校長になって、1章で述べた当初の行事をやり終え、「信頼づくり」を始めました。さらに、校長として最優先で取り組むべき点について心がけて学校経営に取り組み始めました。
私が考えた最優先で取り組むべきことは次の5点でした。
① 法令や指示を遵守する
② 教職員一人一人を気にかける
③ 校長講話や式辞に全力を注ぐ
④ よさを引き継ぐ
⑤ 危機時に率先して最善を尽くす
最優先事項に取り組んでいると落ち着いてきます。と同時にというか、最優先事項に取り組む前から、学校の課題が見えてきて、気になり始めます。そうすると、校長ですから課題を解決しなければという使命感が湧いてきます。
さて、ここで校長としてどう動き始めたらいいでしょうか。
私自身は、だいこん高校の時と卯の花高校の時では違った動きをしました。今考えると、それぞれの対応は間違っていなかったと思うのですが、やや場当たり的で、校長としての考え方がしっかりとしていなかったなあと反省しています。
課題を見つければ、解決しようと動き始めるのが人情です。その学校を預かる責任者である校長であれば、なおさらです。
しかし、その学校の最高責任者である校長は、課題を解決するだけでは役目を十分に果たしているとはいえません。教職員を結集させて課題を解決すれば、校長の役目を果たしていると言っても良いような気もしますが、いかがでしょうか。
私は今、教職員を結集させて課題を解決したとしても、それだけでは校長の職責を十分に果たしているとはいえないのではないだろうかと思っています。
課題はなくなることはありません。一つの課題を解決すれば、必ず別の課題が見えてきます。モグラ叩きのようです。
課題の解決というそれぞれの目的や目標はあるのですが、大きな方向性が見えません。課題解決は局所最適ではあるのですが、全体最適になるとは限りません。
校長は全体最適を考えながら、解決すべき課題に優先順位をつけて取り組まなければなりません。
ということで、課題解決の前にすべきことが校長にはあるようです。
それが、「価値観を明確にする」とか「ビジョンを生み出す」とかいうものなのでしょう。