3月11日に幹部との顔合わせがあり、自分より年上の人たちばかりで奥井はとても驚いたようです。古き時代の大学運営を踏襲する教員がいるようで、奥井がどんどん改革を進めるのではないかと戦々恐々している人もいるみたいです。でも、そういう教員ばかりとは限りません。中には、変化を期待している教員もいるでしょう。奥井が学長になるということは、変化が生まれるということです。その変化が大学にとって、教職員にとって、学生にとって、よりよいものになるよう努めていくのが奥井の役目なのでしょう。楽しそうですね。
4月1日に教職員にどんな挨拶をしようかと奥井はあれこれ考え始めたようです。始めは大事です。どうなるでしょうか。
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何を語るか
11日、とうきび大学の幹部たちと顔合わせ。
午前中は教員。学部長や学科長らは皆、私より年上で偉い人たちばかり。互いに腹を割って話し合える関係づくりや教員たちとの懇談会を求める声があった。望むところである。新学長が独断で改革を進めるのではないかと危惧する教員たちの不安が見て取れた。
午後は事務職員。本学の良さを聞くと、人間関係が良い職場だと言う。事務職員は特に良い。彼らには大学経営の方向性を決めるのは事務職員だと伝えた。教員はプレーヤー、プレーに専念できるような環境を用意するのが事務職員。激動の時代にどんな環境を創造し、どの方向に進むか。その原案を提供するのが事務の仕事である。若い発想と行動力に期待する。
4月1日の就任あいさつで何を語ろうか。まず、本学創設への敬意と感謝を前学長や教職員、関係者に示そう。次に私のプロフィール紹介。教育や管理運営、高大接続改革に携わってきた。私の得意分野を伝えることは、私が行う改革を暗示することになる。
続いて自らの使命についての見解を述べる。ここがメインだが、微妙なところで表現が難しい。創業を受けての守成が私の役目であるが、具体的に何を目指すかを明示するわけにはいかない。とうきび大学についても医療系分野についても素人の私が知ったかぶりして語れば反感を買う。教職員の意見を聞いてから明示すべき。しかし、学長として大きな方向性を示す必要はある。何を語れば教職員の心に響くだろうか。
高大接続改革の根本は学力保証であり、学力とはこれからの時代に求められる力である。本学の学力保証は国家試験合格であるが、それだけでは激動の時代は乗り切れない。新たな職を開拓するチャレンジ精神や広く深く根本を見つめる知恵を養う必要がある。今ある職の半分がなくなり、新たな職がどんどん生まれる時代、医療系にも同じ波が押し寄せる。その対応を誤れば本学は消滅する。
もっと推敲を重ねよう。