挑戦!シナリオライター(映画・ドラマ)

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宮菜穂子さんと「血の婚礼」とシナリオ

2006-08-15 21:56:35 | ドラマ・映画
とりあえず一般の人に女優「宮菜穂子」さんの名前を覚えて
貰うために連呼。

そして、今「血の婚礼」で花嫁役で出演していますがそのシナ
リオに少し、いやかなり問題があります。
そのため幻想さだけが前面に出て芝居としてはテーマが漠然
としています。
それが役者の演技に大きな影響を与えているようで、見ていて
かなりの役者が戸惑っているように見えます。
演出、脚本家からはテーマなり意図は説明されているでしょう
が、シナリオに破綻が多いために若手陣ではかなり難しい舞台
です。

もっとも、ベテランになるとずるい解釈で観客を納得させるの
で見終わった後これでいいのかなと思わせる舞台になると思い
ますが。

一番まずいのが、普通人が話さない話し方でシナリオを書き下
ろしている点。これで感情移入を相当難しくしています。
観客も役者も。

花嫁が出るまでの最初のシーンで花婿と花婿の母親が延々会
話をしていますが「父親が刺され、兄も刺され」とか「刺した
相手は牢獄に」とか、そんなセリフがたくさん出てきます。

舞台として見ていると一般の人は気づきませんが、自宅で母親
と会話をする場合、上のような会話をするでしょうか。

「お前まで父や兄のようになって欲しくない」「今頃あいつは
あそこで」という会話になるはずです。
お互いに知っていることは、普通省略話法で話をします。特に
日本人は。

この舞台の残念なところはセリフが心理学的要素を意識してい
ない点にあります。
そのため耳障りなセリフがたくさん出てくるので、肝心の芝居
に対して観客が集中できないでいます。

不思議な雰囲気を醸し出しているので、千秋楽まで直せるセリフ
と直したことによって生まれる破綻を防ぐ手立てをしてがんばっ
て欲しいと思います。

小さな舞台の場合、毎日手直しで夜なべして演出、脚本、出演者
が作っているのは知っているので、もう一踏ん張りした良い舞台
に千秋楽まで持っていって欲しいです。

それからセリフに関しては長いセリフは極力避けるのが今シナリオ
で言われることですが、これは別に観客が小学3年生レベルの会話
しかわからないからではありません。

普通に人は会話をする場合、大抵20字3行以内で話しています。
喫茶店で会話を聞いているとよくわかるはずです。

これは自然に省略話法を使って話しているからでよほどの内容で
なければ3行を超える会話はしていません。これも心理学的な要素
で説明はされているので脚本家や演出をする人間は意識すべきだと
ある映画監督が言っていましたが、まったくそうだと私も思います。