平福百穂の代表的な画題である墨一色で描かれた「墨松図」。平福百穂の真骨頂ともいうべき作品ですね。本ブログではこの「墨松図」と同じような作品を数点紹介しています。
*この松を描いた同種の平福百穂の作品は工芸品も数多く存在しますので要注意です。
墨松図 平福百穂筆 その118
紙本水墨淡彩軸装 軸先骨 合箱
全体サイズ:横560*縦2290 画サイズ:横405*縦1505
平福百穂は新南画とでも称す水墨画の新境地を求めていたようで、この墨の使い方はやはりうまいですね。
数多くの水墨画家が水墨にて松を描いていますが、平福百穂が一番うまいと思います。
それほどの力作ではないのかもしれませんが、名画のひとつ・・・。
余白をうまく使い、霧のかかったように下部は幹を少ししか描いていませんね。
共箱ではありませんが、誂えの良い箱に納まっています。印章は事例の少ないもののようですが、当方の所蔵作品の共箱にも例のあるものです。落款の書体から晩年の作であろうと推察しています。
表具の誂えは下記写真のとおりです。
平福百穂は贋作が多いので、郷里の画家の中でも蒐集には多くの知識と経験が必要なようです。