木曜日の夜、
風呂に入りかけた、長男がムカデがいると言ってきた。
何が怖いって、僕はムカデが一番怖い。
こんな都会に住んでいてムカデに悩まされるなんて。
20才の頃、
友達4人で丹後半島に泳ぎに行った。
その時、食事を囲んだ大きなテーブルの下で
僕は足に一瞬の痛みと、もぞもぞとするのを感じて飛びのいた。
民宿の主人はムカデじゃねェ。
といたって呑気で「キンカン」を塗ってくれた。
当時は虫刺されはなんでも「キンカン」だった。
誰も何も知らない僕らは「血清とかうたなくて大丈夫なの。」
と言う話に、「まあ小さいムカデだから大丈夫でしょ。」
民宿の主人もよく知らないようだ。
腫れることはなかったが、しばらく痛かった。
それから10数年、
今の家に越してきたすぐの頃、ほろ酔い気分で帰る道、
ビニールでできた立派なムカデを見つけた。
深い濁った緑色に、黄色とオレンジ色がてかっている
派手な色を持った、よく店で売っている
12cm近い大きなムカデだ。
気味悪いながらも、側の石を蹴飛ばして当てると、
モゾモゾっと動いた。
「ぎゃ」本物だ。恐怖心でいっぱいになった。
あのおもちゃって、本物にそうとう近いんだ。
(こんな時に変な感心をしてしまった)
こんな大きなムカデに噛まれたら大変だ。
僕の家の近所にいることが不安でたまらない。
絶対殺さねばならないと思った。
武器がない(W)。
近づかずに殺せる棒みたいなものがない。
車が来た。車に引きつぶされればと期待したが、
わずかにタイヤがかすめた。
と、側にあった車でぺしゃんこになった空き缶の下に逃げた。
勇気を振り絞って、空き缶を踏みしめた。
大きなムカデは空き缶の蓋と底から、
頭としっぽをはみ出し踏みつぶす僕の足を襲ってくる。
こすり付ける様に踏みつける僕の足を
不気味な頭とツメを広げたような尻尾が
左右から足に向かって宙を蠢く。
すりつぶすように何度も…。
とりあえず動かなくなったのはかなり時間がたってから。
缶をどけてみる勇気はなく家に帰った。
数日後、玄関でサンダルを履いたとき、
ズキッとして、同時に足が砕けた。
一瞬にしてムカデに噛まれたと体が反応し、膝が崩れた。
4㎝ほどの小さなムカデが逃げて行った。
兵庫県の須磨に住んでいる友人に話すと、
朝、スリッパの中に潜んでいることがあると言う。
それから、必ず靴の中、サンダルの中を
トントンとして床に打ち付けて、中を改めている。
彼の話で、ムカデは夫婦仲が良く、
1匹いると必ずもう1匹がそばにいると聞かされた。
おまけに殺すと匂いが着いて相手に復習に来ると言う。
そんな、子供じみた話も、あの時の僕は信じてしまう。
きっと、子供が復習に来たのだ。
(ツガイだと言うのにW、なんで子供が?
第一、いつもツガイでいると言うのも本当かどうか)
それかから、また数年後、
娘が3歳の頃、朝一緒に寝ていた娘の指が腫れていて痛いと言う。
嫌な予感がして、ベットの上を調べると、
小さなムカデの子供が娘につぶされてぺしゃんこになって死んでいた。
以上が私とムカデの履歴だ。
奥さんの高知の実家に行くと、ムカデが出ると言う。
結婚したころ、実家に行くと
妻と子供の布団をひいた真ん中に僕は寝ていた。
寝ている間にムカデがくると怖いので
真ん中に寝たのだ。(なんちゅう親やW、それぐらい怖かったんですわ)
今回、我が家では娘が3歳のころ以来のムカデである。
体長7cm。我が家で見た最大サイズだ。
脱衣所の入口の上の壁の上にいる。
恐る恐る覗くと、身体半分を壁に着け
あとは宙に不気味な頭を彷徨わせている。
扉の向こうの壁の上、ムカデが頭の上にいるなんて、
僕はもうパニックだ。
どうしよう、
隙間にでも逃げられると僕は二度と脱衣所によう入らん。
子供がゴキブリのスプレイをかければと言う。
ムカデは生命力が強いから、きかないんじゃないか。
僕の頭の中はとにかく棒みたいなものでたたいて
確実に絶対殺さねばと。
息子がスプレイを取ってきてかけた。
下に落ちて、あっさり、のたうちまわっている。
僕があわてて、塵取りを取りに行くと。
息子は割り箸でつかんでいた。
うーん、トラウマと言うものは…。
死にかけでも、割り箸でムカデをようつかまん。
なんだか、息子を初めて頼もしく思った。
風呂に入りかけた、長男がムカデがいると言ってきた。
何が怖いって、僕はムカデが一番怖い。
こんな都会に住んでいてムカデに悩まされるなんて。
20才の頃、
友達4人で丹後半島に泳ぎに行った。
その時、食事を囲んだ大きなテーブルの下で
僕は足に一瞬の痛みと、もぞもぞとするのを感じて飛びのいた。
民宿の主人はムカデじゃねェ。
といたって呑気で「キンカン」を塗ってくれた。
当時は虫刺されはなんでも「キンカン」だった。
誰も何も知らない僕らは「血清とかうたなくて大丈夫なの。」
と言う話に、「まあ小さいムカデだから大丈夫でしょ。」
民宿の主人もよく知らないようだ。
腫れることはなかったが、しばらく痛かった。
それから10数年、
今の家に越してきたすぐの頃、ほろ酔い気分で帰る道、
ビニールでできた立派なムカデを見つけた。
深い濁った緑色に、黄色とオレンジ色がてかっている
派手な色を持った、よく店で売っている
12cm近い大きなムカデだ。
気味悪いながらも、側の石を蹴飛ばして当てると、
モゾモゾっと動いた。
「ぎゃ」本物だ。恐怖心でいっぱいになった。
あのおもちゃって、本物にそうとう近いんだ。
(こんな時に変な感心をしてしまった)
こんな大きなムカデに噛まれたら大変だ。
僕の家の近所にいることが不安でたまらない。
絶対殺さねばならないと思った。
武器がない(W)。
近づかずに殺せる棒みたいなものがない。
車が来た。車に引きつぶされればと期待したが、
わずかにタイヤがかすめた。
と、側にあった車でぺしゃんこになった空き缶の下に逃げた。
勇気を振り絞って、空き缶を踏みしめた。
大きなムカデは空き缶の蓋と底から、
頭としっぽをはみ出し踏みつぶす僕の足を襲ってくる。
こすり付ける様に踏みつける僕の足を
不気味な頭とツメを広げたような尻尾が
左右から足に向かって宙を蠢く。
すりつぶすように何度も…。
とりあえず動かなくなったのはかなり時間がたってから。
缶をどけてみる勇気はなく家に帰った。
数日後、玄関でサンダルを履いたとき、
ズキッとして、同時に足が砕けた。
一瞬にしてムカデに噛まれたと体が反応し、膝が崩れた。
4㎝ほどの小さなムカデが逃げて行った。
兵庫県の須磨に住んでいる友人に話すと、
朝、スリッパの中に潜んでいることがあると言う。
それから、必ず靴の中、サンダルの中を
トントンとして床に打ち付けて、中を改めている。
彼の話で、ムカデは夫婦仲が良く、
1匹いると必ずもう1匹がそばにいると聞かされた。
おまけに殺すと匂いが着いて相手に復習に来ると言う。
そんな、子供じみた話も、あの時の僕は信じてしまう。
きっと、子供が復習に来たのだ。
(ツガイだと言うのにW、なんで子供が?
第一、いつもツガイでいると言うのも本当かどうか)
それかから、また数年後、
娘が3歳の頃、朝一緒に寝ていた娘の指が腫れていて痛いと言う。
嫌な予感がして、ベットの上を調べると、
小さなムカデの子供が娘につぶされてぺしゃんこになって死んでいた。
以上が私とムカデの履歴だ。
奥さんの高知の実家に行くと、ムカデが出ると言う。
結婚したころ、実家に行くと
妻と子供の布団をひいた真ん中に僕は寝ていた。
寝ている間にムカデがくると怖いので
真ん中に寝たのだ。(なんちゅう親やW、それぐらい怖かったんですわ)
今回、我が家では娘が3歳のころ以来のムカデである。
体長7cm。我が家で見た最大サイズだ。
脱衣所の入口の上の壁の上にいる。
恐る恐る覗くと、身体半分を壁に着け
あとは宙に不気味な頭を彷徨わせている。
扉の向こうの壁の上、ムカデが頭の上にいるなんて、
僕はもうパニックだ。
どうしよう、
隙間にでも逃げられると僕は二度と脱衣所によう入らん。
子供がゴキブリのスプレイをかければと言う。
ムカデは生命力が強いから、きかないんじゃないか。
僕の頭の中はとにかく棒みたいなものでたたいて
確実に絶対殺さねばと。
息子がスプレイを取ってきてかけた。
下に落ちて、あっさり、のたうちまわっている。
僕があわてて、塵取りを取りに行くと。
息子は割り箸でつかんでいた。
うーん、トラウマと言うものは…。
死にかけでも、割り箸でムカデをようつかまん。
なんだか、息子を初めて頼もしく思った。