鳥見雑記帳

庭や近所の公園で観察した野鳥についての雑記帳

明暗を分けたアオサギとカワウの繁殖 カワウ編

2020年06月03日 | 野鳥

今年のアオサギの繁殖は残念な結果に終わってしまったが、少し遅れてカワウも営巣を始めた。

これも、私が観察し始めてからは、初めてのことだった。私がカワウの営巣に気付いたのは2月下旬のことだった。

ポンドサイプレスで営巣するカワウ(写真は3月7日に撮ったもの)

これに先立つ昨年の12月のこと。繁殖カラーになったカワウが、樹の枝をくわえているのに気づいた。

杭の上にとまるカワウに木の枝を差し出す。

上のカワウが枝の反対側をくわえる。上がメスか。

これがカワウの求愛儀式なのだろうか。

このあと、カワウは何度か枝をくわえては、どこかへ飛んでいったのだが、あとを追うことはできず、そのまま忘れていた。

そして、アオサギの巣を観察していた時、すでにかなり出来上がっていた巣をやっと見つけることができたわけだ。

この樹は、いつもカワウが止まっていることが多く、糞がたくさん落ちていて「頭上注意」と貼り紙がされていた樹だったので、カワウがいてもあまり注意を払わなかったので、気づきが遅くなったのだ。

メスが抱卵姿勢になっているのを確認したのは、3月下旬

オスは、時々新しい木の枝などを運んできて、巣を補強したり傍に寄り添ったりまめまめしい。

4月下旬、そろそろ雛が誕生してもおかしくないと思っていたころ、卵の殻が落ちていると聞いて見に行った。

(写真がぼけてしまった。)

なんとか雛の姿が見たいと思ったが、巣が高くて見えない。

私が初めて雛の姿を撮影できたときには、すでに3羽いた。(5月上旬)

雛たちの鳴き声は、思いのほかかわいらしい。しかし、末っ子と上の子の大きさの違いが目立つ。

どんどん差がつく兄弟たち

翼の羽が伸びてきて、羽ばたく様子

私が末っ子の姿を最後に確認したのは、5月17日。21日には2羽しか見えないと連絡があった。

5月30日。親と変わらない大きさになった2羽の雛たち。(左は親)

末っ子は、兄弟たちに負けて十分に餌がもらえず力尽きたのか。こういうことは、野鳥の子育てではよくあることなのだろう。

上の2羽はすくすく育ち、巣立ちも間近いのだろう。

近年初めてのカワウの繁殖は、こうして成功したと言える。

カワウがコロニーをつくると、騒音や汚れ、匂いなどで人間に敬遠されることも多いが、今回は人間たちも暖かく見守ってきたのも成功の要因だったかもしれない。

巣立ち後どのように成長していくのか、機会があったら、観察を続けたい。

 


明暗を分けたアオサギとカワウの繁殖 アオサギ編

2020年06月01日 | サギ類

昨年は地元の公園で(私が観察し始めてから)初めてアオサギが繁殖に成功した。

今年はどうなるだろうか。

1月13日、ふと見上げると、昨年繁殖した樹に、アオサギと姿と巣があるではないか!

昨年は初め違う樹で営巣を始めたが、カラスに卵を捕られたあお、再度挑戦したのが、この樹だった。昨年成功したので、今年は迷わずここにしたのだろうか。

ところで、今年は、アオサギがどうもこのペア以外にもいるようだった。上の写真を撮っていたとき、別の個体が、近くでカラスと対面している。

ちょっと面白いので、後半あわてて動画にしてみた。(後半ボケてしまった。)

https://www.youtube.com/watch?v=aqdWvIfH0c4

 

2月22日には、営巣中のペアを合わせて、全部で5羽のアオサギがいるのを確認した。

樹上の巣に2羽

その下の島に2羽。他日このペアが交尾行動を取っているも目撃された。

もう一羽別のところに

樹上の2羽は、少なくとも2月27日には抱卵態勢になっていた。

別のペアが別の場所で営巣し始めたという連絡があったが、探してみても見つからない。うまくいかなかったようだ。

私が見たのはこんなシーン。

1羽のもとに、別の1羽が枝をくわえてもってきて見せている。これは求愛なのか。

その後、さらに可笑しな場面が見られた。

地上で抱卵しているみたいだと言われて行ってみると、

どうも、ボールを暖めているように見える。ボール以外に卵があるのかどうか立ち上がるのを待っていたが、私は見られなかった。

粘って観察した人によると、卵は無いようだった。

私が樹上のペアの抱卵状態を最後に見たのは3月27日だった。

少なくとも2月27日には抱卵していたとすれば、そろそろ雛が孵ってもよい時期だ。

しかし、その後、新型コロナウィルスの感染問題が起き、この観察場所へは入れなくなった。

4月3日、遠くから二つのペアの様子を見たが、樹上のペアは抱卵をやめている。どうしたのだろう。

観察を続けていた人の話では、3月29日の雪で、何か問題が起きたらしい。(この日は東京で最高気温4度だった。)

地上のペアも2羽で所在なげにたたずんでいるばかり。

4月3日~4月11日、ときどき巣に戻っているが、卵を暖める様子はない。そのうちいなくなった。

その後、別の場所に巣を作っているという話も耳にしたが、それも見つけることはできないまま、今日に至っている。

ただ、アオサギは池でよく見かけるので、私たちが立ち入れないどこかで繁殖している可能性はかすかにあるだろう。

ときどき見かけるアオサギ

最近の定位置

今年も泳ぐアオサギ