うちの芝生が一番青い

Tokyoに暮らす、ごくごく平凡で標準的な【ナイスサーティーズ】の奮闘記。

書評  ~  仕事道楽

2010年12月06日 | 書評
本日は書評です。

今週のチョイスは  「仕事道楽」  鈴木敏夫 著


著者はスタジオ・ジブリのプロデューサー兼取締役。
ジブリ作品の制作を通しての、さまざまな人々との魅力的な関わり をまとめた本だ。




  写真ずれてるな・・・


アニメ界の巨人「ウォルト・ディズニー」。
かのディズニー映画がアニメ部門の興行成績で 「唯一」 トップを獲れないのが日本なのだそうな。

そのわけは、もちろん【スタジオ・ジブリ】である。


ジブリといえば「宮崎 駿」そして 「高畑 勲」。

僕たちが子供のころから見てきたアニメは 実はその多くがこの両氏の作品である。

・「ルパン3世」
・「アルプスの少女 ハイジ」
・「未来少年 コナン」

・「母をたずねて三千里」
・「赤毛のアン」
・「じゃりン子チエ」


などなど・・・


そしてここ20年の「ナウシカ」から「ポニョ」に至るまでの快進撃は言わずもがな・・・。


しかし、ナウシカ、ラピュタ以降の作品は興行成績を落とし続けていた。
ジブリ作品をここまでの存在にさせたのは、実は彼の力によるところが大きい。

そして「千と千尋の神隠し」では観客動員数2千4百万以上という、
日本映画史上最大のナンバーワンの記録を誇るまでになった。

(ナンバー・ツーは ハウルの動く城)




彼の凄いところは、この両氏をやる気にさせ、
しかもジブリという組織を「アップデート」させ続けること。

これだけ組織として成功すれば、過去の手法を使って安定した成功を目指すところだが
常に「新しいアプローチ」で新しい企画に挑む。

そして、我々は新しい作品を見るたびに 「アッ」と驚かされるのである。


そして彼はさまざまな人々の意見を「ニュートラル」に聞く。
それを咀嚼し、自分の中で【確信】を得れば、どんな逆風をものともせず 「突き進む」のだ。


凄い【センス】 そして 【エネルギー】。
こんな人を動かす魅力、羨ましい限りです・・・。

宮崎氏のエピソードだけでも面白い。
そして、流石 元編集者だけあって、文章も構成もスムーズで魅力的。

5つ星、進呈します。