最近、フィギュアの塗装法・・特に「女性フィギュアの塗装法」関連のキーワードで当ブログを御覧頂く事が多く
当方程度の手順で良ければ、御紹介します・・の趣旨です。
モデルはアトリエイット製、HQ12-02。 イメージは2輪モーターショーのキャンギャルです。
前回の作例同様、キットは素組のままでは、この佇まいなんで、よりキャンギャルらしく改造です。
改造パートはスっ飛ばします! 長くなるんで・・。
塗装前準備完了の図。 お腹周り・ベルト・ブーツなんぞをエポパテで造形。
こういった改造品は、サフレスって訳にはいきませんので、グレサフで表面処理の後、白サフで準備完了となります。
ここから塗装に入りますが、今回ご紹介の手順はエアブラシによる、クレオスラッカーを使用する塗装です。
まずは、ラッカー系塗料(臭いけど・・)が使えて、エアブラシも持っている事が前提です。
更にエアブラシは、基本色・シャドー・ミドルトーン・ハイライト・・の4本同時使用・・最低でも3本同時に使える
環境が必要となります。(詳しくは「エアブラシ考察Ⅱ}の記事参照)
塗料を入れ替えながら・・・1本で・・も、出来なくは有りませんが・・全く現実的では有りません。
趣味で、この環境をお持ちの方が、どの程度居るかは誠に微妙ですが・・御参考まで。
それでは、塗装に入ります!
今回の御召し物は「黒」の予定なんで、御肌部分以外は適当に・・・。
斜め上からミドルの肌色(今回はピンク系の肌色)をシャドーを潰さない様に・・
この・・シャドーを潰さない様に・・が鬼門でして、大抵一発では決まりませんので、部分的に「基本色」や
「シャドー」を吹きながら、ミドル・・ハイライト・・と重ねていきます。
故に・・エアブラシ1本では、気が遠くなるくらい塗料を入れ替えなければなりません・・。
その為の、3本又は4本同時使用・・と言う事です。
違いが解らないかもしれませんが・・更に上方向からハイライトで終了です。
男性フィギュアの場合は、もっとコントラストがキツメのメリハリの有る塗装のほうが見栄えが良いかと
想われますが、個人的には女性フィギュアは程々の陰影表現が宜しいかと・・マァ、好みの問題ですが・・。
此処までで、クレオスラッカーによる下地塗装の終了です。
コレ以降は、タミヤエナメルによる筆塗装です。
下地の陰影を潰さないように、各部に「赤み」や「青み」を入れます。
此処で注目は、眼の下の「青み」です・・「女性兵士」や貴方の奥様又は彼女みたいな「ヒステリーや癇癪持ち」は
この「目の周り」や「こめかみ部分」等に適度に「青み」を入れる事で、より人間っぽくなります
「青筋立てて・・・」って言うでしょ?
手足も同じく、血管が浮いているような部位に青みを入れると、より効果的でしょう。
男性フィギュア、特に兵隊さんの場合は、この「青み」を目の周りや頬を中心にちょっと病的にキツメに入れると
所謂、歴戦の「戦闘神経症持ち」ベテラン古参兵・・の表情になります・・多分。
白目入れます。 「白眼に真っ白はダメ!」言う御意見も有りますが、当方は反対です。
1/12以下の小スケールフィギュアは特に「真っ白」が良いと思います! 目は口ほどに・・ですから。
真っ白で眼力が強いほうが、表情の乏しい小スケールフィギュアには合ってると思います。
乾燥待ちの間に、口周りを塗ります。 ここも「目元」に劣らず重要です。
管理人は大抵モールドは無視して塗ります、色っぽくする時の指標は「マリリン・モンロー」で!
白目が乾いたら、はみ出し部分を極力、削ってから白目の両端に赤みを入れます。
取りあえず・・・ここまでやったら、服の塗装を先に済ませます。 特に意味はないんですが
顔をマスキングする関係上、最終仕上げはマスキング後のほうが宜しいか・・との思惑からです。
こんな感じ。 さて・・・いよいよ此処からが女性フィギュアの最難関・・目元の仕上げ塗装ですが・・
その前に・・筆は? 何をお使いでしょうか? 間違っても3本セット¥980なんて筆を使ってはいけません!
マイベストは「精雲堂 赤白シリーズ」 ですね! 最強っす!
ただ・・コレを持ってしても、目元周りの塗装は難儀なんで・・上手い人が大抵ヤッテル「穂先間引」カスタムを真似て
自作した物を使ってます。
好みの色で目玉いれます。 大きさと目線が揃うよう注意しながら慎重に。
「カワイイ美人」は瞳大きく。 「キツメ美人」は瞳小さめで。
目線は「上目遣い」を意識して・・人は「見下されるより」「見あげられる」ほうが
心理的優位に立てる=「相手が可愛く見える」?そうなので・・「見下し目線」は、特に意図が有る場合を
除いて避ける方が無難だと思われます。
次は、下まぶたの赤みを引きます。 先に入れた「青み」を消さない程度にね。
最も肝心なパートともいえる工程です。 効果が解りやすい様、右目だけ入れました。
基本、黒で書きますんでココは要注意です! 失敗すると取り返しのつかない結果を招きます。
もし・・御覧の貴方が管理人と同じく「何の取り柄も無い只のオッサン」なら・・このまま死んじまっても構わんぜ!
ぐらいの気合と集中力でいきましょう! どうせアンマリ長生きしたって、たいして良い事なんざありゃしません!
オッサンでしたら、大した力も持ち合わせてないでしょうが・・とにかく全力で臨みましょう。
コツは有りません・・・塗料の希釈率・・筆穂先への塗料の保水量・・・色を乗せるタイミング・・それらが全てです。
あとは好みに応じて、アイシャドーを引いたり、この部分の濃さ・太さで顔の派手さ具合を調整します。
とマァ・・女性フィギュアの顔塗装法。マイスタンダード(殆ど人さまのサル真似ですけど)! でした。
あと・・これはフィギュアに限らずですが・・ネットや書籍に溢れる「何々を極める!」的ハウツー記事やマニュアル本ですが・・。
あんまり真剣に見ない事です・・当たり障りのない凡庸な内容の物が殆ど・・どころか中には
「アンタ・・それ真剣に言ってんの?」的な記事もチラホラ・・他人様が書いた万人が見られる情報に、極意は無いという事です。
やはり・・こういった「自分の手で何かを作る」作業は、体で覚えるしか道は無いと・・思います。
アっ! ウチの記事ですか? ウチの記事は良心的・・・ですょ・・きっと・・。
んで! 肝心の出来上がりは↓
参考までに、ネットで検索してて想ったんですが・・F1RQは白基調な衣装が圧倒的に多いんですが
2輪のイベントになると、意外に黒が多いんですね・・ライダー憧れの「黒ツナギ」イメージなんでしょうか?