鳥見雑記帳

庭や近所の公園で観察した野鳥についての雑記帳

冬の鳥たち① ルリビタキ・ジョウビタキ

2023年04月26日 | ルリビタキ

地元では、まだ、シロハラやツグミ、アカハラなども見られるが、既に夏鳥たちも次々にやってきている。

しかし、地元では、マナーが悪いカメラマンが増えて、バードウォッチング環境が年々悪化してきたように感じて、なんとなく気分が乗らないこのごろだ。

ルリビタキ

このオスのルリビタキは、例年よく越冬する場所に飛来した。ルリビタキは20年ぐらい見てきているので、行動パターンはだいたいわかっているつもりだったが、この冬の現れ方にはちょっと違和感があった。

結局、餌付けた場所に居座って待ち構えて撮るカメラマンが何人かいたからだった。そういう人たちとは行動をともにしたくないので、見に行くのを避けた。誰もいない時を見計らって、自然に現れたときになんとか撮った写真がこれ。

メスタイプのルリビタキ

▲毎年必ずルリビタキが現れるポイントにこの冬も現れる。

▲ここの落ち葉が掃かれたので、虫が取りやすくなったのか、よく現れた。

この個体も、例年飛来する場所に今年も現れた。2羽居たかもしれない。

ジョウビタキ

このオスのジョウビタキも、毎年飛来する好みの場所にこの冬も現れたが、あっという間に餌付けされてしまった。

餌付けおじさんは、前の冬にも餌付けして、最終的には警備員さんに注意を受けたので止めたかと思ったが、懲りずにまた始めたのだ。朝から持ってきた椅子に座って待っては撮る。2~3mぐらいまで近寄ったり、人家の窓へも平気で望遠レズを向ける。撮った写真を通りすがりの人に見せて得々と説明したりしている。

上の写真はほとぼりが冷めて、餌付けおじさんがいなくなったときに、たまたま現れたので撮ったもの。

私一人だったので、ゆっくり観察しながらいろいろな姿を撮ることもできた。

ジョウビタキのメス

ジョウビタキのメスは3~4か所に現れた。

レアでなかなか姿を見せない鳥を一目見たくて餌付けするという気持ちはわからないでもないが、ルリビタキやジョウビタキを餌付けする人たちをバードウォッチャーとは呼べない。

ルリビタキやジョウビタキは、きれいでかわいいと人気の鳥だが、冬の間一定のゆるい縄張りを持って暮らすので、餌付けしなくてじっくり待てば必ず見られる。しかも、個体認識ができて、観察も楽しい。そういう楽しさがわかるバードウォッチャーが増えてほしいものだ。


ルリビタキ・ジョウビタキ2021~2022

2022年04月13日 | ルリビタキ

地元では春の渡りが始まっている。冬鳥はツグミ・シロハラ・シメなどがまだ残っているが、人気のルリビタキ・ジョウビタキは3月後半に移動してしまったので、この冬のルリビタキ・ジョウビタキを振り返る。

ルリビタキ

12月上旬に、まずきれいな♂が水場に現れた。(以前のブログに載せた)

これと同じ個体と思われる♂はその後例年ルリビタキが逗留する場所で一冬逗留したと考えられる。

▲例年になく用心深いオスで、後ろ姿ばっかり。

▲山に帰るころになると、河川部に場所を移す。

▲私が最後に見たのは3月25日だった。

他所でもきれいなオスを見た人がいるようだが、それが同一個体なのか、別個体なのかはわからない。

メスタイプ

ルリビタキのオスは「遅延羽色成熟」するので、1年目の個体はメスと同じような色をしている。いろいろなバーダーたちが、このメスタイプのオスを見分ける方法を提言しているが、そもそも見分けられないように装っているわけなので、私は敢えて必死に見分けようとはしないことにしている。

この冬は、少なくとも2個体が逗留していた。

▲メスタイプ

▲水場に現れたメスタイプ

▲ミミズを捕らえたメスタイプ

▲別の場所のメスタイプ

ルリビタキは毎年同じような場所に現れる。行動範囲がどのくらいなのか、みんなで情報を交換し合って調べてみるのも面白いかもしれない。

ジョウビタキ

ジョウビタキは、11月末ごろ地元に姿を現した。やや薄暗い林縁部を好むルリビタキと比べると、ジョウビタキは比較的開けた場所を好む。人間に対する警戒心も比較的少ない。

この冬、私は2か所で♂を観察した。

▲河川部に水を飲みに来たジョウビタキ♂

▲河川部の水場に降りてきたジョウビタキ♂

このオスは、ある時期からあまりにも頻繁に同じ場所に現れるので不思議に思っていたところ、他所から現れたカメラマンに餌付けられてしまったことがわかった。カメラマンは椅子に座って日がな一日待ち、2mと離れない場所からジョウビタキを撮って過ごしている。

▲人が来ると餌を要求してくるようになったジョウビタキ

そのカメラマンはやがてミカンを枝にさしたりして他の野鳥も餌付けていたが、警備員に注意されてさすがにいなくなった。ジョウビタキはしばらく同じ場所に出てきたが、現金なもので、餌がないと知れると出なくなった。

もう1羽のオスは、これも例年見られる場所に現れた。この冬その場所は人が入れないように閉鎖されていたのだが、その間、ジョウビタキが広場を自由にのびのびと飛び回る自然な様子が観察できて、私はかえってよかったと思っている。

▲別の場所のジョウビタキ

▲目の前で餌を探す

やがて公園が人間に解放された。あるとき子供たちの集団が走り回って遊んでいたが、ジョウビタキは気に留める風もなく、現れた。

▲ジョウビタキ♂の背景に子供の姿

しかし、カメラマンがジョウビタキを追いかけて撮ろうとすると、やはり逃げる。結局自分に無関心な人間は気にしないが、追い回す人は警戒するのだ。

ジョウビタキのメス

メスも少なくとも2羽はいたと思う。同時に2羽見た人がいるからだ。

メスはさらに警戒心が少なく、どんどん人に近づいてくるので逆に焦る。

来冬も、ルリビタキやジョウビタキたちにとって魅力的なフィールドでありつづけられるよう地元の自然を守っていきたいものだ。

 

 

 

 

 

 

 


やっぱりアイドル、ルリビタキ

2021年03月22日 | ルリビタキ

冬の小鳥で人気があるのは、なんといってもルリビタキやジョウビタキだ。

色がきれいでかわいいこともさることながら、単独行動をしているので、個体識別ができるからだと思う。

そして、縄張りをもって行動するので、だいたいその場所に行けば出会える。

きれいな鳥はほかにもいろいろいるが、たいてい群れで移動しているので、個体としては捉えにくい。

 

今年はしかし、公園内に数個体逗留しているのだが、遭遇率が低かったし、特に成熟したきれいなオスには出会えなかった。

 

そんななかで、なんとかじっくり観察できたのが、この個体。

近いにもかかわらず、ちょんちょんと石の上を飛び移りながら、かわいい姿をおしげなく見せてくれた。

写真を撮っていると、通りがかりの人が気づいて、「なんという鳥ですか。」と尋ねてきたので、「ルリビタキといいます。オスがきれいな瑠璃色をしているんです。」と説明。ほんとうは、この個体は微妙に青いので、若オスの可能性が高いが、説明が面倒なので、省いた。すると、「じゃあ、オスはカワセミですか。」と言われて、びっくり。「カワセミは別の鳥で、オスもメスも青いです。」としどろもどろに返事した(汗)。

また、別の人も、「カワセミがいるのですか。」と聞いてきた。

カワセミは認知度が高い。でも、ルリビタキもかわいいですよと言いたい。

こちらは、別の個体。メスに見える。(背景が網なのがちょっと)

こちらは、オスだが、遥か彼方の豆粒映像で、画質も悪い。

つい最近、そろそろお別れかなと思っているとき現れたこれも別の個体。

なんとなくファインダーで覗いたとき、青っぽく見えた。若オスかもしれない。

というわけで、きれいなオスとの出会いはほとんどなかったが、ルリビタキはやっぱり冬の小鳥のアイドルだ。


ルリビタキ2020

2020年03月14日 | ルリビタキ

この冬は、ルリビタキ2個体を見ることができた。(昔はもっとたくさん見られたのに、2個体しか見られないのはちょっと寂しいが)

1羽はきれいな青いオス。

初めは水場によく現れたが、そのうち現れる場所が変わる。

▲水場に現れる。

▲上水に現れる。

▲ふと見上げると樹の枝に。

▲手すりの上

神出鬼没で、どんどん縄張りを変えて、今はどこへ行ったかわからない。

食べだめできない小鳥たちは、餌に乏しい場所にいつまでも執着せず、餌のあるところを求めて居場所を変えていくのだろう。

(ルリビタキは、それほど珍しい鳥ではないし、たぶんあちこちの公園などで見られるはずなのに、わざわざ別の場所から見に来る人がいる。

 そういう人に限って追いかけまわすので、餌探しに集中したい小鳥にとっては迷惑な存在だろう。)

 

もう1羽は、ルリビタキのメス

結構シャイなのか、あまり出会う機会がなかった。

ルリビタキは、メスに見える個体でも、若いオスだったりすることもあり、「メスだ」「若オスだ」と区別するのが難しい。面倒なので、私は「メスタイプ」で通すことにしている。

しかし、ルリビタキのオスは、なぜ羽の色がきれいな青になるのに何年もかかるのだろうか。

他の小鳥たちは、概ね1年で成熟して子孫を残せるのに、こんな小さな小鳥が、性成熟するのにも何年もかかるとしたら、命をつないでいくには不利すぎる。

そう思って調べてみたら、「遅延羽色成熟」Delayed Plumage Maturation(DPM) であると説明するサイトがあった。つまり、1年で性的には成熟し、子孫を残すことができるけれど、羽の色は成熟羽にはならないらしいのだ。

そして、メスタイプのオスは、きれいな羽のオスと争うことが少ないので、うまく縄張りを守る機会も増え、それなりに繁殖に有利だから存在しているという。

このサイトでは説明がなかったが、全部がメスタイプになってしまったら、争いは全部がきれいなタイプのときと同じになるはずだ。メスタイプがいると争う機会が減るのはきれいなオスの方も同じなので、両方が存在すれば、全体的に争いの機会が減るということだろうか。

こんな鳥は、他には身近にいない。かなり特異な進化だったのかもしれない。

 


ルリビタキ メスタイプ

2019年04月10日 | ルリビタキ

地元の公園で私が観察した限りでは、青くないルリビタキが3個体いた。(だいたいいつもこれくらいはいる)

青くないルリビタキは、メスと若いオスなのだが、その区別がなかなか難しい。若いオスは肩のあたりの羽が青いと言われているが、光の関係や撮る角度によって色がはっきりわからないことも多いからだ。ここではまとめてメスタイプとしておく。

この枝はお気に入りらしく、枝にふんがいくつかついている。

同じ枝にとまった下の個体は少し青く見えるので、若オスかもしれない。この場所にはよく2羽が同時に現れ、いつの間にか入違ったりすることがあり、ますますややこしい。

餌を捕ったところ

メスタイプは色は地味だけれど、目の丸さが目立つのか、かわいい。

一人でじっと待っていると、いろいろな表情を見せてくれる。

他にかなり離れた別の場所でもメスタイプを一瞬見かけた。

この子たちもSee You Again! 来年は青くなってきてくれる可能性もあるし。