夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

源内焼 その123 (緑釉)山水文角皿 その2 

2020-10-08 00:01:00 | 陶磁器
土曜日の運動会の後は授業があったので、月曜日は振替休日。損したような得したような休みなのでしょう、家内と息子は公園へ行ったようです。



本日の作品である源内焼は基本的に鑑賞用に製作されたとされていますが、あきらかに小さ目の作品には揃いの器などがあり、実用品として注文されて作った作品も数多くあります。本日はそのように実用的でありながら充分鑑賞にも耐えられる作品のひとつを紹介します。



源内焼 その123 (緑釉)山水文角皿 その2
幅190*奥行140*高さ40 誂箱



源内焼は軟陶のため、破損や擦れが生じやすく、その程度がひどいものは価値が大きく下がるとされ、さらに型からの抜け具合がいいものもありば、明らかに抜けの悪い作品もあり、これもまた大きく評価を下げることになります。



本作品は鈴木春信の浮世絵制作工房で作られたという型板からの抜けもよく、金繕いの補修があるものの状態が良好な作品といえるでしょう。



この同型の作品は五島美術館にて出版された図録「源内焼」に掲載されており、源内焼の代表的な作品と言えます。



おそらく評判が良く、三彩であったり、緑釉であったりして、大名家や商家などからの注文で揃いで作られた作品の種類のひとつでしょう。



この作品と同型の「三彩」の作品は本ブログに投稿されています。

源内焼 その45 三彩山水図長皿
合箱
長さ191*奥行141*高さ35



なおこの作品は他の方がまとめて購入されています。当方も揃いで購入いたしたく連絡したところ、「誠に残念ですが、最初第1回目で落札された方(大阪の方でした)が2回目の出品後ご連絡があり、残り7客全て一括購入されました。」とあり、おそらく8客以上の揃いの作品であったと思われます。



蒐集はあまりマニアックになってはいけませんが、本作品のように色違いを蒐集して愉しむのもいいと思います。これは源内焼独特の楽しみ方のように思われます。



前述のように本作品は五島美術館にて出版された図録「源内焼」に掲載されている作品と釉薬は違いますが、同じ型で製作された作品です。この作品も口縁を金繕いで補修された跡があります。

(作品番号26「三彩山水長皿」 江戸時代18世紀後半~19世紀中ごろ)



このような小ぶりの長皿を食卓で使うと愉しいですね。平賀源内の考案で作られた源内焼は、大げさな言い方になりますが、古九谷などにひけのとらない日本陶磁器の色絵作品の金字塔と言えましょう。

本作品は緑釉一色ですが、かえって三彩の作品よりいい出来に仕上っています。型と抜けの良さが際立っている作品です。



源内焼では再興作品、模倣作品は出来が悪く、出来不出来についてもひと目で判別がつくことから、純粋な源内焼には数に限りもあり、今後ますます貴重な作品群となっていくでしょう。



古九谷に匹敵する日本陶磁器の傑作ですが、いまは安いので買い時かと思います。本作品も2万円以下でした。ただ状態のいいもの、使い勝手いいものに限定して蒐集するのがいいでしょう。



型が鈴木春信の浮世絵工房ですし、考案者が平賀源内ですので、江戸後期文化の結晶とも言えます。



この2作品は裏面の処置が違っていますが、おそらく作られた窯は同じでしょう。色違いで5種揃えたり、また同じ大きさで5客揃いにしたりもできます。



収納箱を誂えいますが、もともと揃いがある作品には2客は収納できる大きさにしておくのも収納箱を誂えておくコツです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。