おせっちゃんの今日2

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山口方言「えらい」

2021-06-30 14:00:52 | 言葉

お家籠り生活の友としては、私の場合やはり本です。私は特に今評判の新刊本を選ぶということはないので求めることはほとんどなく、図書館で借りてきます。

先日来、松本清張の「不安な演奏」を読んでいます。推理ものですが、社会派と言われる人ですから、それなりに芯があって重みもあります。

その筋書きを端折った文を書いても仕方がないので置きますが、文中「えらい」という言葉が使われているところがありまして、おや?これは山口弁ではないの?今場面は小淵沢当たりの寒村のはずだけれど・・・と不思議に思ったのでした。清張が福岡県の人だからかな?とも思ったのです。

こんな村に来られて「山坂を歩くのがえらい」と言われます。
「歩くのはえらいけど、景色がいいから」などと使われています。

例文をご覧になったら、大半の方は「しんどい」とか「だるい」とか「つかれる」などの意味だとお分かりでしょう。
山口に嫁いだ娘Maが初めの頃かなりカルチャーショックを受けた山口弁ですが「ああそういう意味なのね。どうして山口の人は自分のことをえらい・えらいと褒めまくるのだろうと思っちゃったよ」と言っていました。
今ネットで調べましたらこうした意味で「えらい」を使うのは東海地方から甲信地方、福井など広範囲だと書いてありました。自分が使っていたものですから山口独特のものかと思っていましたが、中国地方はお終いの方に小さく書かれていました。

ついでに山口弁。とても他の地方の方が間違えやすい言葉です。ただし、言葉は時代とともに変わります。今、使われているかどうか。

「みちる」と「みてる」
前者は「潮が満ちてきた」。これは標準語ですよね。問題は後者です。
「アリャ~ぁ、砂糖がみてちょった!!」。

どんな砂糖壺が思い浮かびますか。「みちる」に音が似ていますからいっぱいにこぼれるほどの砂糖を思われませんでしたか。違うのです。「みてる」は「無くなる。空っぽになる」の意です。

子どもの頃学校の先生から「ええかね。みてちょったでは通じんのよ。気をつけなさい」と真面目に教えられました。