夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

蓬莱山図 その2 山元春挙筆 その19

2022-10-28 00:01:00 | 掛け軸
寒くなってきたのですが、メダカの孵化がまだ続いています。だいぶ孵化する数は少なくなり、寒さのため元気に育つかも多少不安があります。暖かい晴れた日は陽に当たるように水槽を移動しています。



さて本日は、山元春挙が題材にして幾つかの作品を遺している「蓬莱山」の作品紹介です。山元春挙の描く「蓬莱山」の作品は、他の画家が描いているようなありきたり?の「蓬莱山」のような作品ではないのがいいですね。



蓬莱山図 その2 山元春挙筆 その19
絹本水墨軸装 軸先象牙 共箱二重箱
全体サイズ:横654*縦1435 画サイズ:横510*縦440



京都の日本画家野村文挙に入門し、その後、文挙が上京したため、明治18年(1885年)に文挙の師森寛斎に学んでいます。春挙の雅号は文挙によって名づけられたとされます。円山四条派 影響が大きく、お正月に掛けるような朝陽などのおめでたい作品も多く描いています。



竹内栖鳳と共に、近代京都画壇を代表する画家とされます。画風は、写生を重視する四条派の伝統を受け継ぎつつも西洋画の技法を採り入れています。墨彩や色彩表現を豊麗さへと徹底的に純化した表現に特色がある。特に、鮮やかで透明感のある青色は「春挙ブルー」と呼ばれ、どのように発色させたか現在でも解明されていないそうです。こうした画風は絵を享受する京の大店に支持され、明治天皇も春挙のファンで、亡くなる際、床の間に掛かっていたのは春挙の作品だったとされています。



共箱二重箱に収納されています。落款や印章は下記のとおりです。

  

山元春挙は蓬莱山と題した作品を多く描いていたようです。

参考作品
下記写真左:「蓬莱仙境図」 昭和7年(1932)頃 滋賀県立近代美術館蔵    
下記写真右:「蓬莱山図」(当方の所蔵作品) 共箱二重箱
 
 

当方では茶室裏の通路の床に飾って楽しんでいます。



忘れ去られつつある近代京都画壇の大家・・・。大切にしておきたい画家のひとりですね。





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