てくてくダイアリー

GISとか使ってました

ベクタライズ

2009-11-25 | ArcGIS
紙の地図をスキャンして、これをベクタライズしたいということはよくあることだと思う。「JPEGをベクタライズするには、どうやってやったらいいんでしょうか」というご質問を、とてもとても偉い先生からいただいてしまった。

別に地理座標がなくてよさそうで、ベクタライズしたデータを使うのはパワポとかイラストレータとからしい。それなら、イラストレータでベクタライズができるという話を聞いたこともある。しかし、私の手元には今現在イラストレータはない。むむぅ。

ArcGISでJPEGを白黒2値にして(Spatial AnalystのCon関数)で、ラスベク変換をしてみたが、はっきり言っていまいち。三角のポリゴンの集団を遠い目で見ると、建物の形状が浮かび上がってくる、そんなベクタデータが出来上がった。がっかり。

ArcScanという手もないでもないが、相手の環境にArcScanがないという可能性もある。というか、私があんまりArcScan、好かん(さぶっ)。

それならいっそ、フリーソフトの方が優秀なんじゃないか???と思い、検索してみた。そこで編み出したのが以下の方法。

1.JPG画像をBMPに変換

これは2.のソフトがBMPしか受け付けないから。JPG画像をWindows添付のペイントなどで開き、BMP保存する。このときモノクロビットマップで、保存するといいような気がする。

2.JPG画像からDXFに変換

ScanBmp Monkey II
http://www.vector.co.jp/soft/win95/art/se089461.html

このソフトが大変優れもので、ベクタライズ前に必要なラスタのノイズ消去を自動でやってくれる。たいていはここで挫折するのだけれど、すんばらしい。個人的にはおサルインタフェースも好き。

3.DXFからEMFに変換

VectorToVector
http://www.vector.co.jp/soft/win95/business/se438196.html

VectorToVectorが起動したら、「ベクトル→ベクトル変換」のボタンをクリック。次に「ファイル登録」で、2.で作成したDXFを指定。さらに、「ベクトル変換」をクリックし、出力形式としてEMFを選択。

当然ながら文字などもベクタデータとして取り込まれてしまうので、邪魔なようならJPGやBMPの時点で、ペイントの消しゴム機能などできれいにしておくとよいかも。

もしシェープファイルをDXFに変換するのなら、ArcToolboxの「変換ツール>CADへ変換>CADへのエクスポート」。DXFに変換後は3.のソフトでEMFにする。

イラストレーターではEMFが読めるか不明だけど、3.のソフトではSVGにも出力できる。SVGは確かアドビが作ったフォーマットだったような気がするので、おそらくイラストレータでもSVGが読めるのではないかと期待っ。

パワポにEMFを追加するには、「挿入>図>ファイルから」でEMFを指定する。

しかし、まったくスマートな方法ではない。というか、この記事のカテゴリーがArcGISなのに、まったくGISを使っていない。

まぁよいではないか。よいではないか。とりあえず、出来るんだし。
これを偉い先生にお伝えするのはちと気が引けるが。

もっとスマートな方法があったら、みなさん教えてくださいまし。

握手しようやー

2009-11-17 | ひとりごと
先日、大学時代の友人からメールが届いた。訃報だった。

大学の時に所属していた研究室の、当時助教授だった先生が亡くなられた。まだ62歳なのに。全然現役なのに。

直接先生に指導していただいたことはないが、巡検での思い出ならたくさんある。

実習で谷頭からしみ出てきた水量を測るとき、いつも先生は「キラキラで」と言っていた。先生が研究で滞在されたバリだかどこかの言葉で、キラキラとはだいたいで、という意味があるらしい。水量を測る間中みんなで「じゃここはキラキラで。キラキラでね」とキラキラを連呼した。

あるフィールドに向かう途中、先生ののった車が途中からついてこなくなった。フィールドは1800mぐらいの頂上付近にあったのだが、車道があるのは1600mぐらいまでで、そこから200mほど道なき山林を上っていく。そこで車を降りたら、後から追いついた先生から1人1本ずつビールを渡された。先生は、途中で酒屋によってビールを買っていたのだ。フィールドでの測量あけの一杯のためだった。

巡検の夜はいつも大宴会だった。あっ、いやっ、測量結果を集計し終わったら大宴会だった。巡検はたいていどこかの大学の演習林に行くのだが、演習林に20人近くも学生が来ることは珍しいらしく、どこの演習林の林長さんも歓迎してくれた。

地下水の研究をしている講座だったせいか、巡検で行く先はどこも水がおいしかった。ということは、お酒もおいしい。演習林の林長さんはおいしいお酒を熟知されていて、毎晩のように一升瓶を携えてきてくれる。そのお酒を浴びるように飲んで、日付が変わる頃には、先生もただの酔っぱらいとなった。

先生はよっばらって「くりはらー!(わたくしの旧姓)握手しようやー!」と、手を差し出す。もちろん、私はよっばらいと握手はしないのだが、その明るい口調は、みんなの爆笑を生んだ。

先生の思い出といえば、そういう笑い話ばかりだ。
そんな先生が、もう逝かれてしまうなんて。

ご冥福をお祈りいたします。