腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

MOTHER3(Wii U VC版)

2020年05月07日 22時28分34秒 | ゲームボーイアドバンスゲーム感想文
【メーカー】任天堂
【発売日】2006年4月20日(オリジナル版)2015年12月17日(Wii U VC版)
【定価】702円(Wii U VC版)
【購入価格】505円
【プレー時間】23時間


MOTHER。Mを取ったら……って、それは確か2の時にやっただろ。いつまでも古いネタを擦るんじゃない。すみません。はぁ。
ファミコン時代に始まった由緒ある「シリーズ」だが、その総数はたった3本。これは異例と言っていいほど少なさである。
が、本数に似合わず存在感はゲームの世界では非常に大きく、寧ろ作数が少ないが故に強烈に愛されているシリーズである。
製作の大黒柱は糸井重里氏。氏の紡ぐ台詞から彩られる世界設定は「独特」としか言い様がなく、それが大きな支持の秘訣だ。
氏は本職のゲームデザイナーではなく、もう割と高齢でもあるので、さらなる続編は恐らくない。当人も言ってた、多分。
MOTHERシリーズ、3作で完結、しかし永遠の名作。これからも形を変え語り継がれる、伝説のゲームとなっていくことだろう。

……うーん。けどなぁ。俺、2を発売当時にプレーし、その20年後にVC版をプレー、更にその2年後に1を初プレーした。
都合3回マザーに触れたわけだが……いずれのプレーでも「そこまでかぁ?」と、正直ネガブい感想に落ち着いた。
もちろん良い所もある。シナリオだけでなく絵や音からまで漂う「糸井節」は、間違いなくマザー独自の味だ。他にはない。
けど、マザーはゲームだ。ゲームとして面白くなけりゃ、俺は満足出来ない。……で、申し訳ないが、1も2も、うーん。
どちらも、色々と「荒っぽい」作りが気になるんだよな。イメージに反して、全然ユーザーフレンドリーではない。
初代は89年発売、ドラクエだと3まで出ている。参考にすべき作品なんか幾らでもあるはずなのに、粗さと荒さが目立った。
2はSFC全盛期発売、RPGとしても至高の出来が求められて然るべき時期である。でも戦闘バランスがこれまた実に荒かった。
無論、これは俺の感想だから、世間的評価は別だ。……けどそれを一番如実に表す売上本数も、実は大したものとは思えん。
初代も2も、時期や任天堂発売であることを考えれば100万を越えるのが寧ろ自然だと思うが、それには及んでいない。
売上=評価 なんて言う気はないが、最大の指標ではある。これで「不朽の名作」扱いは、正直違和感バリィである。
俺の知る中では「メタルギアソリッド」シリーズと似たものを感じる。そんなにいいか? 凄いか? これが? うーん。

ま! それを語る前に! やっておくべきことがあるでしょう。そう、俺に残った未プレー作「MOTHER3」である。
Wii UのVCで発売され、セールをやっていた時に1と共に購入した。もう4年も前である。そろそろやろうと思い立った。
オリジナルGBA版は2006年発売。もうとうにDSが出ていた、GBAの末期も末期である。任天堂最後のGBAソフトかも?
末期に出るということは、それだけハードが熟れている証拠。「ハード末期ゲームに名作多し」は俺の持論である。多分。
2からも12年も間を空けた続編でもある。64版の開発中止もあった。そういった意味でも、ゲームの密度は非常に高いはず。
まぁ前2作の経験もあるから、緩い期待と軽い警戒と共にプレー開始した。14年前のゲーム、か。そう古く感じない不思議……。


して! 結論から言ってしまうと、もう全然さっぱり面白くないゲームであった。正直言ってプレーが苦痛レベルだった。
おかげで大したプレー時間ではないのに、放置が長くてクリアーに矢鱈と時間がかかった。無論もうやりたくはない。
1と2の微妙感を覆す出来を望んでいたら、まさかの追撃蹴落としの最終作。俺のマザー観、見事にどん底で終了である。はぁ。
んーと……取り敢えず、物語面。の序盤。「つかみ」からしてもう。これ、本当に面白くしようとしたのか……?

・母の死
まずはこれだろう。ゲーム開始後、安心感ある牧歌的な雰囲気の世界で物語は始まる。今回はかなりの田舎が舞台のようだ。
そこに暮らす主人公リュカ、双子の兄、と彼らの両親。特に両親が今作では最初から詳細に描写されることに驚いた。
前2作では、タイトルに反して(?)母親は物語に殆ど絡むことはなく、父親に至っては電話連絡があるだけの存在だった。
それが今作では、父はキッチリ姿を表す、どころか最初の操作キャラだし、母も見た目も中身も細かく描かれている。
それは「頼れる父・優しい母」という、言わばテンプレ的な両親の理想像そのものだった。これに悪感情を持つ者はいない。
……なのに、その美しく優しい母が、序章で死ぬ。行方不明とかじゃない死。ついでに言うとこの世界にザオリク系はない。
いやぁ。これは悲しみと同レベルで衝撃だったね。「マザーってタイトルへのセルフ意趣返しか?」と変なことまで思った。
もちろん単純に「これええんか?」とも思った。プレーヤー及び劇中キャラ全員から好かれてる人物を死なせるなんて。
当然ながら作中におけるこの悲劇の重さは尋常ではない。鬱展開を越えて闇展開になるほど、ゲームの雰囲気が暗くなる。
……けどまぁ、この展開がプレーヤーにどう受け止められるか、糸井氏は重々承知していたはず。それは間違いない。
序章からこれだけ「落とし」た物語が今後どうなっていくのか? その意味では寧ろ今後に期待が持てると言えなくもない。
だからプレー継続に問題はなかった。この時点では。幼い身で母を亡くした少年の成長を、共に追いたいと思った。

・主人公は?
この世で最も悲しいことがあっても、人は生きねばならぬ。小さな身体を奮い立て、リュカは母を弔う旅に出るのだった。
……という展開を期待というかそれが自然だと思うのだが、序章が明けても操作キャラは父のまま。序章は例外じゃないん?
導入部のテクニックとして、例外的にNPCを操作させるってのはゲームじゃよくあることだ。父操作もてっきりそれと思ってた。
なのにまだまだ続く「例外」。また父としてもこの時は「最愛の妻を亡くした」状態だから、精神的に非常に荒れていたりする。
そんな中、荒れた父親を動かし続けるのはハッキリ言って苦痛だ。「いつまでやらせるねんこれ」と不満が募る一方だった。
ここで加入する父の友人キャラも、所詮はモブでしかないし。もう本格的にゲーム始まってるんだから、こういうの要らんよ。
最初に思い切り「落とす」のはまだしも、一向に上げようとしない展開に疑問が噴出、そしてプレー意欲は衰えていった。

・あの、主人公は?
1章が明けて2章、さぁ今度こそリュカの旅立ちか! 溜めに溜めた鬱憤をとうとう晴らす時が来たのだった!!!
……最強コピーライターを甘く見てました。よう分からんけど。取り敢えず苦行は続く、まだ続く。次は泥棒の操作。
この泥棒キャラは、一応はメインの一人。だから父親と違って操作させることが無意味とは言わん。けど、位置づけがなぁ。
泥棒である。RPG的な「盗賊」と違ってカッコ良いイメージはない。更に、足に障害があるという変な同情設定も入れている。
まぁ泥棒つってもガチで周囲に盗みに入ってるわけじゃない(よう分からん)ようだが、好きになれるキャラではなかった。
んで、この章ではその泥棒が父親(リュカのじゃなく実父)の指示で城からあるアイテムを取ってくるように命令される。
つっても、当然のように詳細は教えてもらえない。「いいから取ってこい!」だ。……ますます落ちるプレー意欲。
ただでさえ、プレーヤーはリュカを操作して当然と思ってるのに、この「意味不明な状態」を押し付けられているわけである。
その上で変なキャラを操作し、謎に偉そうな奴から超上から目線で指示され、その指名は泥棒。ええ加減にせぇっての。
ことここに至っては「これでどうやってプレー意欲を保てってんだ!?」と怒りが湧きまくった。作った奴何考えてんだ!!
ゲームは黙ってても進んでいく映像作品じゃないんだよ。プレーヤーが能動的に動かさなきゃ回らないんだよ!!

・主人公ってなんだっけ ~もしかしてこのゲームは最終回で魔法少女になるまどマギの元ネタだったのでは~
3章、ネス君は未だおらず。あれ、名前違ったっけ。もう遥か昔のことだから忘れちまったよあはは。はぁ。
さて、今までは一つの村の周辺が舞台だったが、今度はガラッと変わり、操作キャラは猿となる。賢いが喋れないガチ猿だ。
ここで登場するのが「ヨクバ」という悪役だ。猿はヨクバにより恋人(猿)を人質に取られ、同行を強要されることになる。
ヨクバは猿に帯電装置を取り付け、命令に反する態度を取るとSwitchオン、猿は電気ショックでビリビリ状態になる。
この章は終始これで、ヨクバに連れ回され、芸をやらされ、間違うとビリビリ。完全に暴力支配の奴隷をやらされる。
……いやぁ。3章までで底を突き破りかけなプレー意欲に、今までで一番ムカつく内容で追い打ちですよ。信じられんわ。
いやほんま、なんなん? なんなんこれ? 一体どこの誰がこれで「おもしろーい」「興味深ーい」てプレーを続けられるの?
只管に不快、ムカつく。それを、前章までで溜まりきった不満の上に重ねるのだ。さっぱり分からん。分かるわけがない。
更にだ。戦闘が、このムカつきに止めを刺す。この章でも戦闘は発生し、当然猿が戦う。……サブにヨクバを連れて。
猿は非常に弱く、自分だけだと絶対に敵には勝てない。じゃあどうすれば? ヨクバの力を借りるのだ。偉大な人間様の。
ヨクバはNPCなので攻撃参加はランダムだが、その能力は非常に高い。ほぼ彼の力で敵を倒し、猿は防御するのがベスト。
恋人を人質に取り、面白半分の電気ショックで猿(プレーヤー)を苛め抜く奴の力を借りないと、戦闘に勝てない。
どうだろうこの状況。溢れるムカつきに、惨めさをブレンドですよ。ようここまでプレーヤーに不快なことをやらせるな、と。
いや、もう、ほんま。マザー3、「全然面白くない」です。寧ろ面白くさせる気がないとしか感じられません。
プレーするんじゃなかったよ。VCで出ないままならその機会はなかったのに。余計なことしてくれたよWii U。はぁ。


この辺でゲーム全体の1/3くらいか? 一向にリュカを動かせず、物語は不快を重ねるのみの理解不能な作品、マザー3。
それでも! ゲームってのはシナリオだけじゃない。シナリオの反対側には、ゲーム性という柱ががある。それならば!!
……ダメです。そもそも今作、そこは非常に薄い。シナリオの不快さと並んで、プレーしててそこにかなり驚いた。
これ、本当にGBA末期、2006年にもなって出したゲームなのか? 任天堂ブランドでこの薄さ、よく許されたもんだな。
とにかく、古い。クエスト等のサブイベントどなく、ミニゲームもなく、成長は経験値で自動で、隠し仲間なんかもいない。
ハッキリ言ってファミコン時代のRPGである。もう容量的な問題などほぼない時代に、何をやっているんだマザー3。
「そんな寄り道要素など不要、本編だけで満足させてみせる」と? ……確かにな。それが出来てりゃ俺も何も言わんよ。
サブネタが何もない進行の一本道っぷりは、前2作からの退化さえ感じさせた。思えば1は良くも悪くも自由度高かったな。
「シナリオを追うしかない」ゲームでシナリオが不快なんだから、そら苦痛ってもんである。やる気が湧かない。はぁ。

しかしゲーム性部分で何より問題なのは、戦闘だ。RPGに戦闘は付き物、さすがの今作もそこはキッチリ踏襲している。
けど!! これがシナリオに負けず劣らず、さっぱり面白くない。なんだよこれはぁ。21世紀になってやらせることかよぉ。
恐ろしいくらい進歩のないドラクエ型コマンド戦闘なのである。戦う呪文防御道具逃げる、いつかどこかで見たあれが並ぶ。
一応、「戦闘効果音に合わせてボタンを押せばダメージが増える」という新要素はある。……が、俺はこれ全く使わんかった。
一度だけチュートリアルがあるけど、それ以降は説明がなく、ヘルプモードも説明書もないからすっかり忘れてたんよね。
継続プレーしてたならともかく、放置しまくりだったし。けどまぁ、それは些末な問題だと思うよ。根本的に退屈だから。
キャラ毎に特殊コマンドなんてのもあるが、その習得は全て固定だし、効果もランダム性が高く、使用感は実に微妙。
今作の魔法たるPSIも、攻撃・回復・補助と実にフツーで当たり前なラインナップ。せめてパルプンテくらい用意してーや。
PS2でJRPGが隆盛を極め、HDハードの登場でOWが始まろうとしている時期に、これかいな、と。お母さん泣いてるよ。はぁ。

そして、マザーと言えば戦闘バランスだ。1でも2でもキツく、特に2の攻撃ミスの多さは「調整した奴ピーねや」と思った。
今作においてもここはかなり警戒していた。……で、バッチリ期待に応えてくれた。マザーの名に相応しく、キツめだ。
まぁ、そうは言っても、そこに現代的なもの(なんじゃそら)も感じた。キツいはキツいが、出鱈目ではなく意思がある。
攻撃ミスも殆どなく、状態異常のデメリットも緩和されていたと思う。やれる。だからバランス面は強く否定する気はない。
ただやっぱ、単調な戦闘でキツいバランスとなると、いい印象にはならない。別にもっと緩くてもいいと思うんだがな。
特に序盤に多いパーティが一人状態だと、攻撃を受ける回数と時間が長く、イライラが募る。多勢に無勢にも程がある。
そういう時は効果がランダムな特技で博打に走るのも難しく、結局殴り一択となり、ますます戦闘が単調化してしまう。
今作のゲーム性は殆どここにしかないから、ここでくらい意地を見せたかったのかもしれんが……燃えるものは感じない。

あ、ドラムリールHPシステムは前作から引き続き採用されていて、これはまぁ今作の独自性ではあった。面白い、と思う。
例によって致死ダメージを受けてもドラムが0になるまでは動けるので、戦闘バランスもそれを前提に調整されている。
馬鹿げたダメージの全体攻撃を受けても、ドラムが回ってる間に戦闘を終了させれば、傷は浅くて生き残れたりもする。
ただこのシステムにより、例えばPSIの演出等が邪魔でしかなくなっている。今作の戦闘は迅速が正義だからだ。
またアイテムやPSIの選択インターフェースが時代を考えると信じ難いレベルで悪く、いちいち時間がかかる。
まさかリールに絡めてわざと不親切にしてるのか? ……だとしたら相当底意地が悪いな。今作らしいと思わないでもない。
ま、戦闘は面白くはないが、ちゃんとレベルを上げれば対応可能なので、可としよう。偉そうに。物語と比較すりゃな……。

4章からはようやっとリュカが操作キャラとなり、物語も本格化する。プレーヤーのやる気と全然噛み合ってないけどね。
今作は、登場する村は一つだけだし、世界全体もRPGとしては異例なほどに狭い。が、これは糸井氏の狙いだったという。
氏は、従来型RGPで最初の村の問題を解決すれば、その後ずっと「ありがとう」と言い続ける村人に疑問を抱いていたらしい。
シナリオを進めれば時間も進み、ならばその最初の村にも変化があって然るべきなのに、時が止まったまま。それどうよ、と。
だから今作は世界を極力狭くし、物語の進行と共に周囲の状況も動くようにした、のだろう。実際そうなっている。
開始直後の村には、なんと金銭の概念すらない。牧歌的どころか原始的な社会だった。それがヨクバらにより変わっていく。
金による物の売買が始まり、「魔法の箱(パソコン?)」が各家庭に渡され、鉄道が敷かれ、文明がどんどん村を蝕んでいく。
いや、蝕むというのは言い過ぎか。それで生活が便利になったのも、喜んでいる村人がいるのも事実。功罪両方がある。
村人の面子は終始変わらんが、内面や台詞はどんどん変化していく。プレーヤーはそれに様々なことを感じるだろう。
この作りは糸井氏の意図(洒落じゃない)通り、上手くやれていたと思う。世界を絞ったからこそ可能な表現だったな。
俺としては、変化するのはさておき、それがヨクバにより強引に推し進められたのがな。能動的でないのが気に入らんかった。
ま、世界に多くを求めるなってね。世界は勝手に変化していき、それはほぼ自分の望みとかけ離れているものなのだ。はぁ。

シナリオが本格化してきてから非常に嫌だったのが、「オカマイメージの多様」だ。鼻について仕方なかった。
今作の世界には「七賢者」的な存在がいる。リュカは彼らの指示と教えにより、各地にある「7本の杭」を巡ることになる。
賢者だけあって彼らはリュカとプレーヤーの知らない知識を色々授けてくれる。ありがたい。……で、全員が、オカマ。
女言葉で話し、見た目は明らかに男なのに「あたし綺麗?」的なこともしょっちゅう言う。実に典型的なオカマ像だ。
それでいて賢く、人格者で、「杭を抜くと自分は消える(そういう運命)」という切なさもある。とにかく「立派な人物」だ。
いやぁ。こういうのなぁ。一昔前は、創作の常套手段だったと思うんだよ。「気持ち悪いオカマだが人格者」って。
「うっふ~ん」て主人公に迫り、見た目も気持ち悪いけど、ピンチになったら大活躍……そういうキャラ、思い浮かばない?
外見と中身のギャップでキャラを立てるという意図なのだろう。LGBTがうるさくなった今では不可能な、しかし効果的な手だ。

……でも今作は、それに頼りすぎやねん! 七賢者(正確には6人)全員がオカマて! 気持ち悪いんじゃあ!!!!!
こういうのは当然「偏見はよくない」という道徳的な思想も入っている。それ自体はいいとしても、いちいち連発されたら?
不快なんだよ何度も何度も。「オカマが気持ち悪い」てのはごく一般的な感覚だ。しつこく見せられたら嫌悪感しかない。
もちろん賢者達は人格的には何の問題もない。好感を抱ける人達だ。でもブサイクなオカマだ。作り手の意図でそうなってる。
今風に言うと、糸井氏の「意識高い系」を感じる。「オカマに偏見を持っちゃいけないよ? 俺はそうしているよ?」て。
一回だけなら創作テクニックとして受け取れる。実際使い古された手だし。でも今作は、あまりに擦りすぎ。やりすぎ。
おかげで深みどころ安っぽさしか感じられなかった。センスがない。これならなのじゃ幼女の方が万倍マシだっての。
そういや、水中での酸素補給機がオッサン人魚のキスだったのも、オカマ擦りだったな。もう飽きたっちゅうねん。
はいはい先進的先進的。今後こういう表現が不可能になるであろうことを残念に思っていたが、俺には良かったのかもな……。

七賢者の導きのままに杭を抜いたり敵勢力に抜かれたりしてシナリオは進む。プレーヤーの気持ちは底冷えしたままだけど。
そのうちに「この世界」に関する衝撃的な真相が明かされたりもする。……文章のみで。まぁしゃーないか。これは別にいい。
衝撃的は衝撃的な真相だったけど、納得できないわけではないので、それも別にいい。……ただ、無理はあるなぁとは思う。
全員が記憶を改変してたってことは、そもそもリュカらの親子関係も偽装だったってこと? 血の繋がりは据え置きだった?
「皆が記憶封印に同意した」と言うけど、あそこまで人口が減ったなら、もうかつての過ちがどうこうの次元じゃないだろう。
寧ろ既知の技術をフル活用して人類再興に動くか、若しくはもう滅びゆく種として細々と暮らしていくか、だと思う。
まぁその辺はいいか。「善にも悪にもなる凄い力」を「ドラゴン」とし、かつ姿を見せなかったのは、実に上手いと思った。
これは「一般的なゲーム」へのセンスある皮肉を感じたね。いや皮肉じゃないや。上手く言えんが、上手い表現だったな。

最終盤になると、ずっと敵だったブタマスク団の首領が、2に登場したポーキーであることが判明。ネスらも映像で登場する。
どうもポーキーは2の後に時空を彷徨う存在(?)になり、巡り巡ってこの世界に辿り着いたらしい。年齢とかもう不明だと。
我儘ななクソガキは強大な力を手に入れ、更に行方不明だったリュカの双子の兄はコイツの部下になってる事が判明。
……うーん。盛り上がったんかなぁ? 俺はとにかくもう気持ちが冷めまくってたんで、そっかーくらいしか思わんかった。
ポーキーに変な「可哀想さ」を出すのも好かんし。ンなこと言うんなら、もう戦闘とかすんな! 博愛ガンジーで生きてけや。
「敵にも正義がある」て次元にもないクソガキの破滅などに「考えさせらる」ことはない。指差して笑えばいいのだ。
そもそもポーキーを深く描きたいなら、2でやっとけって。前作であんだけ中途半端だったのに、今更何やってんだって。

そんでまぁ冷めた気持ちでラストダンジョンを進め、ラスボス戦。マザーの伝統に則り、今回もイベント戦だった。
……これがまた、酷かった。長い!!!!!!! んだよ!!!!!! 一体いつまでやらせるんだと怒り爆発粉微塵。
相手は兄貴、そして攻撃してはいけないことが分かる。となれば敵の攻撃を凌ぎつつターンを稼ぐのが正解に違いない。
そう思ったし、実際それが正解だった。ターンが過ぎると何度かイベントが入り、話が進んでいく。……でも、只管に長い。
死んだ母親の声が聞こえてくる等の演出はいいとしても、それもいちいち長くてしつこいから、感動なんかとても無理。
最終的には、何と30ターンもかかった。見てるだけならともかく、手動で防御や回復をやりつつだ。かったる過ぎである。
話としては涙モノかもしれんが、これで泣けるの皆? 配分が間違ってるとしか思えん。糸井氏が決めたのこれ?
最後の最後で、冷めきった気持ちにダイヤモンドダストを食らった。こんな世界滅びればいい。ドラゴン様お願いします。
あと母さん、諦め早すぎじゃない? まだ兄は生きてるのに「もういいのよ」て。俺はいいけど。どうでもいいけどさ。はぁ。

やっと迎えたEDは、これまたふざけきっていた。ダイヤモンドダストを食らった気持ちに液体窒素をぶっかけられ絶対零度へ。
まぁ、よくある「投げっぱなし」である。よう分からん、どうとでも解釈出来る描写でお茶を濁す、最低の創作テクニック。
「皆さん一人一人に考えてもらいたいんです」と? 、「作り手として考えるのが面倒だったんです」と正直に言え。
まぁー……ホント、言葉にならんちゃね。そしてこれが実際「深みのあるED」として受け取られてもいる現実。
丹念に、反発される怖さに打ち克ちつつ詳細に描写するよりも、客に解釈を委ねる投げっぱの方が「深みがある」とされる。
だったら作り手はそっちに行くよなぁそら。はっは。彼らは、あの世界はどうなったのか? 正解は皆さんの心の中に。
そんな舐めきった表現でマザー3、完。ちなみにクリア後要素なんて殊勝なものはない。あってもやる気は全く残ってないが。
最初から伏線が多く張られていることは分かるゲームだから、再プレーすれば楽しめるとこはあると思う。でもやらん。
「2周やらないと真の面白さが分からん」と言うなら、そんなの作り手の甘えだ。客の時間を勝手に奪おうとすんな。
つよニューでもあるならともかく、それもないしな。マザー3、終わり。シリーズも、俺のシリーズプレーも多分終わり。
嗚呼、どうしてこんなことに。ずっと母の墓の前で泣いてりゃよかった。それか兄のように洗脳されてりゃ。はぁ。

グラフィック。これも実は不満点。「マザー風」の画ではあるが、進歩がなく、絵的にはつまらんと思った。
2にはあった建物を斜めにする描写(上手く言えん)もなく、単なる2DのRPGだった。まぁそれでええのかもしれんけど。
戦闘時のキマイラ(原生動物を遺伝子操作でかけ合わせた化け物)の気持ち悪さはよく出来ていたが、それくらいだな。
前作じゃ「気ままな兄さん」とかマザーらしい(テキトー)敵がいたが、今作じゃそういうのが見当たらなかったのも残念。
味方キャラの紅一点・クマトラがちっとも美少女でないのも不満。「そう描いたら負け」という意志すら感じるね。知らんが。
音楽は……まぁ悪くなかったのではないでしょうか。ゲームに冷めきっていたから、申し訳ないがマイナス補正は避けられん。
でも「ブタマスク団のテーマ」は気に入って、今も耳に残っている。広場のラジカセから流れてた基本(?)型のやつね。
あれだけは今後も脳内で流して楽しめそうだ。俺のマザー3を救ったのはブタマスク団かもしれんね。何という皮肉。は。


はー。というわけで、マザー3、ほぼ全否定な感想に終わりました。残念だが当然、次回に期待しない。もうないからね。
マザーは糸井氏のゲーム。そこは今作でも一切変わっていない、はず。そしてそれは、今では(14年前でも)非常に珍しい。
ゲームの規模が肥大化した今じゃ、そんなRPGはまず作れん。ドラクエですら、堀井氏は中心であってもメインじゃない。多分。
出来どうこうは別として、マザー3は特別なゲームなのだ。その点は俺も認めるし肯定する。マザー3はこれでいいのだ。
……なんてのは対外的な綺麗事であって、それも大事だが、もっと大事なのは俺のプレー感想。で、ダメダメ。異論は認めん。
「もっとプレーヤーのことを考えてよ」「向き合ってよ」と思うしかない。俺様ゲーのコンセプトとは反するとしても。
単純に、俺は糸井氏とは感性が合わんのだろうな。任天堂絡みで読む氏の言葉には違和感はなく、寧ろ好きなのだが。
まぁでも、このシリーズに「これ以上」はない。プレー時間も短めだし、ダメージはそうない。いいさ。もういいんだよ。

つい先日、「マザーのことばを全て網羅した本を出します」という発表があった。会話集だろう。……望まれているんだな。
それ以外にも、マザーの企画を色々と準備中であるらしい。ファンは大喜びだろう。ファン多いからね。愛されてるからね。
もちろん俺もそれにケチを付ける気はない。好きな人はこれからもマザーを愛せばいい。そして好きでない人は去ればいい。
今作における田舎生活と文明の便利さのようなものだ。両者は相容れない。どっちかを正義にすれば逆側が悪となる。
……違うか。ごめん上手いこと言おうとして失敗した。俺に「深みのある」表現なんて出来っかいや。素人のくせに。
「つまらなかった」でいいんだよ。はい。比類なきマザー3、つまらなかったで終わり。やり残しを消せたことは良かったよ。
はぁ。










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Unknown (S・R)
2020-05-08 10:25:42
実際当時としてもだるいし、古臭い。展開はさほど嫌いというほどではないですが、長いはずなのに物語の筋とかよく思い出せないし。せいぜい最初と最後くらいで。この評価もまあしょうがないねって感じはあります。
やはり64版がお蔵入りになったのは惜しかった……
返信する
Unknown (正月マニア)
2020-05-08 23:47:07
まだまだコロナっているので、例の挨拶は控えます。
さて、MOTHER3のプレイ、お疲れ様でした。
最後の「END?」の展開は、訳が分からず、投げっぱなしな印象は受けましたねw
バトルも、ボタンを押すタイミングを目視化してくれれば良かったのに……と思います。
そうそう、リュカの兄は、1章のラストですでに死んでいるそうです。
返信する
Unknown (ota)
2020-05-09 17:35:36
>>S・Rさん
おお、リアルタイム経験者ですか。DSが超絶ブームの中、イカす選択肢ですな。
>やはり64版がお蔵入りになったのは惜しかった……
出てればどうなってたんでしょうね。中止は変な話、PSに天下を取られていたから傷が浅く済んだ印象があります。
実際に世に出た3はシナリオを随分削ったらしいけど、スケールくらいは64版を引き継いでほしかったですね。
返信する
Unknown (ota)
2020-05-09 17:44:02
>>正月マニアさん

正マニさんとのやり取りをきっかけに始めた今作でしたが、感想としては残念な結果に終わりました。ぬぅ。
>最後の「END?」の展開は、訳が分からず、投げっぱなしな印象は受けましたねw
ですね。しかもあれもまた非常に長い。せめて一回ボタン押したら自動で進むようにしろと。いちいち萎えました。
>そうそう、リュカの兄は、1章のラストですでに死んでいるそうです。
そうなんですか。兄がグレて闇落ち→敵対 ってのは悪くないと思うんですけどね。俺(リュカ)もそっちがよかった……。
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