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<日本酒メーカー> 福島 矢澤酒造店

2024-07-19 07:39:19 | 日本酒

 「矢澤酒造店」

 9代目 矢澤 真裕(やざわ まさひろ)さん
 国土交通省に10年勤めた後、日本酒好きが高じて醸造機器メーカーへ。
 2016年、『南郷』の味に衝撃を受け、先代との縁が生まれる。
 出会いからわずか8ヶ月後、酒蔵を受け継ぐことを決意した。

 やまつり福島県と茨城県との県境・矢祭町にある矢澤酒造店。
 福島県最南端のこの酒蔵は、2016年、藤井酒造店から矢澤酒造店へと名前を変えました。

 藤井酒造店の造る『南郷』という酒にすっかり魅了された日本酒ファンが、自ら酒蔵を継ぐ―。
 嘘のような、本当の話です。

 一本の酒が繋いだ縁について、そこまで惚れ込んだ『南郷』について、現当主の矢澤さんにお話を伺いました。

 『南郷』が導いた天職
 矢澤酒造店の9代目・矢澤さんは、運命に導かれるようにこの蔵にやって来ました。日本酒を飲み始めたのは20歳の頃という、かなりの日本酒ファン。そんな矢澤さんが夢中になったのが、ある飲食店で出会った『南郷』でした。店を訪れては『南郷』ばかりを飲む矢澤さんを見て、女将さんがお店の常連だった8代目蔵元の義弟を紹介してくれたのが始まり。偶然にも蔵元本人と3人で会う機会があり、酒の好みなどで意気投合。「蔵を継ぎませんか」という蔵元の誘いに、「やりましょう」と即答したそうです。

 「ためらいは全くありませんでしたね。日本酒の中でも、大好きな『南郷』に関われるなんて、運命だと思いました」

 酒造りは、寒い冬に行う厳しい肉体労働でもあります。造り方は知っていても、実際にやってみるのでは大違い。しかし、「たしかに大変ですが、辛いと思ったことは一度もありません」と矢澤さんは笑顔です。

 「最初に搾った『南郷』は、うれしすぎて記念に全部取っておこうかなと思ったくらいです(笑)。酒造りは6回目になりますが、飽きることもありませんね。“趣味は仕事にしない方がいい”という人もいますが、私は好きなことが仕事になってとても幸せです。友人からは『仕事をしているのか遊んでいるのかわからない』とよく言われますよ」

 花火のような、奇跡のバランス
 矢澤さんがここまで惚れ込む『南郷』は、先代である藤井健一郎さんが造ったものです。パッと広がって、スッと消えていく“花火”をイメージしたといいます。

 「まさに『南郷』の味わいですね。まず旨味が口に広がって、それがスッと引いていきます。旨味だけ、キレだけ……というお酒はありますが、両方バランス良くというのは本当に難しいんですよ。これだけ旨味があると、普通は飲み飽きてしまうのですが、キレが良いので延々と飲めてしまうんです。恐ろしいお酒ですよ」

 米の旨味が、食べ物の旨味を引き立ててくれる。どんなものにでも…面白いところでは、麻婆豆腐やカレーにも合うといいます。「純米酒なので、米だと思ってください。白米にかけて美味しいものなら大丈夫。スパイシーなものにも負けない懐の深さがありますよ」

 晩酌の1杯目はビールと決めている矢澤さんですが、『南郷』に手を伸ばしてしまうと、もうビールには戻れなくなってしまうそう。旨味とキレをじっくり味わって、あなたも『南郷』にハマってみてください。

 『南郷』を県外、そして海外へ
 『南郷』について、「もう突き詰められているので、未来永劫、造りや味を変えるつもりはありません」と矢澤さん。現代の造りとはかなり異なる手法を取っていますが、どれほど手間がかかっても、今の味を守ることが使命だと考えています。

 一方で、新たな造り方や、新商品開発にも積極的です。最近では、インターナショナル・サケ・チャレンジの純米大吟醸部門で『純米大吟醸 白孔雀 BY 2020』が、世界一のお酒に捧げられるトロフィー賞を獲得するというニュースもありました。『南郷』らしい旨味は、この『純米大吟醸 白孔雀 BY 2020』にも含まれています。「米の旨味があると賞を取りにくいと言われていました。でも、うちの蔵は“『南郷』らしさ”を忘れてはいけない。だから、この味で賞が取れたことが本当にうれしいんです」と矢澤さんは顔をほころばせます。

 この先、一生でひとつの銘柄しか飲めないのなら、やっぱり『南郷』を選ぶ―。『南郷』をもっと広めるためにも、他のラインナップにも力を入れていくといいます。矢澤さんの情熱は尽きることがありません。

*https://www.f-sake.com/2022/05/31/yazawashuzoten-2022/ より

 矢澤酒造店 福島県東白川郡矢祭町戸塚41

 代表銘柄

単一の仕込みでは出すことができないひとつ上の香味を特徴のある複数の原酒を繊細に均衡させることで実現させたブレンデッド日本酒。凛と筋の通った吟醸香を特徴としつつ透明感のある甘さと隠し味的に効かせた酸味が絶妙に協奏する逸品。#1とは蔵初のブレンデッド日本酒という意。銘 柄 Guidice #1
呼称・内容 ブレンデッド日本酒
アルコール度 14°
日本酒度 非公開
酸度 非公開
原料米 米(国産)、米麹(国産米)
精米歩合 非公開

南郷 吟醸 無濾過原酒

清涼感のある吟醸の香りがほどよく閉じ込められたお酒で、味わいも切れもスッキリしています。オンザロックで楽しめますので、夏の屋外のバーベキューなどには最適です。

銘 柄 南郷 吟醸 無濾過原酒
呼称・内容 吟醸酒(無濾過原酒)
アルコール度 18°
日本酒度 +7.0
酸度 1.4
原料米 広島県産八反錦
精米歩合 55%


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