真ん中に位置していたり,1つの地名に対して2つのポイントがありその地名の前後にポイントが打ってあるのだ.ポイントを打つ点は基本的に地名の左下と決めているらしく,地名の右側に街のマークがあっても関係なく左下にポイントが打たれている.
このデータはデジ座標系でかなり悲しい思いをしているのだが,それ以上にこのポイントの打ち方にはまいってしまった.よろろ.
このままだと,隣り合う街のポイントが上下(南北)に入れかわって入力されているデータを使うことになる.昔の紙地図からデータを起こしているから,紙地図がゆがんでいて多少精度が劣るのは仕方ないにしても,これでは位置関係すら正しくないではないか.
さらに言うと,街名のリストを先に作ってデータを入力したらしく,街名が見つからないと適当なところにポイントが打ってある(涙).地名が混みあっているところは,ポイントが抜けている.地図が古くて見えにくかったのは確かだけど,納品前にチェックしなかったんだろうか.ちょっと見ればすぐわかりそうなのに.ああ,でも納品後にも今までこのエラーは見つからなかったんだなぁ...
とてもとても引いてみれば,北と南の街が入れ換わって表示されていても,そんなに支障はないのかもしれないが,個人的にはかなり気持が悪い.「そんな細かいことを」と言われそうだが,私にとっては許容範囲外だ.
しかし,このデータが納品されたのは10年以上前のこと.今さら差し戻すわけにもいかない.たぶん自分がやっちゃう方が早い.
というわけで
「街とか村の居住地のマーク(多角形が黒く塗りつぶされている)がその地名のそばに見えていたら,そこにポイントを入力するもんじゃないかなー,確かに見えにくい地図だけどさぁ,昔はこんな大判のスキャンは高かったけどさぁ」
と,一人ぶつぶつと言いながら,このデータに含まれる全地名3500点ぐらいを現在移動中である.ぶーつぶーつ.
でもきっと一から自分で入れるより,楽.(たぶん).
その点だけはありがとう!なのだ.