うちの芝生が一番青い

Tokyoに暮らす、ごくごく平凡で標準的な【ナイスサーティーズ】の奮闘記。

書評 ~ 運命を造る

2011年12月04日 | 書評
今週の書評です。

今週のチョイスはこちら






「運命を造る」~ 安岡正篤 著



大正・昭和と多くの政治家、財界人に影響を与え続けた「思想家」であり「教育者」であり「哲学者」。
日本を実際に動かしてきたひとり、と言われる超大物である。

・昭和天皇の「玉音放送」の草案に加筆し、原稿を完成。

・佐藤栄作の首相就任前の訪米時に応対辞令の極意を授け、
 このときのケネディ大統領との会談がケネディに沖縄返還交渉開始を決断させたと言われる。

・「平和が成り立つのいう意味だ」と平成の元号を考案したと言われている。

などなど、数えきれないほどの歴史的な出来事にかかわってきた。



この本は「口述」を文章化した本である。
少々難解な話が多いが、実に教養に溢れた内容となっている。

その内容をいくつか紹介しましょう・・・

・ 人間には【本質的要素】と、【付属的要素】があり、本質的要素は(道徳性)、付属的要素は(知性や技能)
  知識や技能は無くても何とか生きていけるが、道徳性が無ければ人間として生きられない。

  
~道徳性の大切さを説いています。

  氏は 日本が日中戦争や太平洋戦争へ突き進んでいった時代というのは、
  つねに「道徳教育」の大切さがないがしろにされてきた時代とリンクする。

  道徳性が失われると、国が進む方向が必ずおかしくなると言っている。

  これは日本のみならず、中国の長い歴史をみても同じことが言えるのだそうだ。



・ 万物の創造変化に即して、そこに不変の法則を発見して、それによって造化の一部である人間が
  その増加に参画して、これをどこまで造化していくことが出来るか、創造変化していくことが出来るか。

・ 我々の存在、我々の人生というものはひとつの命(めい)である。
  その命は、宇宙の本質たる限りなき創造変化、すなわち動いてやまざるものであるがゆえに「運命」という。
  
  (運)という文字は「うごく」ということを意味する。ダイナミックを意味します。

・ 運命は運命であって、どこまでもダイナミックなものであって、決して宿命ではない、メカニカルなものではない。


  ~ 【運命】というのは「生き方」「考え方」次第でどんどん変化していくものだと説いています。
    逆に最初から決まっているのが【宿命】
    
    自分の運命をどんどん切り開いていくダイナミックさが必要なのでしょう。


一番 心に残った言葉

・ 私どもに一番必要なことは、我々がいかに無力であるように見えても・・・

  (中略)
  いわんや人間にはどんな素質があり、どんな才能があって、我々の学問、教養のいかんによっては
  「どんなに自己を変化させ、どんなに世の中の役に立ち、世界をも変えることが出来るのである」
  ということを確信して、決して自分の生活というものを【軽々しくしない】ということであります。 


初めに述べましたが少々難解な本でした。
私の教養レベルでは読むのになかなか体力を使う本でした。

ただし非常に教養にあふれ、勇気が出る内容だと思います。
5年後、10年後 また読み返した時には、もっと内容が理解できるようになっていたい、と思った次第あります。

トヨタ 2000GT

2011年12月02日 | 日記
近所のタイヤショップにとある「名車」が停まっている。


  2000GT


トヨタ2000GTである。
日本の自動車史上で間違いなく「最も美しいクルマ」だと思う。

1967年発売のこの名車、4年間でたった300台少々しか生産されなかった。
映画007シリーズでボンドカーにもなったクルマである。

このクルマ実はヤマハが中心となって開発、制作された。
ヤマハという会社、実にいろんなものを作っているのですが
その技術力とデザイン力には時々驚かされます。

エンジンにはヤマハのオートバイの技術が、インテリアにはヤマハの楽器の技術が惜しみなく注入されている。
思わずため息が漏れるような美しさ・・・。

日本の自動車メーカーでは絶対作れなかったデザイン。
当時トヨタの人々はびっくりしたんじゃないでしょうか・・・。



日本自動車史に残る奇跡の1台。
それがこの2000GTなのです。