9月26日、しんぶん赤旗の「原子力規制委が取材規制( http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-09-26/2012092614_03_1.html )」という記事が2000以上のツイート、200以上のはてなブックマークを集めるなど、ネット上で非常に大きな注目を集めました。
記事によると「原子力規制委員会が毎週1回開く委員会終了後の記者会見について、同委員会の実務を担当する原子力規制庁の広報担当者は『特定の主義主張を持つ機関の機関紙はご遠慮いただく』などとして、『しんぶん赤旗』を排除する方針を25日、明らかにしました」ということです。
官公庁の記者会見については多くの場合、日本新聞協会などの団体に加入していることが参加の条件になっていることが多いです。そういう条件とは別に、機関紙だから参加を断られるということが本当にあるならば異例の話。そこでこの背景にどのようなことがあったのか、原子力委員会の事務局である原子力規制庁広報課のサノさんに、9月27日に尋ねてみました。
――9月26日の田中俊一委員長の定例記者会見にしんぶん赤旗の記者の出席が認められなかったという報道がありましたが、これは事実ですか?
:サノ はい、事実です。
――参加を認めなかった経緯を教えてください。
:サノ まず(記者会見参加)登録の連絡をいただきまして、私たちの方で決めている情報提供に関する内部規定をもとに判断したところ、それに当たらないと考えたので、お断りさせていただいたということです。
その内部規約というのは「報道機関への情報提供」という資料( http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0001_02.pdf#page=17 )になっていて、その2番に「記者会見等に参加を求める報道機関の範囲は次の通りとする」と書いてありまして、それらには当たらないと考えたので、お断りさせていただきました。
――資料の報道機関の範囲というのはどのような経緯から決められたのですか?
:サノ 東京電力と文部科学省、原子力安全・保安院と原子力安全委員会とで行っていた統合会見の実施形態に合わせています。
――しんぶん赤旗はその統合会見には入れていたのでしょうか
:サノ もともと入れていません。
――もともと入れていなくて、今回もう1回お願いしてダメだったという形ですか。
:サノ そうです。
――国会事故調の報告書( http://naiic.go.jp/report/ )では、規制機関が被規制側の勢力に実質的に支配されてしまうような状況であったことが指摘されていました。閉鎖的な仕組みがあったことが一因とも言われており、原子力規制庁には閉鎖的な部分を打破する役割も求められていると思います。そこで、もう少し範囲を広げてもいいのではないかと私は思うのですが、いかがですか。
:サノ そういう意味においては、共同記者会見もそうですが、そのほかの会見も委員会の様子も全部YouTubeで公開しています。一切の情報を流していますので、それは新しい試みですし、情報の透明性ということで工夫しているという現状です。
――でも、質問はできないですよね。
:サノ 新聞では「原子力安全委員会の記者会見でしんぶん赤旗が質問できていたのに、こちらではできなかった」と書いてあったのですが、それは原子力安全委員会が終わった後にぶら下がりというか突撃という形で質問していたものです。
そうしたものに関しては事務方としても一般の方のご質問は受け付けていますので、そういった意味では質問ができないという状況にはありません。
――そこまでして取材したいというメディアはかなり真摯なメディアのようにも思うのですが、その参加を認めるというのはダメなのでしょうか。
:サノ そういった質問はしんぶん赤旗からは、こちらにはされていないんですよ。
されていない状況なので、そこは判断できません。
――資料で報道機関の範囲が決められていますが、これとは別に「機関紙が記者会見に入れるようになると、政治からの独立が少し怪しくなる」と田中委員長がおっしゃったと報道されています。
その発言と資料の内容には齟齬があると思うんですね。「政治からの独立が少し怪しくなる」という観点から報道機関の範囲を決めるのなら、資料の方にそう書けばいいと思うのですが、そうではないですよね。
:サノ そこは一部混ざっていて、田中委員長は記者会見で「個人的にこの対応についてどう思うか」と質問された時、「個人的には政治からの独立性を担保しなければいけないので、そういうことになるのではないかと思う」という風に感想を述べられまして、これは別に原子力規制委員会としての決定事項ではありません。
「個人的な感想をお願いします」と記者から問われていたので、委員長が個人的な感想を述べているんですね。
(結果として今回の記者会見に)機関紙をお断りしたというのに関しては、事務方の判断ではあります。
もちろん委員長にも確認をとっていますが、それは今回の会見場はそんなに広いスペースではないので、
どこかで範囲を限定せざるを得ない。その際にどういうプレスを対象としようかと考えた時、
資料に書いてある今回の条件が上がってきたんです。
機関紙でも機関紙の範囲はいっぱいありますので、例えば資料で挙げた団体のどれかに所属していて機関紙であれば、
(記者会見参加を)認めさせていただくということになると思います。
――ということはしんぶん赤旗でも日本新聞協会に加入したりすれば普通に参加できるということですか。
:サノ もちろんです。
――しんぶん赤旗の記者で日本外国特派員協会の会員の人がいれば、その人も入っていいと。
:サノ はい、もちろん。
――この報道機関の範囲の制限というのは、これでずっといくと考えていいですか。
:サノ そうですね、一度決めているので。委員会の判断次第なので私たちは何とも言えないですが、そんなに定期的に見直しが行われるようなものではありません。
「Business Media 誠」のココだけの話 「原子力規制庁にしんぶん赤旗の記者会見参加を断った経緯を聞いてみた」より
http://news.nicovideo.jp/watch/nw384590
記事によると「原子力規制委員会が毎週1回開く委員会終了後の記者会見について、同委員会の実務を担当する原子力規制庁の広報担当者は『特定の主義主張を持つ機関の機関紙はご遠慮いただく』などとして、『しんぶん赤旗』を排除する方針を25日、明らかにしました」ということです。
官公庁の記者会見については多くの場合、日本新聞協会などの団体に加入していることが参加の条件になっていることが多いです。そういう条件とは別に、機関紙だから参加を断られるということが本当にあるならば異例の話。そこでこの背景にどのようなことがあったのか、原子力委員会の事務局である原子力規制庁広報課のサノさんに、9月27日に尋ねてみました。
――9月26日の田中俊一委員長の定例記者会見にしんぶん赤旗の記者の出席が認められなかったという報道がありましたが、これは事実ですか?
:サノ はい、事実です。
――参加を認めなかった経緯を教えてください。
:サノ まず(記者会見参加)登録の連絡をいただきまして、私たちの方で決めている情報提供に関する内部規定をもとに判断したところ、それに当たらないと考えたので、お断りさせていただいたということです。
その内部規約というのは「報道機関への情報提供」という資料( http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0001_02.pdf#page=17 )になっていて、その2番に「記者会見等に参加を求める報道機関の範囲は次の通りとする」と書いてありまして、それらには当たらないと考えたので、お断りさせていただきました。
――資料の報道機関の範囲というのはどのような経緯から決められたのですか?
:サノ 東京電力と文部科学省、原子力安全・保安院と原子力安全委員会とで行っていた統合会見の実施形態に合わせています。
――しんぶん赤旗はその統合会見には入れていたのでしょうか
:サノ もともと入れていません。
――もともと入れていなくて、今回もう1回お願いしてダメだったという形ですか。
:サノ そうです。
――国会事故調の報告書( http://naiic.go.jp/report/ )では、規制機関が被規制側の勢力に実質的に支配されてしまうような状況であったことが指摘されていました。閉鎖的な仕組みがあったことが一因とも言われており、原子力規制庁には閉鎖的な部分を打破する役割も求められていると思います。そこで、もう少し範囲を広げてもいいのではないかと私は思うのですが、いかがですか。
:サノ そういう意味においては、共同記者会見もそうですが、そのほかの会見も委員会の様子も全部YouTubeで公開しています。一切の情報を流していますので、それは新しい試みですし、情報の透明性ということで工夫しているという現状です。
――でも、質問はできないですよね。
:サノ 新聞では「原子力安全委員会の記者会見でしんぶん赤旗が質問できていたのに、こちらではできなかった」と書いてあったのですが、それは原子力安全委員会が終わった後にぶら下がりというか突撃という形で質問していたものです。
そうしたものに関しては事務方としても一般の方のご質問は受け付けていますので、そういった意味では質問ができないという状況にはありません。
――そこまでして取材したいというメディアはかなり真摯なメディアのようにも思うのですが、その参加を認めるというのはダメなのでしょうか。
:サノ そういった質問はしんぶん赤旗からは、こちらにはされていないんですよ。
されていない状況なので、そこは判断できません。
――資料で報道機関の範囲が決められていますが、これとは別に「機関紙が記者会見に入れるようになると、政治からの独立が少し怪しくなる」と田中委員長がおっしゃったと報道されています。
その発言と資料の内容には齟齬があると思うんですね。「政治からの独立が少し怪しくなる」という観点から報道機関の範囲を決めるのなら、資料の方にそう書けばいいと思うのですが、そうではないですよね。
:サノ そこは一部混ざっていて、田中委員長は記者会見で「個人的にこの対応についてどう思うか」と質問された時、「個人的には政治からの独立性を担保しなければいけないので、そういうことになるのではないかと思う」という風に感想を述べられまして、これは別に原子力規制委員会としての決定事項ではありません。
「個人的な感想をお願いします」と記者から問われていたので、委員長が個人的な感想を述べているんですね。
(結果として今回の記者会見に)機関紙をお断りしたというのに関しては、事務方の判断ではあります。
もちろん委員長にも確認をとっていますが、それは今回の会見場はそんなに広いスペースではないので、
どこかで範囲を限定せざるを得ない。その際にどういうプレスを対象としようかと考えた時、
資料に書いてある今回の条件が上がってきたんです。
機関紙でも機関紙の範囲はいっぱいありますので、例えば資料で挙げた団体のどれかに所属していて機関紙であれば、
(記者会見参加を)認めさせていただくということになると思います。
――ということはしんぶん赤旗でも日本新聞協会に加入したりすれば普通に参加できるということですか。
:サノ もちろんです。
――しんぶん赤旗の記者で日本外国特派員協会の会員の人がいれば、その人も入っていいと。
:サノ はい、もちろん。
――この報道機関の範囲の制限というのは、これでずっといくと考えていいですか。
:サノ そうですね、一度決めているので。委員会の判断次第なので私たちは何とも言えないですが、そんなに定期的に見直しが行われるようなものではありません。
「Business Media 誠」のココだけの話 「原子力規制庁にしんぶん赤旗の記者会見参加を断った経緯を聞いてみた」より
http://news.nicovideo.jp/watch/nw384590