記日きつい思れぐま気 from バンクーバー

2012年4月から妻の海外赴任に伴い主夫業と育児に励む30代男性の日常。バンクーバー関係ないことも多々あります。

ネットで個人情報をばらまくことの是非について考えてみた

2012-02-07 23:29:07 | Weblog
Facebookにちょろっと書いたのだけど、個人的にすごく興味深かったのでブログとして改めて書いてみます。

FacebookのIPO申請書類を読めば佐々木俊尚氏が100%間違っていたことが確認できる ユートピア的な幻想の怖さ

上の記事の中で

つまり僕が言いたいことはFacebookは最初っから「うちの世界は実名の世界でっせ。だからあなたの個人情報はガンガン蒐集しまっせ」ということを公言して憚らないサイトだということです。
そして誰が何回、どの「いいね」ボタンを押したかなどはすべて貴重な個人情報として蓄積され、将来のマーケティングに活用されます。
Facebookにおける個人情報の蓄積やその活用のされ方は我々一般人の想像を超える洗練度です。
そこには身を隠すことができる場所は皆無なのです。
言い換えれば、Facebookの前に我々は皆、裸同然なのです。


とあります。
ここにあるとおり個人情報こそがFacebookの欲しいものであり、生命線であり、Googleがあの手この手でなんとか手に入れようとしているメシのタネなんですよね。GoogleやFacebookが必死こいて個人情報を集めるのはどちらもひとえに広告で稼ぐためなわけで、やってることは大差ないわけです。別にGoogleだけが人の情報セコセコ集めてるわけじゃないんですよ、と。
「どっちにしたって人の情報で商売しやがって、けしからん!」とか言う偏狭な方ももしかしたらおられるかもしれませんが、果たしてどうでしょう。

僕は以前営業の仕事をしていましたが、よく言われたのが「お客様の情報を少しでも多くかき集めろ」ということでした。集めた情報は、よりお客様にマッチした提案(時期だったり商品だったり買い方だったり)をして商品を買っていただくために使うわけです。

では自分の情報をもとにマッチした提案をされることは悪いことなのでしょうか。「あの営業どもに俺様の大切な情報なぞ微塵も渡してなるものか」と死守することで何か得するのでしょうか。相手があくどい押し売りでもない限り、答えはNOです。顧客にとって、自分にマッチした提案をしてくれることはプラスにこそなれ、決してマイナスになることではありません。提案営業では「お客様のNOを突破し攻略する」と表現することもありますが、僕はお客様は攻略するものではなく、Win-Winの関係を築くべきものだと思います。嬉しくならない取引に継続性はありえません。そしてお互いが情報を出し惜しみしなければ嬉しい取引になる可能性がグンと高くなるのです。(といっても、予算を少しでも抑えたい顧客と値引きを最小限に抑えたい営業との駆け引きにおいてはWin-Winはありえないので情報戦になりますがw)


で、GoogleやFacebookの話に戻ります。
彼らは僕たちの情報を集め、より僕たちにマッチした広告を表示するようにしています。インタレストマッチ、というやつですね。もちろんそれは広告主のためにしていることで、広告主としては絶対買ってくれそうにないお客様に広告を届けてもらっても何も嬉しくなく、逆に興味を持ってくれそうなお客様にはどんどん届けたいわけで、その精度が高ければ高いほど嬉しくなります。嬉しいから少しくらい高くてもお金を払う、つまり広告の単価が上がってGoogleやFacebookが嬉しくなるわけです。とりあえずここで広告主とGoogleとの間でWin-Winが発生します。

では僕たちはどうでしょう。何も嬉しくないのでしょうか。僕は35歳のおっさんですので「エステどうすか、ごっついキレイになれますよ」とか言われても興味ありません。それよりもカメラとかきれいなお姉さんの写真集とか自分が少しでも興味ありそうな広告の方がよっぽど嬉しいわけです。この広い情報の海の中で迷える子羊な僕にGoogleさんやFacebook君がわざわざ「おがたさん、これどうすか、興味あるんじゃないすか?どう、どう?」って持ってきてくれちゃう、極端な話、デパートの外商さんみたいなことをしてくれるのです。あれ?なんか嬉しくない?僕たち、Win-Win-Winの関係築けてんじゃないの?(仕事を奪われてしまった広告代理店さんはLooseですけど)


ということで、自分の情報をあげることは必ずしも不利益にならず、むしろ得することもあるんじゃないかと。もちろん、思わぬところで損をする可能性だってあります。ただ、これは個人の価値観の問題ですが、あるかわからない不利益に怯えて行動を制限するより、好きにやってしかも利益が得られる方が楽しいと思うんですよね。とはいってもどこまで出すかというのも迷うところで、最近の若い子達の開けっぴろげさにはおじさんびっくりしちゃうくらいです。でもあれくらいやっちゃってもいいのかなあなんて思ったりもするのです。


で、ようやく本題なんですが、興味深いなあと思ったのは「個人の情報がお金になる」ということです。もちろん僕たちが直接お金をもらうわけではないのですが、上記のとおり間接的に利益を享受できます。かつてはお金を払って入手していた情報(ニュースだったり情報誌の内容だったり)は無料になる一方で、見向きもされなかったものがお金になるって面白いなあ、と。

もしかすると、借金の返済履歴がないと大きな借金ができなかったりするのと同じように、ある程度の情報が提供されていないとある種のサービスが受けられない、なんてことになったりするのかもしれません。

そんなわけで、知られても困らない範囲内であればバンバン情報を出していった方がこれからの時代、面白いかもしれませんよ、というお話でした。



おまけ1
記事の主題であるリアルとバーチャルが融合するかどうかって話、僕はまだピンと来てなくてよくわかりません。そもそも佐々木さんがいわんとしてることってそういうことなのかなーって。twitterみたいにリアルとバーチャルの境目にあるようなサービスについてはリアルの方に融合するだろうから、そのことを言ってるのか、2chみたいな匿名性の高いものも融合すると言ってるのか。どっちなんですかね。

おまけ2
記事の中で佐々木俊尚さんがヘイカモーンと叫んでいた一連の騒ぎは結構面白かったです。顛末はこちら

おまけ3
嗜好に特化したSNSを先日知りました。これ、流行ると思うし流行って欲しいけど、どうなるかな。
Sumally
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