夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

氏素性の解らぬ作品 波佐見青磁 その2 草文陰刻水指

2018-09-07 00:01:00 | 陶磁器
母が亡くなり慌ただしい日々を過ごしておりますので、ブログの原稿作成は本格的に再開されていませんが、今まで書き貯めていた原稿にてとりあえず復活します。

さて本日は波佐見青磁についての2回目の投稿です。

青磁はどうも日本と中国を混同しがちなので、基本として日本の青磁から・・。日本で作られた青磁で手軽なのは三田(さんた)青磁や本日紹介する波佐見青磁のようです。

波佐見青磁 その2 草文陰刻水指
合箱入
口径236~240*高台径147*高さ147



底は眼鏡底が基本のようですが、これは17世紀後半の波佐見青磁の特徴でしょうか? 



ところでこれは水指? でかい! 家内曰く「香炉じゃない?」・・・。形はそうだが、内側の釉薬が全面に掛かっているのでそうも断じきれないようです。



水甕・・かな? いずれにしろ塗蓋は後世のもの、箱も合わせで釜が入っていた杉箱のようです。水指に見立て使ったものでしょうね。でも結構重いので、作法としては置いたままの水指・・・。



存在感はある



茶事にはひとつくらいは青磁の水指が欲しいものです。



夏の茶事に青磁に映える水は涼しさを漂わせてくれます。



青磁の陰刻と青磁の発色具合は下記の写真を参考にしてください。



青磁としてはまだ未成熟の焼成と判断されます。



いつの時代の作か興味深い作品には相違ありません。



釉薬を生掛けしたような分厚さがありますね。



青磁の発色としては焼成温度不足?



白濁したような焼成の部分がありますが、これも味?



「波佐見焼 その1」で記述しましたが、チャツと呼ばれる碗型をした窯道具で持ち上げて窯の中に入れた跡があると、この技法が中国から伝わったのが17世紀半ばなのでそれ以降の作となるそうです。



この高台からはどのような判断になるのかは分かりませんが、陰刻にシャープさがない?ので17世紀半ば以降と思われます。ただ小生はこのおぼろげさが好きです。

水を入れた清楚なブルー、青磁の水指は涼しげでいい・・・・、水指は茶を点てている本人が本来愉しむもの、香水は本来香水をつけている本人が愉しむ淡い香が良いというのと同じ。欧米のように汗臭さを消す役目の強烈な香りの香水は日本人にははた迷惑、香水は本人だけ香るのを良しとするもの。


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