夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

女童図 伝木谷千種筆 その2

2015-10-21 00:22:46 | 掛け軸
小説「一路」に「人は過ちを犯すものである。過ちを犯したあとどうするのかという人間の器量が試される」という意味の一文があります。これを引用して「企業人は失敗することがある。だがどう対応していくかで企業人というより、その会社全体の真価が問われる。」と朝会で説明。そう個人の失敗が会社全体の真価が問われる自体になることは数多く在ります。同じ失敗は二度と繰り返さない、失敗のイメージを払拭するには高いレベルの改善が必要という意味です。それゆえ「報告、連絡、相談」が組織として基幹であり、相互牽制のよる自浄する社員のコンプライアンス意識が不可欠となる。このことを深く認識している企業人は思いのほか少ない。

さて、本日の作品ですが、あまりにも安いのでまたも衝動的に購入しました。ロリコンなわけではありません。ただし真贋の判断は後学としますので、今回の作品も「伝」とさせていただきます。

木谷千種の作品は以前に投稿されていますので詳細はそちらを参考にして下さい。

女童図 伝木谷千種筆
絹本着色 軸先塗木製 合箱
全体サイズ:縦1770*横540 画サイズ:縦1085*横410



落款から戦中から戦後にかけての頃の作かと推察されます。表具も材料のなかった時代そのままに紙表具です。飾り気のない紙表具の時代を経ていい味になっています。



まさしく「温藉な画境」と評された木谷千種にふさわしい作品であると思います。「温藉」は聞き慣れない言葉ですが、「心広くやさしく、しとやかなこと」を表現するそうです。千種が到達した世界を表すのにもっともふさわしい言葉であるかもしれません。



美人画で名を成し、円熟期を迎えようとする千種とは裏腹に、日増しに濃くなる戦時体制は、千種も例外ではありませんでした。

昭和17年、長男が招集され、さらに、戦局の悪化にともない、昭和19年、南河内郡高鷲村東大塚(現羽曳野市)へ転居、生活は困難を極めることになりました。その後、無事終戦を迎えましたが、昭和21年がんに侵されていることが判明。昭和22年1月24日、画家としては短い51年の生涯を閉じています。


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