CNN) 米テキサス州ダラスのマイク・ローリングズ市長は15日、西ナイル熱ウイルスの感染が広がっているとして非常事態を宣言した。米疾病対策センター(CDC)によると、同ウイルスによるこれまでの死者はテキサス州で少なくとも14人、全米で26人に上っている。
ダラスの非常事態宣言は、ウイルスを媒介する蚊を駆除するため、薬剤の空中散布に踏み切るための措置。
米国では2004年以来の規模で西ナイル熱の感染が広がっており、当局は先週の時点で、今年の感染報告数は全米で241件、死者は4人と発表していた。
CDCによれば、ヒトと鳥類、蚊の感染は42州で確認され、このうちテキサス、ミシシッピ、オクラホマの3州での感染が80%を占める。今年に入って感染が増えた原因は不明だが、CDCの専門家は「西ナイル熱の動向に注意を払い、自分と家族を守るための対策を取ってほしい」と呼びかけている。
西ナイル熱は蚊を媒介として感染し、発熱、頭痛、関節痛、嘔吐、下痢、発疹などの症状が表れる。1%未満の確率で脳炎や髄膜炎などの神経症状が出ることもある。西ナイル熱ウイルスに効く治療薬や予防薬は存在しない。米国では主に6月から9月にかけて発生し、特に8月がピークとなる。