「鳥見雑記帳」を閲覧してくださった皆様
この「goo blog」は、サーバーの都合で近いうちに終了になります。
そのため更新はずっとストップしてきました。
新しいブログへ移行するか、ここでブログを終了するか考え中なので、決まりましたらご連絡します。
とりあえず、長い間閲覧ありがとうございました。
「鳥見雑記帳」を閲覧してくださった皆様
この「goo blog」は、サーバーの都合で近いうちに終了になります。
そのため更新はずっとストップしてきました。
新しいブログへ移行するか、ここでブログを終了するか考え中なので、決まりましたらご連絡します。
とりあえず、長い間閲覧ありがとうございました。
この冬の渡りのカモは種数も個体数もこの数年の中で一番少なかった。その一番の理由は、池の水草が減ってしまったことだろう。
しかし、それだけではないかもしれない。
この冬特記すべき出来事は、トモエガモが一冬逗留したことだ。2023年12月16日に2羽のメスのトモエガモが見つかった。
▲2023年12月16日に確認されたトモエガモ♀2羽
トモエガモは、地元の池にはめったに飛来しない。飛来してもすぐにいなくなる。
この冬もすぐにいなくなるだろうと思っていたが、私の記録では2023年12月16日~3月11日までの間、池に逗留していた。
ボートが営業していいないときは、この池の同じ桜の木の枝に2羽でまったりととまっていることが多かった。
トモエガモ2羽はほとんどいつも2羽一緒に過ごしていたので、もしかしたら姉妹だったのかもしれない。渡りの途中で群れの仲間とはぐれたのだろうか。私は昼間しか目にしなったが、たいてい2羽でまったり休憩していた。他のカモたちにとっても餌となる水草が少ないのに、ここにとどまっていたのはなぜだろうか。
夕方や早朝観察していた人たちによれば、他のカモと一緒に陸に上がって地上の餌を食べていたらしい。渡りも、他のカモに混ざって来たのかもしれない。
ボートの営業が始まるとボートが入り込まない場所に移動する。
▲くつろいでいた場所にカラスが現れて警戒する2羽
▲ボート営業中にくつろぐ場所
ここは、私がいつも通りがかる場所なので、出向いた時にはいつも確認していたが、たまに姿が見えなかったり、1羽しかいなかったりするときがあり、心配した。
ときどき他のカモに混ざっていたり、移動する姿も目にしたことがあった。
▲少し飛んで移動
3月11日、この日もいつもの場所にいるのを見たが、その後目にしなくなった。他の観察者の方に聞いても、いなくなったと言っていたので、北の繁殖地へ向けて飛び立っていったのだろう。3か月見続けて来たので、ちょっと寂しかったが、無事に繁殖地へたどり着いてほしい。
私としてはトモエガモをこんなにじっくり継続して見たのは初めてだったので、来冬は、オスと一緒に飛来してほしい。
▲最後に見たトモエガモ
ここ数年、トモエガモの日本への飛来数がうなぎ上りに増えているらしい。
バードリサーチによると、「トモエガモ全国調査2022/23年の報告 167,757羽のトモエガモが記録されました」とある。
https://db3.bird-research.jp/news/202310-no4/
また、ネット情報によると、北極圏を繁殖地とするガン類やハクチョウ類は温暖化で繁殖場所が増えたり繁殖期間が長くなったりし、個体数が増えていると考えられており、トモエガモも同様の可能性があるという。
トモエガモの逗留は、地元の環境の問題だけではなく、世界規模の環境の問題だったようだ。
2023年10月~2024年1月、地元の公園の水場は、ツグミ類が例年になく多数集まって大賑わいだった。
特に10月は、クロツグミ・マミチャジナイ・シロハラやアカハラなど夏鳥・冬鳥等が同時にやってきて、てんやわんやの状態になった。
クロツグミ
春と秋に地元を通過する渡り鳥で、例年はなんとか1度は目にすることができるかどうかというぐらい。今年は長いこと逗留して水場に何度も姿を現した。
▲水場に現れて、水を飲んだり、水浴びしたりするオスのクロツグミ
マミチャジナイ
マミチャジナイは、例年秋に地元を通過する。今年はとりわけ多く飛来。7個体いるのを確認したという話も聞いた。
▲水場に現れたマミチャジナイ
シロハラ
シロハラは、毎年必ず飛来する冬鳥で、水場に真っ先に姿を現し、一冬居つき、水場の主になったりする場合が多かった。それが今年は15羽ぐらいが一度に姿を現し、水場で小競り合いしたり、水場の周囲でがさごそ動き回ったり、飛び回ったり、びっくりするほど多くの個体数が集まった。
▲岩場や水回りに多数集まるシロハラ様子はなかなか撮れない。
アカハラ
アカハラは、初めは亜種アカハラが通過の途中で逗留、12月ごろになると亜種オオアカハラが越冬に来る。アカハラも何個体も飛来し、長く逗留した。
▲水場の様子をうかがいに来たアカハラ
これだけ多くの鳥が集まると、水場を巡って小競り合いも起こるが、個体や種によって、あるいは状況によって、勝ち負けのパターンが違うし、同種同士でも争う場合もあれば、案外仲良く異種が集まることもあって、見飽きない。
▲クロツグミ・マミチャジナイ・シロハラ・アカハラとヒヨドリ等の異種が同時に集まる水場
この水場に最後に登場したツグミ類は、ツグミだった。
そもそもツグミ類(他の野鳥も同様だが)がなぜこの水場にこの時期集中的に集まるかというと、一番大きな要因は、水場に大きなエノキがあることだと思う。このエノキは年々大きくなって、渡りの野鳥たちが好む実をたくさんつける。餌場と水場の両方がそろっている場所なのだ。
▲実のついたエノキに来たツグミ
エノキの実は、地面にもたくさん落ちているので、水場の周りは、餌場にもなっているのだ。
▲水場の周りに落ちているエノキの実を食べるシロハラ・アカハラ
この冬のツグミは、例年になく大きな集団で移動しているようで、水場にも集団で現れた。
▲10羽のツグミが写っている。
▲下にも5羽
岩の上の水は、早朝バードウォッチャーがボランティアで掃除したり、水を入れたりしているが、これだけのツグミが来ると、昼にはなくなってしまうようだった。
また、これだけの野鳥たちが毎日毎日エノキの実を食べるので、1月ごろにはさすがに食べつくした感がある。越冬ツグミたちもほとんど現れなくなった。
プロのカメラマンを自認している人たちは、人が管理する水場の鳥にはカメラを向けない。自分で見つけ、見つけたものをいかに上手に撮るかがプロらしさだと思っているからだろう。私は写真を撮ることが目当てではなく、鳥を観察して鳥のことを知りたいと思っているだけなので、(鳥に害を与えるばでなければ)そういうことにはこだわらない。そして、水場で見るだけでも、いろいろなことがわかって楽しめる。
しかし、もう一つ狂騒曲を奏でたのは鳥撮りカメラマンたちだった。クロツグミやマミチャジナイが見られるという情報が瞬く間に広がって、鳥撮りカメラマンが大勢集まり、大砲(三脚も)を持ってきて狭い観察ポイントにひしめいて、ちょっとした小競り合いもあったらしい。地元のバードウォッチャーたちは、みなに見てもらおうと譲っているのに、張り付いてどかないマナー違反の人も多かったのは残念だった。
ブログはほとんど更新しないまま2023年が終わる。
2例だけ、私的思い出をアップしておきたい。
●ツツドリの若
9月下旬、ツツドリの若鳥が飛来した。
最近はツツドリの成鳥も目にする機会がめっきり減ってしまったので、最初「カッコウ」がいると聞いて見ていたのだが、あとで詳しい方に「ツツドリ」だと教えていただいた。カッコウの仲間は成鳥ですら識別に迷うことがあるが、まして若鳥の識別点を知る機会はほとんどなく、とても勉強になった。
盛んに地面に降りるので、もしやと思って写真に撮り、拡大してみて納得。
止まっている樹はコナラで、その樹につくツマキシャチホコの幼虫(毛虫)を捕食していたのだ。
つくづく毛虫好きの鳥である。
▲ツマキシャチホコの幼虫(たぶん蛹化のため地面に降りてきていたのだろう)を捕食
●動物園のミゾゴイ
昨年から地元の動物園ではミゾゴイの繁殖に挑戦していた。昨年は失敗したが、今年は無事に雛が孵った。
撮影が許可されていたので、ときどき観察に行った。
地元の公園にもときどき野生のミゾゴイが通過するが、なにしろ絶滅危惧種なので、繁殖の様子を観る機会など望めない。
飼育個体ではあっても、観察できてよかった。
3羽がすくすくと育ち、1羽は他の動物園へ送られたとか。
オオバンの雛は、どんな餌を与えられたか。
水草・岸辺の草が一番多い。
親は、餌を嘴に挟み、雛はそれを自分で取りに行く。
カイツブリのように、親が口の中に入れることはない。
小さな魚も与える。
昆虫も。アメンボだろうか。
少し大きくなると、自分で採るようにもなる。
しかし、親がいれば、おねだりしてもらう。
大きくなった雛が、体を低くしておねだりするのは、カイツブリと同じ。
オオバンの親は、カイツブリのように自立を促したりせず、ねだられれば与える。
休憩・羽繕い
雛が大きくなったころ、好みの休憩場所ができた。
このころよくこの場で休憩してた。
一家そろって休憩中。
両親の間に雛1羽。左の親が雛の羽繕いをしている。
左の雛が親の羽繕い
寄ってきたパートナーに羽繕いをする親
雛だけで休憩していたところへ、親がやってくる。
オオバンは夫婦で力を合わせて子育てし、雛が自分で自立するまでよく面倒を見ることがわかった。
子育て終わった夫婦も、ずっと池に残り、一緒に過ごしていたが、冬に渡ってきたオオバンに紛れて、子育て夫婦がどれだかわからなくなった。
来年まで居続けて、また子育てするだろうか。子育てペアが増えるだろうか。楽しみである。
この写真は、子育てを終えたオオバンのペア。
オオバンの成鳥の姿を見ると、体は全身真っ黒な羽で覆われ、嘴と額板は白い。
こちらは、孵化して間もないオオバンの雛。
頭の天辺は羽毛がなく剥げている。嘴の先は白いが、残りの部分は赤く、嘴の周りも赤い。
頭の下半分は、黄色い羽毛が襟巻のように伸びている。
体は濃い灰色の羽毛に覆われている。
この状態から、成鳥の姿まで、どのように変化していくのだろうか。
▲孵化後1か月ほど経った雛
いつのまにか、嘴の周りの赤い羽毛や、襟巻状の黄色い羽毛がなくなってきている。
成長の早い雛は、胸から腹にかけて、白い羽毛が生えてきている。
さらに、頭の禿げていた部分も完全に羽毛に覆われた。
▲白とグレーの羽毛に覆われた雛。嘴には黒い斑紋
▲正面から見ると、嘴が額の方へ伸びていて、額板が形成され始めているのがわかる。
▲翼の羽が伸びてきた。
▲額板がはっきりわかる。
▲孵化後2か月ぐらい。
▲ついに額板が白くなった。羽毛が黒くなれば親とかわらない。2か月半後。
しかし、この後雛の姿は見えなくなった。
ついに独立したのだろうか。この後親元から離れて一人暮らしをするのだろうか。
オオバンの体の成長は、バンと似ている。バンの雛も孵化後しばらくは頭が剥げていて、赤い。ただ、オオバンほど派手ではないが。
親の給餌本能を刺激するため?他のクイナ科の雛はどうなのだろうか。いろいろ疑問が湧く。
つづく
半年以上ブログを更新しないまま、年末を迎えることになってしまった。
とりあえず、今年特記すべきできごと、オオバンの繁殖記録だけは、載せておこう。
初めて見るオオバンの雛の特異な風貌。羽毛恐竜もさもありなんと思わせる。
この雛が、どのようにして成鳥になっていくのか、観察していくことにする。
▲地元で初めて生まれたオオバンの雛 かなりユニーク。
地元の池では、オオバンは毎年冬鳥として飛来し、結局春にはみな移動してしまったのだが、
今年は1ペアが移動せずに居残っていて、観察者たちの期待が高まった。
オオバンは、同じクイナ科のバンと同じように、ヨシなどの水草の茂みの中に巣材を積み上げて巣をつくる。一度巣らしきものを作ったが、それは放棄され、諦めていたころ、熱心な観察者の方から、また抱卵し始めたと聞き、探しに行った。
野鳥は子育てするときが一番ストレスを感じやすいときであり、観察するには十分注意しなければならない。誰もいないときに、心当たりの茂みの中を丹念に探して、やっと抱卵中のオオバンを見つけ、ワンカット撮って、あとは雛が孵るまで近寄らないようにした。
▲浮島の茂みの中の巣
やがて観察中の方から、雛が孵ったと聞き、様子を見に行くと、噂を聞きつけたカメラマンたちがすでに10人ぐらい集まっていて、踏み台を持参したり、柵から身を乗り出したりして、撮影しようとしていた。中には、「あの木の枝が邪魔だから、伐ってくれないかな。」などという人もいる。この時も巣の中の雛を確認だけして、退散した。
▲孵化したオオバンの雛たち
その後は遠くの対岸から、観察することにした。
▲対岸から見た巣。赤い頭の雛がいるのはわかる。
▲もう片方の親鳥が雛の餌を採ってきて与えるのは、カイツブリと同じだ。
▲雛たちはすぐに巣から出て泳ぎ始める。
ほどなくして、ペアは雛たちを連れて、池を周遊始める。対岸のコガマが生えているところで見られることも多くなった。
▲コガマの茂みから出てくることもあり、この中で休憩していたのかもしれない。
観察している方によると、卵は7個あって、6羽が孵り、すぐに5羽に減ったそうだ。私が池を周遊する雛たちを観察しているうちに、雛は5羽から、4羽、3羽と減っていき、最後まで見られたのは2羽だけだった。
つづく
夏鳥の渡りも終わりつつある今頃、冬鳥について雑記するのも気が引けるが、忘れないように記しておきます。
リュウキュウサンショウクイ
地元では昨年に引き続き、何羽かのリュウキュウサンショウクイが越冬し、毎日のように目撃された。
タシギ
これも昨年に引き続き、地元で越冬。たぶん昨冬と同一個体なのだろう。
メジロガモのハイブリッド
2~3年前の冬に地元で越冬していたが、昨冬は気が付かなかった。以前に見つけた若きバーダーがこの冬また来ているのを発見。たぶん、ホシハジロとの交雑種で、ホシハジロと行動をともにしていた。
▲この尾羽の付け根の下が白いのが、メジロガモの特徴らしい。ホシハジロは白くない。
アオジ
アオジがよく好むツツジの茂みにこの冬もアオジのペアが越冬した。そのペアのメスは足環をつけていた。足環の記号を読み取って送った結果、北海道から来ていることがわかったそうだ。
山から垂直に下りて来るのではなく、南下してきたわけだ。そういえばルリビタキも南下するらしい。
▲足環をつけたメス
あのペアはそろって北海道へ帰っていったのだろうか。また一緒に来冬やってくるだろうか。
アカハラ
この冬、アカハラが昨年と同じ場所に現れた。場所が同じということは昨年と同じ個体かもしれないと比べてみる。
▲目の周りに白い斑がある今年の越冬アカハラ
▲昨冬のアカハラ。なんとなく似ているような…。
アカハラのリターン組
こちらは昨年の11月に立ち寄って通過していったアカハラのグループ
▲同時に3羽ぐらいは見られた。
そして、この春4月下旬~5月上旬に、またアカハラのグループが立ち寄る
▲同じグループがもどってきたのだろうか。
地元を通過するアカハラは亜種アカハラで、地元で越冬するアカハラは、亜種オオアカハラだと言われている。見かけで判断するのは難しいが、リターン組は亜種アカハラのはずだ。
どこで越冬したのだろうか。どのまで帰るのだろうか。
アトリやマヒワの集団が来なかったので、寂しい冬だった。
地元では、まだ、シロハラやツグミ、アカハラなども見られるが、既に夏鳥たちも次々にやってきている。
しかし、地元では、マナーが悪いカメラマンが増えて、バードウォッチング環境が年々悪化してきたように感じて、なんとなく気分が乗らないこのごろだ。
ルリビタキ
このオスのルリビタキは、例年よく越冬する場所に飛来した。ルリビタキは20年ぐらい見てきているので、行動パターンはだいたいわかっているつもりだったが、この冬の現れ方にはちょっと違和感があった。
結局、餌付けた場所に居座って待ち構えて撮るカメラマンが何人かいたからだった。そういう人たちとは行動をともにしたくないので、見に行くのを避けた。誰もいない時を見計らって、自然に現れたときになんとか撮った写真がこれ。
メスタイプのルリビタキ
▲毎年必ずルリビタキが現れるポイントにこの冬も現れる。
▲ここの落ち葉が掃かれたので、虫が取りやすくなったのか、よく現れた。
この個体も、例年飛来する場所に今年も現れた。2羽居たかもしれない。
ジョウビタキ
このオスのジョウビタキも、毎年飛来する好みの場所にこの冬も現れたが、あっという間に餌付けされてしまった。
餌付けおじさんは、前の冬にも餌付けして、最終的には警備員さんに注意を受けたので止めたかと思ったが、懲りずにまた始めたのだ。朝から持ってきた椅子に座って待っては撮る。2~3mぐらいまで近寄ったり、人家の窓へも平気で望遠レズを向ける。撮った写真を通りすがりの人に見せて得々と説明したりしている。
上の写真はほとぼりが冷めて、餌付けおじさんがいなくなったときに、たまたま現れたので撮ったもの。
私一人だったので、ゆっくり観察しながらいろいろな姿を撮ることもできた。
ジョウビタキのメス
ジョウビタキのメスは3~4か所に現れた。
レアでなかなか姿を見せない鳥を一目見たくて餌付けするという気持ちはわからないでもないが、ルリビタキやジョウビタキを餌付けする人たちをバードウォッチャーとは呼べない。
ルリビタキやジョウビタキは、きれいでかわいいと人気の鳥だが、冬の間一定のゆるい縄張りを持って暮らすので、餌付けしなくてじっくり待てば必ず見られる。しかも、個体認識ができて、観察も楽しい。そういう楽しさがわかるバードウォッチャーが増えてほしいものだ。
昨年冬鳥の飛来が始まったころ、例年なら10月~11月にはツグミを初観察していたのに、私は12月に入っても目にしなかった。
私が遭遇しないだけなのかと思っていたら、周りの人たちも見ていないということだったし、地元の公園だけの現象かと思っていたら、ネット上でも「ツグミが少ない」とささやかれていた。
結局私が地元でツグミを初撮りできたのは、12月末だった。
▲この冬初撮りしたツグミ
▲エノキの実の残りを食べる12月末のツグミ
それでも、今年に入ると水場にも現れるようになったが、個体数はやはり多くはなかった。
▲水場に現れたツグミ
木々の実はかなり食べつくされ、ツグミ類は地面に降りることが多くなる。
▲地面で蛾の蛹らしきものを捕食するツグミ
ツグミが10羽以上まとまって地面に降りているのを見たのは、2月に入ってからだった。
▲10羽以上のツグミが地面に降りてエノキの実などを食べていた。
この時期になって湧いてきたようにツグミの数が増えてきたのはどうしてだろうか。
今年の冬の初めはあまり寒くなくて、渡ってきたツグミの一部は北国に留まっていたが、大雪などが降ったあと、そのグループが再び南下してきたのではないかという説を聞いた。
それにしても、例年なら今頃は、広場でたくさんのツグミが「だるまさんがころんだ」をやっていたのに、まだまだ少ない。
▲1羽でだるまさんがころんだをやっているツグミ
こういうときは、ぜひ全国的組織をもつ野鳥観察グループで、各地の様子を集約してほしいものだ。
ツグミは、冬鳥の象徴のような鳥なので、その盛衰はとても気になる。
2022年秋から暮れまでに飛来した渡りのカモたち
先ず、9月17日にヨシガモが飛来した。ここ何年か毎年9月上旬に一番早く飛来する。
▲9月17日 ヨシガモのオスのエクリプス
このヨシガモはすぐにいなくなったが、10月1日またヨシガモが現れた。同じ個体なのか、あとから飛来した別個体なのか。
よく見ると2羽いた。
それからまたいなくなったが、その後ときどきメスかなと思われる個体が見られることがある。
▲ときどき見られるヨシガモのメス
9月下旬にはヒドリガモも現れ、この冬もヒドリガモが一番多い状態になった。
コガモも9月下旬には見られた。例年通り、常駐はせず、いつもは主に河川部にいるようだが、ときどき池に現れる。
▲コガモの群れ
10月に入ると、キンクロハジロ・ホシハジロ・オナガガモ・マガモ・ハシビロガモなどが出そろう。
▲キンクロハジロ だんだん増えてきている。
▲ホシハジロのメス
▲ホシハジロのオス
▲飛来したての頃のオナガガモ
▲きれいな繁殖羽になったオナガガモの♂
オナガガモは長居せず、ときどき現れる。
マガモは常時複数個体いる。
▲飛来したてのころの♂(エクリプス)
▲今年は他所でもマガモが多いらしい。
▲マガモ
▲陸で採餌するマガモ
ハシビロガモ
▲飛来したころのハシビロガモ
▲繁殖羽にかわってきたハシビロガモ
そして、この冬は来ないのかなと思っていたオカヨシガモが、12月に入ってやっと飛来
▲12月26日に飛来を確認したオカヨシガモ(オス)
▲メスとペアで飛来していた。
▲その後♂は見当たらなくなり、現在はメスだけがいる。
こうして、毎年飛来する9種は一応この冬も現れたが、その数は昨年と比べると少ない。
昨年の12月の調査日には145羽(日によっては200羽を越えた)だったが、2022年の12月は66羽で、半減している。
そして、その理由は水草の減少だと思われる。昨年は、外来種のコカナダモが池を覆い尽くして水面まで伸びてきていたので、カモたちは潜水しなくても水草が食べられた。今年は刈り取られたためもあるだろうが、それだけでは説明できないぐらい減少している。カルガモやマガモが陸に上がって採餌しているのも、そのせいかもしれない。
それでも、コカナダモはまた生長し始めているのか、オオバンは潜って採っている。
(ちなみにオオバンは今年も多い)
▲飛来したてのころ、カイツブリからアメリカザリガニを奪い取ったオオバン
▲12月下旬にはコカナダモを採るようになっている。
オオバンつながりで、ついでにカモではないがバンも1羽は居ついているようだ。
といわけで、この冬のカモは今のところあまり多くはないが、水草がまた生長し始めているのなら、今後また水鳥が増える可能性はあるかもしれない。1月には珍しいハイブリッド・カモも飛来している。渡りのリターンまで、注意して見ていきたい。
春から夏のカイツブリの子育てが一段落したあと、今年もまた秋子の繁殖を始めたペアがいた。
このペアにとっては、4番子になる。
ここ2年、秋に生まれた雛は残念ながらうまく育たなかったので、今年の子たちはどうなるかとはらはら見守った。
▲10月初旬、3羽の雛が孵る。
しかし、今年は抱卵開始が例年より早かったので、何とか秋子も順調に育っていった。
▲3羽とも順調に成長
▲ザリガニも食べられるようになった?
▲自分で採りなさいとスパルタ教育
▲12月中旬、3羽とも無事
この調子で冬を越せるといい。
一方池尻では、今年は1番子しか育てなかったが、10月半ば、既に自立している子供たちが集まっているのを目にした。
1羽親鳥かと思われる個体もいたが、別に餌をねだる様子もなく、それぞれが自由に餌取りをしているのだが、なんとなく一緒に集まっているのだ。
▲巣らしきものも作られている。
▲巣らしきものに座る若鳥
▲若鳥は親の冬羽と似通っていて、区別がつきにくい。
若鳥たちは2週間ぐらい、集まっていたが、その後三々五々といなくなった。
ここのペアは1番子しか育てなかったが、みな無事に成鳥まで育ったようだった。
雛たちが独立した後どのように暮らしているのかなかなか追えなかったが、今年は若鳥が池に多く残っていたようだ。
12月には河川部に2羽の若鳥が見つかったので、もしかしたらそちらへ移動したのかもしれない。
サンコウチョウは8月14日に見られてびっくり
その後も何度か見られた。
こちらは、水場でぽっちゃん浴びをした後の姿。地元では秋にしか見られない行動だ。
キビタキ
水場に来たのを何度か見た程度
例年ならメスは若い個体は11月ごろまで見られるのだが、今年は早々にいなくなってしまった。
コサメビタキ
エゾビタキ
ムシクイは、センダイムシクイ・エゾムシクイ・オオムシクイ等をチラ見したけれど、写真は撮れず(お腹とかしか)。
期待していたモンクロシャチホコは発生せず、ツツドリも見られなかった。
もちろん、クロツグミやマミチャジナイを見た人はいたが、私は目にしていない。
ということで、秋の渡りは、私にとって低調だった。
地元の公園では、カイツブリ・カルガモのほかにも様々な野鳥たちが子育てしている。
池では今年もカワウが子育てしたし、陸域では、エナガ以外にもコゲラ・ヤマガラ・シジュウカラ・アオゲラや、もちろんハシブトガラスやハシボソガラス、猛禽類などが繁殖した。
その様子を観察するのは楽しいし、雛雛たちはどれも思わず頬がゆるむほどかわいい。親たちの身を削るような一生懸命さにも感動する。
しかし、最近は鳥撮りカメラマンが増えて落ち着いて観察できないことも多くなってしまったので、写真はほとんど撮っていない。
たまたま出会った巣立ち雛をちょっとだけピックアップ
●ヤマガラ
ヤマガラはいつのまにかすっかり地元で繁殖するようになり、雛も目にする機会が増えた。
▲5月上旬ごろの雛たち。まだ親と一緒に行動していた。
●カワラヒワ
どこで営巣していたのだろうか。すでに親離れしているようだ。今まで毎年親と一緒にジューンベリーの実を食べに来るのを観察するのが楽しみだったが、樹が伐採されてしまったので、こうした偶然の機会にしか目にできない。
●ツバメ
珍しく、池周りに雛連れの家族が現れた。親は池の上を飛び回っては餌を採り、雛に与えている。
▲親の嘴にはムスジイトトンボが。
それもそのはず。池には無数のムスジイトトンボが乱舞しているので、次から次へ捕ることがことができる。
巣立ち雛を連れて移動する道すがら、簡単に餌が捕れる池に立ち寄ったのだろう。雛もときどき捕る練習をしていた。
ひとしきりトンボ狩りをしたあと、一家は移動していったようだ。
2022年5月、地元の池に10羽の雛を連れたカルガモが現れた。
伝え聞くところによると、池のそばの植栽の中に巣があったらしい。生まれたときは11羽いたとか。
カルガモの雛は、たくさん生まれても日ごとに数を減らしてしまうことが多い。しかし、この一家の雛はわりと長いこと雛を減らさずにがんばっていた。
2~3日後、様子を観察していると、なんと岸辺に上がってきて、私たちの足元までやってきた。
あまり近づいてくるので、こちらがフリーズしてしまう。写真も撮れない近さ。なんか、この子たちをよろしくとあいさつに来たみたいな感じがしてしまうほどだった。このとき雛は9羽に減っていた。
6月に入って、雛の数はどうなったか。
▲写真には7羽しか写っていないが、少し離れたところに親と1羽がいたので、8羽になっていた。
▲8羽の雛たち せっせと池の藻を食べている。
さらに1週間後ぐらいには7羽になっていた。
▲大分大きくなった雛たち7羽 餌は食べ放題。
こういう具合に、生後2か月ぐらいたった時点で7羽をキープしているのを確認したあと、私はその後を見ていないが、なかなか子育て上手な親のように見受けた。この池では、今までもときどき子だくさんをキープする一家が現れる。果たして同じ親なのだろうか。
その後、池では4羽の雛が現れたり、河川部でも雛をみかけた。
▲河川部にいた大きな雛 7月半ば
春から夏にかけて、池には子連れのカルガモ以外は、あまり成鳥はいない。
それがある時期になると、いやに数が増えてくる。実際カウントした結果を見ても明らかだ。
なぜ、8月ごろに一気に増えるのだろうか。
増えてきたカルガモたちを観察すると、換羽中であることがわかる。
▲新しい羽(羽軸)が伸びてきている。
水面には、抜けた羽もたくさん浮いていて、拾い集める人もいた。
集まってきたカルガモたちは、また池の水草をせっせと食べている。
今年はコカナダモが繁茂しているので、食べ物には事欠かない。
▲水面採餌・逆立ち採餌をするカルガモ
▲時にはこんなご馳走にも挑戦
カルガモは、繁殖が終わると、換羽する。一気に換羽するので、飛べなくなるそうだ。
つまり換羽中は、飛べなくても安全で、餌も十分採れる場所に移動する必要がある。そして、地元の池はカルガモにとって、安全で餌の採れる池と評価されているということになる。
試しに隣の善福寺池に偵察に行ってみると、カルガモはほとんどいなかった。
その昔は、カルガモは換羽期には池から姿を消し、大きな川(多摩川など)で過ごしていたという話も聞いた。
カルガモにとっても、地元の池は住みやすい池になってきたのかもしれない。
あとは、池周りに営巣場所に適した藪があれば、子育てにも適した場所になるのではないだろうか。