腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

シャイニング&ザ・ダクネス(Wii VC版)

2019年03月02日 18時50分25秒 | メガドライブゲーム感想文
【ハード】メガドライブ(Wii VC)
【メーカー】セガ
【発売日】1991年3月29日(オリジナル)2007年6月12日(VC)
【定価】720円(VC版)
【購入価格】720円
【プレー時間】31時間


ゲームとは、人が創るもの。となれば、受け手として「誰が作ったのか」が気になるのは当然のことである。
……まぁ本来、そんなの気にするのはおかしい。大統領が作ろうと土星人が作ろうと、作品内容には何ら関係ないからだ。
誰が作ったかを意識すれば、その作品へのイメージにノイズが入る。内容とは関係ない部分で評価が不当に歪められる。
それはよろしくない。ゲームは内容だけで語るべきだ。ゲーオタなら尚更、純粋に、そのゲームの本質だけを見るべきなのだ。
……分ぁってる、わってるよ。けどさ、作ってるのが人間なら、プレーするのも人間だ。そういうノイズも聞きたがるのさ。
誰が、どこが、国が、価格が……「内容以前の問題」は多い。この世界、平等ではない。持たざる者には厳しいのう。はぁ。

「シャイニング&ザ・ダクネス」である。ちなみに「ダークネス」ではない。本当だ。伸ばさないのがカッコ良いんだ。多分。
91年、平成初期にメガドライブで発売された3DRPGである。当時は借りてプレーし、随分後で(中古で)自分でも購入した。
このゲームの一報がファミ通に掲載された時のことはよく覚えている。「元ドラクエスタッフが製作中!」というものだった。
ネットなんてない当時、ゲーム情報の収集は専ら雑誌。そして雑誌でも、ゲーム製作者が顔出しで出ることはまだ少なかった。
宮本・堀井・坂口氏ら大御所くらいは知っていたが、それ以外は「誰が作っているのか」、少なくとも俺は全く知らなかった。
そこに「元ドラクエスタッフが作ってる」である。無論ドラクエは知っている。その品質の高さも。当時は4の直後だったしな。
ドラクエ製作と言えば堀井雄二・中村光一コンビだが、他にもスタッフはいる。当たり前のことだが、意識はしてなかった。
要するに「ドラクエスタッフが独立し、セガ販売でRPGを作ってる」ということだ。まぁ今なら簡単に理解できるけどな。
「あのドラクエ」スタッフが、ファミコンより高性能なMDで作る新作RPG……これはかなりキャッチーな文句だったと思う。
RPG天下の時代でありながらMDはRPG方面が弱く、その意味でも目立っていた。期待の一本として強く印象に残ったのである。

んで、結果的には、壊滅的ではなかったもののそんなに奮わなかった、かな? 大ヒットと呼べる規模ではなかっただろう。
ただ今作が翌年の「シャイニングフォース」に繋がり、こちらは人気シリーズとなったので、存在意義は少なくなかった。
……ちなみに長い前置きをしたものの、ドラクエスタッフ云々はゲーム内容に全く関係なく、プレー時も気にもしなかった。
まぁ作風がまるで違うからね。また随分後になって、そのスタッフ(の中心人物?)の名が「内藤寛」であることを知った。
内藤氏は今作の後もMD・サターンでセガの顔となるゲームを作り続け、PSでも「ランナバウト」シリーズで名を馳せた。
……が何時の間にか姿を見せなくなった。今どうしてるのか、ググっても引っ掛からん。もうゲーム業界にはいないのかな。
俺はシャイダク、シャイフォー(ヤな略)、「ランドストーカー」、そして4年前には「ダークセイバー」をプレーした。
強い思い入れとまではいかないが、思い出のあるゲームのクリエイター様である。どこかでお元気でいてほしい。と思った。

それはさておき、シャイダクである。3DダンジョンRPGである。まぁこのジャンルではそもそも大ヒットは望むべくもないな。
さっき書いたが、俺は現物ソフトを所持している。MD本体が健在かは怪しいのだが、今でもプレーしようと思えば可能だ。
しかし先日、Wiiショッピングチャンネルが遂に完全終了しようかという時。残った800ポイントを使用し、VC版を購入した。
Wiiポイントは、もう追加はしたくても出来ない。残高は非常に貴重だ。本来なら未プレーのSFCやPCEソフトを選ぶべきだ。
が、かなり迷いはしたが、俺は今作を選んだ。「何を選んでも後悔するだろな」と判断した末の、割と勢いの決定である。
去年「旧約 女神転生」をプレーし、3Dダンジョン欲が高まってるというのがあった。もうちょっとやりたかったんよね。

ちなみに、海外ではPS4他で去年、今作も収録された「セガジェネシスクラシック」というソフトが発売されている。
これはシャイニングシリーズ、ソニックシリーズ、ゴールデンアックスシリーズ等を収録しまくった、MD野郎垂涎の逸品だ。
このソフトの発売予定を知った時は、喜んだよ。懐かしいMDソフトが目白押しで、「絶対買う」と即決した。セガは最高です!
……で、安定のおま国。海外版を買うことは可能だが、ふざけんな。言うまでもないが、収録作は日本生まれのゲームやで!?
あのセガも随分とユーザーを舐めた真似をするようになったもんだ。パチ屋から学んだ生き方か。知らんけど。潰れろ糞。
この件が変な方向に作用したというのも購入理由の一端だった。「手に入るはず」だったものが露と消えた形だからな。
まぁ、とにかく買った。じゃあ出し惜しみは無しだ、早速やってみよう。鉄と気持ちは熱いうちに打てってな。
(今の)セガは気に食わんが、ゲームに罪はない。平成初期の思い入れある一本を、平成最後の再プレーである。


ぬぅ。ゲームを立ち上げると、椅子に座って目を閉じてる爺さんが目を覚まし「おお、よく来たの」と話し掛けられる。
更に爺さんの案内という形でデータと文字速度を選び、「では◯◯の心をストーム国(舞台)へ旅立たせよう!」と言い、
画面がフラッシュバックし……"WELCOME BACK TO THE WORLD OF---SHINING AND THE DARKNESS"とゲーム開始。カッコ良い。
なかなか斬新で面白い演出だと思う。少なくとも当時他ゲーでこういうのは見たことがなかった。
ちなみに翌年の「シャイニングフォース」では、同様のデモを幼女が担当するようになった。「絵本読んでー!」て形で。
あれはなかなか「分かってる」なと思った。爺さんでも雰囲気は出るが、どっちかがいいかつったら明白だもんな……。

さてシャイダク、完全3DダンジョンRPGである。ウィズや初代女神転生同様、2Dフィールドなんて軟派な要素はない。
更に言うと、行ける場所は「王城」「町」「神殿」の3つだけ。王城で情報収集、町で装備整理、そして神殿で冒険。
神殿からは幾つものダンジョンに派生しているので、ゲームボリュームはそこそこある。が、恐ろしいほど簡素である。
時代的にもう少し色々やれたとは思うが、ここはゲーム黎明期のようにシンプルにするという判断か。正否は……どうかな。
そんなわけで、今作は非常に分かり易い一本道ゲームである。ブラックボックスが存在せず、全てに手が届くというか。
神殿を探索し、アイテムを手に入れたら王城でフラグを立て、町で装備を整えて次のダンジョンへ、以下繰り返し。
一応イベントやストーリーもあるが、見なくても進行に支障はない。これなら英語版をプレーしても問題ないかもしれない。
せめて会話くらいはもっと多く用意してほしかったと思う。ウィズ等と違ってビジュアルは美麗なんだしさ。
まぁいい。ちなみに過去の記憶とも別に相違ない。シャイダクはこういう作品だった。では、ダンジョン探索はどうか……?

クッ。忘れていた。今作、オートマッピングがない。なかった。時代的には十分可能だろうから、これも制作上の判断か。
一応「現在地から10×10くらいだけを表示する」魔法はあるが、これじゃ確認に使えるだけで探索は出来ない。困った。
……やるのか? やらねばならぬのか!? 3DダンジョンRPGの基本にして化石作業、マッピングを! 今この時代に!!
28年も前のゲームをやるんだから、古さに文句を言うつもりはない。だが俺も立派な現代人、「面倒臭さ」には殊更弱いのだ。
旧約女神転生も面倒臭いゲームだったが、オートマッピングがあったから頑張れた。それが現代人的な常識感覚であろう。
うーん。今作はそこそこ知名度があるからググれば完全マップがある(多分)。が、それじゃ興醒めだ。俺はゲームがしたい。
もう引き返すことは出来ない。腹を括らにゃ。別に不可能ではない、面倒だというだけだ。ならやれ。たまには汗をかけ。
つってもさすがに方眼紙に手書き~はちょっとあれだから、ここは現代人的にパソを使うことにする。……ホ? 知らんな。
フリーでそういうツールがあることは知っていた。以前2Dの別ゲーで触ってみたこともあるが、正直使い勝手が悪かった。
でも今回は戯れではなく必要だからやるのだ。使い難いなら、使いこなせ。おうよ。少々の後悔と共に、決意を新たにした。

最初は楽しかった。得体の知れないダンジョンを自分の手で既知に染めていく快感があった。
が、2つ目のダンジョン辺りで早くもかったるくなってきた。マッピングしながらだから進行も鈍い。時間ばっかかかる。
だんだん気持ちが後ろ向きになってきたから、「焦らないこと」を意識して進めた。ゆっくり、少しずつマップを書いていく。
要はチクチク感だ。旧約メガテンもそうだったが、シンプルな3DダンジョンRPGはこれを楽しむに限る。今作も変わらない。
一歩ずつ少しずつ、未知を既知に染めていく。マップがあるからMP切れで撤退しても、次は楽に戻ってこられる。ふふふふ。
それだけ歩き回っていれば、当然レベルも上がる。強かった敵との戦闘がだんだん楽になってくる。ふふふ。ふふふふ!!
マッピングは作業性が強いから、ガチガチにやると気が滅入る。そこを多少の我慢とのんびり精神で補うのだ。焦るな。
そうしているうちに、慣れた。目的のアイテムを取ればそのダンジョンに用はないが、わざわざ隅から隅まで歩いて記録した。
もちろん宝箱の配置と中身、固定戦闘や落とし穴といった情報も書いていく。俺が作った俺のマップ。ふふふ、悪くない。
同じことやってる先人が幾らでもいる。彼らの情報を見せてももらえる。なのに自分で手間をかけることに何の意味がある?
手間? はっ。それこそがゲームというものだろが。そもそもゲームとは手間を楽しむものだ。それが嫌なら動画でも見てろ。
手間を楽しさに。そこはもちろんゲーム自体に大部分を依存するが、少しは受け手による工夫の余地もあるはずだ。
いい感じに軌道修正出来たので、後は順調にプレーを進められた。今でもおもろいわ、このゲーム。平成3年、今31年。はぁ。


ダンジョン探索と並ぶ今作のもう一つの要素、戦闘。ゲームが簡素だから、もう只管に戦闘戦闘また戦闘の殺戮世界だ。
戦闘システムは、これまた非常のオーソドックスなコマンド選択型。コマンドは戦う・逃げる・魔法・道具のたった4つ。
パーティは最初一人で、すぐ3人になり、以後そのまま。職業は戦士、僧侶、魔法使いといったところだ。
エンカウント率は非常に高く、とにかく戦闘を繰り返すので、魔法を気軽に使っているとすぐガス欠となる。ありがちだな。
だから「たたかう」オンリーの総員突撃せよ作戦が基本となる。まぁ古いゲームである。……スキル? あと10年待とう。
幸い今作は魔法使いも良い武器を持たせれば十分な打撃を出せるようになる。他ゲーほど明確な職業分けがされていない。。
いや寧ろ、プレーしていて戦士(主人公)が一番弱いとさえ思った。打撃は強力だが、とにかく素早さが低いのである。
適正レベル帯の敵との戦闘における行動順は、魔法使い→僧侶→敵たち→戦士 でほぼ固定。主人公がいつも一番遅い。
つまり敵の攻撃を許した後に打撃をかますのだ。主人公の攻撃自体は強力だが、受けるダメージが嵩む。それがずっと続く。
今作は戦闘特化のゲーム性らしく、最後まで良バランスだったと思う。だが鈍重主人公のせいで、精神的快感は少なかった。
まぁこれで主人公の行動まで速かったら、今度は楽すぎるかもしれんが……少しはランダム性を感じさせてほしかったな。
戦闘のスピーディーさやボタン押しっぱでコマンドが進むといったインターフェースは良好。この辺はよく配慮されている。
またレベル差のある敵からは100%逃げられるのもありがたい。……先制攻撃はスライムからも食らうが。トヘロスはMP重いし。
総じて「キッチリ手をかけている」と感じる。気に入るかはさておき、制作者の意思が隅々まで浸透しているゲームである。

探索と戦闘のゲーム性は良好なのだが、かなり問題があると思ったのが、RPGのお楽しみ「宝箱」だ。今作にも当然ある。
しかし……端的に言うと、中身がヘボ過ぎ。序盤から終盤まで、薬草毒消し草棍棒レベルだらけで、白けることこの上ない。
戦闘とマッピングを頑張っていると、少し先に宝箱が見えた。TVゲーム永遠の喜びである。俺達ゃこの時のために生きている。
そんで勇んで開けたら、制作者に「プッwww ねぇ今どんな気持ち?www」と言われるのだ。舐めすぎだろ倒産しろ。
一つ二つならこうした嫌がらせがあっても苦笑で済むが、今作はこればっかし。マジで酷い。宝箱を何だと思ってやがる。
それでいて罠モンスター、所謂ミミックが多く配置されていて、非常に強かったりする。ここまで来ると笑えない嫌がらせだ。
終盤の神殿探索でようやく喜べるアイテムと遭遇出来るが、遅すぎである。何故これをそれ以前に出来なかったのか。
ちなみに所持可能アイテム数は、一人たった8つ。装備品・重要品込みで。これも酷い仕様だった。アッちゅう間にパンパン。
終盤に宝箱からいいアイテムが手に入っても、所持限界により諦めるケースが出たりした。何か捨てる? 勿体無いだろ!!
別に所持数増やしても、ゲームバランスに影響はないと思うが……せめて12個だろう。8て。全員で24て。昭和のゲームかよ。
宝箱を喜べない3DダンジョンRPG……これは違うだろう。この点は実に残念だった。はぁ。

戦闘バランスは良いと書いたが、ゲームが後半に入るとかなりキツくなる。まぁキツく調整してあるということだ。
ダンジョンの階層が深くなり、かつ敵がどんどん強くなる。MP消費が激しくなり、当然探索は何度も行う必要がある。
ある程度マッピングしては、町に帰って回復して再挑戦。しかし階層が深いので、前回到着地点まで行くのが既に大変だ。
今作には瞬間脱出こそあるが拠点ワープはなく、探索は常に同じスタート地点から徒歩で一歩ずつ行くしかない。
雑魚との戦闘を避けるトヘロス魔法はあるが、使用MPが重めだ。使いすぎるとより深く探索をする前にMP切れになってしまう。
何度も潜るのは当然として、その1回1回に手間がかかる。それまでとは次元の違う難度だ。マッピングにも気合が入った。
繰り返し潜る分レベルがガンガン上がり、溜まる金で装備を強化するからキャラはどんどん強くなる。だから探索自体は進む。
しかし進めば当然より強い敵が出現。先に進むのは怖いし、町に帰れば再度ここに戻るのが大変だし……強い緊張感が漂う。
「やっとこの辺の敵に勝てるようになったな」と思って階段を登ると、色違いパワーアップ版の登場だ。それが続く。

今作は終盤、具体的には「神殿の上階層」までは割とヌルいというか、現代風な調整だと思う。いや28年前だけど。
オートマッピングのない3DRPGというだけでそれなりに手強いが、まだまだマイルド、「誰にでも出来る」顔をしている。
しかし神殿上階層からは完全に本気を出していて、言わば「メガドライバー」向けになっている。……ちょっとフカし含む。
ちょっと難度の落差が強すぎる気もするが、恐らく終盤はウィズ等の古式ゆかしいダンジョンRPGリスペクトなのだろう。
正直しんどい。だがその分やりがいもある。「一歩ずつ、少しずつ」のチクチク感をより短いレンジで積み上げていく。
平成も終わろうかという時に、平成3年のゲームを、Wii U(Wii)立ち上げて、必死こいてプレー。……ククク、悪くない。
「こんなことやってるの俺だけだよな」という、ありがちな自己満足。実際どうかは知らん。そんな気がするだけの話だ。
まぁ、自己満足上等だ。「今こんなことしてる自分がちょっと良い」と思っちまったんだ。いいぜ、何でもやってやんよ。
それにこの辺りでは「最強の武具」が幾つも落ちているので、探索の喜びも大きかった。これが3DダンジョンRPGだよな。
やがて最深部に辿り着き、あんまし存在感のないラスボスを倒して、ゲームクリアー。古い作品だからクリア後要素はない。
その分スッキリ終われる。マッピングも完璧にやったと言っていいだろう。ふっふっふ。まぁ、これが俺の使命ですから?
クリア後要素がないってのは、後腐れなく終われるということでもある。それも悪くないな。……多分。難しいとこだ。


物語は……どうだろう。中身は完全に忘れていたが、「3DダンジョンRPGにしては頑張ってるかな」と思った。偉そうに。
舞台はストームサング王国で、主人公は王国騎士団の見習い。ただその父が国一番の腕を誇る超有名騎士だった。
ある日、王女であるクレア姫が儀式のために神殿に行くことになり、護衛役として父も同行する。……が、2人とも消息不明に。
当然捜索隊が向かったが誰も帰らず、困っていたところで主人公に白羽の矢が立った。「お前なら出来る」て。見習いなのに。
息子のお前が責任取れってか。……つーか親父、あんたまさか姫と駆け落ちしたんじゃねーだろな!? ブッ殺すぞテメェ!!
しかし真相はすぐ判明。主人公が神殿に向かう直前、「メフィスト」なる怪人が城を襲撃、ペラペラと喋ってくれる。
曰くこの国は俺が貰うから明け渡しの準備しとけ、あと姫は美しいから先に貰ったぜ、んじゃな、と。父の事には触れず。
事態が更に深刻になったところで、期待を一身に背負って主人公の冒険が始まる。……血筋が良いってのも大変だよなぁ……。

冒頭で色々起きたが、そこからは静かだ。最初は一人だが、すぐホビットの「ビルボ」とエルフの「マーリン」が仲間になる。
3人は「悪ガキ3人衆」みたいな存在だったようだが、詳しくは語られない。ビルボは「また一緒に暴れようぜ」とか言う。
2人は非常に頼れる仲間だが、これといった描写がない。マーリンは賑やかしとして幾つかイベントが用意されていたが。
ちなみにエルフつってもまだ時代的にロードスディード氏の影響が広まりきっていないのか、お転婆町娘といったキャラだ。
主人公は古式ゆかしく一言も喋らない。マーリンとも姫ともラブコメがない。「そんなものはこのゲームには不要!」てか。
ゲーム性が極めてシンプルなだけに、もう少し肉付けがほしかった。MDという比類なき16bitハードのゲームなんだから。

クレア姫はゲーム終盤で救出する。ラスボス前にそうするのは「ドラクエ1」リスペクトかなと思った。牢の中にいたし。
また親父も健在だったが、やっぱそれか的にメフィストに操られていて、戦闘になる。已む無く倒すと息子に後を託して逝く。
んで、姫を城に送り届けるのだが、自動イベントではない。寄り道も可能だ。となれば? 宿屋へレッツゴーでしょ!!
さすがドラクエリスペクト、分かってるやんけと喜び勇んで行ってみたが……宿屋の親父に怒られて宿泊できず。ガクゾー。
まぁ今作はパーティ制だからね。邪魔がいちゃお楽しみはやれん。はいはい。素直に城へお届けしますよっと。
そして城に届けた姫から貰ったアイテムで「光の装備」の真の力を引き出し、闇の力に包まれたメフィストと最終決戦。
タイトルはテキトーというか雰囲気で付けたんじゃないかと思ってたが、ちゃんと光と闇の戦いになってた。一応。
もちろん勝つのは光の戦士達ナリ。メフィストは死に、国に平和が戻り、主人公はもちろん姫を娶って旅立った……!!
……とはならない。だからラブコメないつってんだろ。なんか隣の砦を任せるとかその程度の出世で収められた。
せっかくラスボス倒したのに妙にスケールの小さい終わり方である。何気にこれはかなり珍しいEDかもしれない。
もしかしたら続編を見越していたのかもな。ちなみにシャイニングフォースは今作と同じ世界であるらしい。知らんかった。
受け継がれたのは「シャイニング」と雰囲気だけと思ってたが、世界も繋がってたのね。今作は立派な礎となった。うん。


グラフィックは……実はこれが当時一番の売りだったと思う。非常に発色が良く、ひと目で「綺麗!」と思える出来だった。
既にSFCも登場していたが、なんちゅーか「MD独自の綺麗さ」があった。まぁ別にSFCで再現不可能なわけでもないだろうけど。
ちなみに行き先選択で町や城を選ぶと、アイコンが拡大して迫ってくる演出がある。SFCを意識しすぎで、ちょっと笑える。
ダンジョン移動は「ファンタシースター」の血を受け継いでヌルヌル動き、単調ながらも気持ちの良い探索に一役買っている。
また、今作はランダムエンカウントなのだが、一部の強敵(つっても雑魚の範囲)は特別な演出を伴って出現する。
「足元の水たまりから生まれる」や「通路の奥からのそのそと登場」といった感じだ。まぁ見せ方を頑張ってると思う。
限られた容量の中、技術と工夫で良い物を作る……容量無限大の今では見られない美しさがそこにある。これは多分真実。
音楽もいい。俺は四半世紀ほど今作に触れてなかったが、神殿のBGMと戦闘曲はハッキリ覚えていた。物凄く残っていた。
改めて聴いても寸分違わぬ曲で、「やはりゲーム音楽は強い」と改めて思った。ガッツリと、形を崩さず残ってくれる。
ただ曲数の少なさ、これは欠点だった。ダンジョンBGMは全編通して「神殿上層(後半)」と「それ以外」だけ。
そして戦闘BGMは雑魚戦とラスボス戦のみ。あまりにも少なすぎる。時代的に、もう一種類ずつくらいは作るべきだろう。
まぁいい。今回再プレーして、当然改めて頭に刻み込まれた。もう四半世紀は余裕だ。つーか、死ぬまで忘れんわな……。


ふぅ。マッピングが大変だったが、その分満足できた。限りがあるゲームだから、いつも以上に達成感がある。
「ゲームの止め時」は近年悩ましいものだが、古いゲーム(特にRPG)は「クリアーすれば」で概ねOKだ。分かりやすい。
区切りがキッチリしてるってのは、古いゲームの長所なのかもな。もちろんゲームボリュームが小さいとも言えるのだが。
まぁ珍しくスッキリしたのは事実だ。ありがとうシャイダク、ついでにWiiショッピングチャンネル。買ってよかったよ。
……で。こうなったらシャイニング・フォースやランドストーカーもやりたいとこだが……現状、正式なデータ環境はない。
腐れセガめが。蒸し返すが、海外では53本入り4000円くらいで売ってんねんで!? 銀玉喉に詰まらせて窒息死しろ糞が。
チッ。ケッ。ただ、旧作ばかりやってちゃいかんのも事実。今回楽しめたら、取り敢えずそれでよしとするか。……チッ。
比類なきメガドライブの思い出と、時々それを懐古出来る現代ゲーム環境に感謝して終わり。あの頃があるから生きていける。
次はまた現代のゲームだ。現代つっても俺の場合数年や10年は古いかも知れないが。いいだろ。何時のゲームも面白い。
色々やりゃいいんだよ。新旧数多のゲームが溢れるこの時代に生きるならよ。こんなゼータクはない。ったくありがたい話だ。

……でも、幸せにはなれず。ゲームやってる時と、思い出に浸ってる間は幸せなんですけどね。それを終えると。現実と。
はぁ。






拍手を送る
コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 雑1902 | トップ | ハコボーイ! »

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2019-03-04 01:49:09
セガは昔から一番の糞企業だったからねえ。
返信する
Unknown (ota)
2019-03-04 22:28:24
いや、昔のセガはドジっ子です。真面目さがあった。
パチ屋に染められて不良になっちまったんです。
返信する
Unknown (ひろ)
2019-03-05 07:11:02
メガドライブはアメリカでは任天堂に勝ったハードなんだってことを知らない人は多そうだw
返信する
Unknown (ota)
2019-03-05 22:44:55
ソニック一本でSFCをブチ抜いたと聞いてます。
ただ最後に売れ残り本体がドチャっと帰ってきて儲けをぶっ飛ばしたと元広報の竹崎氏が語ってましたね。
返信する
Unknown (秋水)
2019-05-19 06:35:21
よりによってあの”シャイダク”を、今さらプレイするなんて渋すぎる…しかもしっかり楽しめたとか、もはや才能ですなw シャイニング・フォースとランドストーカーは今年の秋に出る予定のメガドライブミニに収録されてますよ~!
返信する
Unknown (ota)
2019-05-20 00:35:06
このゲームは古いですが、やることが単純で、かつそのやること関連の作りの質が高いので、今でも楽しめました。
チクチクレベルを上げてダンジョンを埋めていく気持ちよさとか、ぶっちゃけ永遠に通用すると思いますw

>シャイニング・フォースとランドストーカーは今年の秋に出る予定のメガドライブミニに収録されてますよ~!
はい……その2本も思い入れがあるので是非やりたいんですけどね……メガドラクラシックを日本でも出せよ……っ!!!
返信する

コメントを投稿

メガドライブゲーム感想文」カテゴリの最新記事