行きつけのバイク屋さんから一本の電話.
「LED式のテールランプで点かないLEDがあるんやけど,補修部品として部品で出てないのでLEDだけ
交換するっていう修理はでけへんかなぁ?」と
ジャイアンのような店長なので早速,店に行ってみました.
(いろいろジャイアン兄ちゃんがいて大変です)
GSX-R1000の社外品のテールカウルだそうです.

非分解式な構造のためLEDを換える為には無理くり開けないとダメです.
プラスチックで出来ているので必ず割れたりヒビが入ったりします.
他人のモノですし,出来れば可能な限りきれいに分解してあげたい.
こういうのが一番苦手.精神衛生上よろしくありません.
で,店長さんに分解をお願いしましたら・・
何のためらいも無く・リューターでウィ~ン・ウィ~ン・・・と削っていかれました.
・・・うらやましい,その意気の良さ.
背面を削って中からLEDの基板を取り出してもらい,ここからが私の仕事.

LEDは9個あり,6個がテールライト用で,3個はウインカー用.
電源をつないで点灯させてみるとテールライトの3個が点きません.

LEDの交換との依頼でしたが,LEDが切れる(壊れる)事はあんなり無く,実装されているダイオードなど
他の素子の故障も考えられるのでチェックしてみます.
基板には白くコーティングしてあってパターンが見えません.
拡大鏡で見ながら薄っすら見えるパターンの影を追います.
(ジャンクキャノンG11に次いでまた拡大鏡を使った作業です.・・・面倒です)

ケーブルが断線しかけているのが分かります.
パターンのランド(ハンダ付けする部分)が小さいので,ハンダをやり直すと必ずといって良いほど
ランドが剥がれます.
単純な回路で面積的に余裕があるのですから,もっと大きめのランドに設計にすればよいのにと思って
しまいます.
単純な仕組みで部品点数も少なかったのでマジックでパターンを書き込み,何とか読み取って,
回路図を起こしました.

ブレーキとテールランプの明るさを抵抗で変えている単純な回路です.(ダイオードは流れ込みを
阻止するためのモノ)
抵抗とダイオードは共通系なので故障しているのはやはりLEDのようです.
さて3個あるLEDのどれが壊れているか・・・.
一個ずつ交換しても良いですが,サルではないのでテスターであたります.
テスターの導通(ブザー)モードで測定すると良品のLEDは薄っすら点灯してくれます.

壊れているLEDが分かったのでハンダ吸い取り器でハンダを吸い取ります.
間違いが無いか再度テスターを当てると,あれれ・・・点灯しています.
LEDが破損しているのではなく「天ぷらハンダ」のようでした.
念のため全てのハンダ付け部分にハンダを当ててやります.
基板の方はこれで完了.あとはこれを元通りにしなければなりません.
-------------------------
残骸が残ったレンズ部の修正からです.

透明なレンズ部まで削らないように注意しながらリューターで削っていきます.

削りカスが飛び散るので,ビニル袋の中で作業します.
(オッサンなので身の回りを清潔にしないと嫌われますので・・・またビニル袋の中での作業です)

皮一枚残して削ると黒い部分の大部分がパキっと取れてくれました.あとはへばり付いた残骸を丁寧に
削り取ります.

レンズ内にLED基板を内装しフタをするのですが,適当なモノが無かったので1.4mmのアクリル板を
サークルカッターで円形に切り出してフタにします.

強度を上げ,ツバ付きにするため直径を変えてたモノを二枚用意しました.

アクリル用の接着剤を使いますが,スポイドで滴下するとス~っと隙間に入り込んで,完全に一体化してくれます.

基板をレンズに入れてフタをしてみましたが,かなりタイトで若干フタが浮いてしまいます.

あれこれしてみましたが結局作り直した方が良さそうなので新たに作り直しました.

基板に干渉する部分を大きく広げています.

今度はスッキリ収まってくれました.こういうことが意外と嬉しかったりします.

元々基板は固定したいなかったようですが振動もあるのでフタと市販のウレタン系の接着剤で
固定しておきました.

向きを間違えないように注意してアクリル接着剤で固定します.

最後にシリコン充填剤を詰めて防水処置をしておきます.

何とか完成しました.

見えない部分ですし,機能的にも点灯すればよいものだけに修理方法も人それぞれ.
複雑に修理をする必要も無いのかもしれませんが,やり始めると色々と考えが出てきて,つい時間が
過ぎてしまいます.
夜な夜なこんなことをしながら人生を送っています.

ではまた
「LED式のテールランプで点かないLEDがあるんやけど,補修部品として部品で出てないのでLEDだけ
交換するっていう修理はでけへんかなぁ?」と
ジャイアンのような店長なので早速,店に行ってみました.
(いろいろジャイアン兄ちゃんがいて大変です)
GSX-R1000の社外品のテールカウルだそうです.

非分解式な構造のためLEDを換える為には無理くり開けないとダメです.
プラスチックで出来ているので必ず割れたりヒビが入ったりします.
他人のモノですし,出来れば可能な限りきれいに分解してあげたい.
こういうのが一番苦手.精神衛生上よろしくありません.
で,店長さんに分解をお願いしましたら・・
何のためらいも無く・リューターでウィ~ン・ウィ~ン・・・と削っていかれました.
・・・うらやましい,その意気の良さ.
背面を削って中からLEDの基板を取り出してもらい,ここからが私の仕事.

LEDは9個あり,6個がテールライト用で,3個はウインカー用.
電源をつないで点灯させてみるとテールライトの3個が点きません.

LEDの交換との依頼でしたが,LEDが切れる(壊れる)事はあんなり無く,実装されているダイオードなど
他の素子の故障も考えられるのでチェックしてみます.
基板には白くコーティングしてあってパターンが見えません.
拡大鏡で見ながら薄っすら見えるパターンの影を追います.
(ジャンクキャノンG11に次いでまた拡大鏡を使った作業です.・・・面倒です)

ケーブルが断線しかけているのが分かります.
パターンのランド(ハンダ付けする部分)が小さいので,ハンダをやり直すと必ずといって良いほど
ランドが剥がれます.
単純な回路で面積的に余裕があるのですから,もっと大きめのランドに設計にすればよいのにと思って
しまいます.
単純な仕組みで部品点数も少なかったのでマジックでパターンを書き込み,何とか読み取って,
回路図を起こしました.

ブレーキとテールランプの明るさを抵抗で変えている単純な回路です.(ダイオードは流れ込みを
阻止するためのモノ)
抵抗とダイオードは共通系なので故障しているのはやはりLEDのようです.
さて3個あるLEDのどれが壊れているか・・・.
一個ずつ交換しても良いですが,サルではないのでテスターであたります.
テスターの導通(ブザー)モードで測定すると良品のLEDは薄っすら点灯してくれます.

壊れているLEDが分かったのでハンダ吸い取り器でハンダを吸い取ります.
間違いが無いか再度テスターを当てると,あれれ・・・点灯しています.
LEDが破損しているのではなく「天ぷらハンダ」のようでした.
念のため全てのハンダ付け部分にハンダを当ててやります.
基板の方はこれで完了.あとはこれを元通りにしなければなりません.
-------------------------
残骸が残ったレンズ部の修正からです.

透明なレンズ部まで削らないように注意しながらリューターで削っていきます.

削りカスが飛び散るので,ビニル袋の中で作業します.
(オッサンなので身の回りを清潔にしないと嫌われますので・・・またビニル袋の中での作業です)

皮一枚残して削ると黒い部分の大部分がパキっと取れてくれました.あとはへばり付いた残骸を丁寧に
削り取ります.

レンズ内にLED基板を内装しフタをするのですが,適当なモノが無かったので1.4mmのアクリル板を
サークルカッターで円形に切り出してフタにします.

強度を上げ,ツバ付きにするため直径を変えてたモノを二枚用意しました.

アクリル用の接着剤を使いますが,スポイドで滴下するとス~っと隙間に入り込んで,完全に一体化してくれます.

基板をレンズに入れてフタをしてみましたが,かなりタイトで若干フタが浮いてしまいます.

あれこれしてみましたが結局作り直した方が良さそうなので新たに作り直しました.

基板に干渉する部分を大きく広げています.

今度はスッキリ収まってくれました.こういうことが意外と嬉しかったりします.

元々基板は固定したいなかったようですが振動もあるのでフタと市販のウレタン系の接着剤で
固定しておきました.

向きを間違えないように注意してアクリル接着剤で固定します.

最後にシリコン充填剤を詰めて防水処置をしておきます.

何とか完成しました.

見えない部分ですし,機能的にも点灯すればよいものだけに修理方法も人それぞれ.
複雑に修理をする必要も無いのかもしれませんが,やり始めると色々と考えが出てきて,つい時間が
過ぎてしまいます.
夜な夜なこんなことをしながら人生を送っています.

ではまた
こちらも店長の仕事を見習い、カウル補修からスタートです。
困ったら駆け込みますので、よろしく
アクリルサンデー、買ってきます。
こんにちは,ケガの方はどうですか?
カウルのFRP補修ですが,FRPは道具もさほど要らず,
作業もレジン(樹脂)とマットやクロス(ガラス繊維)を
しみこませながら貼る単純な作業なので,一般の人にでも
飛び込みやすいものですが,逆に腕や努力が問われる作業です.
FRP補修キットはレジンとマットがセットになっただけの
モノなのでローラーや豚毛の刷毛は最低でも必要ですので
先ずは色々と下調べをされた方が良いと思います.
でないと,カウルの裏側にトゲトゲしたマットが重ね貼りしただけの状態になってしまいますよ.
頑張ってください.
参考までに以前作ったFRPのカウルのお話です.
http://okutec.onasake.com/new_gpz_cowl_3_P1.html
team bonさん
こんにちは.
なにやら作業されるんですね.
何か出来ることがあればまたメールください.
ちなみにアクリルサンデーは揮発しやすいので我が家では
冷蔵庫で保管しています.
それにしても「ス~っと隙間に入り込んで,完全に一体化」させる接着剤なんてものがあるんですね。すごい!
こんにちは,コメントありがとうございます.
僅かな隙間があると「毛細管現象」で入り込んでいってくれます.
昔,理科で習ってピンとこなかったことが今さらながらナルホドっと
思うことがよくあります.
きっとお客さんも喜んでくれることでしょう!
これからも良い仕事宜しく!
こんにちは,コメントありがとうございます.
最初の剥ぎ取りをやってもらえて踏ん切りがつき,あとは
楽しく作業ができました.
やはり私は小心者みたいです.
またリクエストがありましたら連絡してください.
お心遣いありがとうございました.
尊敬します^^
いつかSDSの道具(護身用)を頼むかも知れません。
こんにちは,コメントありがとうございます.
褒めて頂けて嬉しいです.
SDSで何かお役に立てれることがあれば私も嬉しいです.
宜しくお願いいたします.
妙に納得。