水に浮かび物思う

カリフォルニアの海でカヤックに出会う。キャンプやハイキングの話も。

燃ゆるがごとく

2007年12月06日 | 外あそび

紅葉を見に香嵐渓(こうらんけい)へ行ってきた。ここは愛知県の紅葉の名所である。ちょっと前まで足助(あすけ)町という地名だったのだけど、豊田市に吸収合併されて現在は豊田市なのである。おかげで豊田市はとても大きくなった。足助はぼくの母親の出身地であり、ぼくは子供の頃夏休みになればよく祖母の家に遊びに行ったものだった。清く正しい山村の暮らしをぼくはまだ少しだけ覚えている。機会があれば思い出話の一つや二つ書き記しておこうと思うが、今回は香嵐渓名物の紅葉の姿だけを載せることにしたい。



紅葉のシーズンの香嵐渓はすごく人で混む。ぼくの子供の頃の記憶ではこんなに混むことはなかった。この時期に日本にいることなんてしばらくなかったから、はじめは香嵐渓の人ごみに慣れなかったけど、イヤ紅葉を見るだけのためにこんなにも多くの人が集まるのはすごいことだと思い直すと、なんだか楽しくなってきた。こんな風流な国民がほかにあるだろうか。



この日はすごく冷え込んだけど、お陰で空気が澄んでいた。ぼくは売店でどてと栗きんとんを買って食べた。日が暮れると川沿いの木々がライトアップされた。小さく可憐なもみじ達はライトの光を受け実に妖艶な姿に変身した。ぼくはこの大きなイルミネーションの中をゆっくりとあるいた。この日はほぼ満月で、寒そうに寄り添ったカップルが山の上に出た月を眺めている姿を見つけたらふと足が止まってしまった。あまり褒められたことではないと思いながらも、後姿を写真に収めさせてもらったのだった。