OKESAN 公的年金保険情報

公的年金および健康保険の社会保険関係の最新情報をお届けします。

年金受給者の通帳担保に高利貸し初摘発

2005-04-14 23:23:38 | Weblog
○年金を受給している高齢者の預金通帳などを担保に取って、高金利で金を貸し付けていたとして、警視庁生活経済課は14日、東京都渋谷区の貸金業「シルバーステーション」の従業員を貸金業規制法違反(預金通帳等の保管制限)と出資法違反(高金利)の疑いで逮捕、同社経営者を同容疑で指名手配した。

 年金受給者の通帳などを担保に取る行為に罰則が盛り込まれた改正貸金業規制法(昨年12月施行)による摘発は全国で初めて。

 調べによると、2人は、昨年6月ごろから客として同社に来た大田区内の無職女性(71)ら6人の高齢者に対し、年金を担保にして独立行政法人福祉医療機構から金を借りるよう指示。同機構からの融資が振り込まれる口座の通帳やキャッシュカードを預かって、今年2月上旬までに12回にわたって、法定金利の6・68~22・16倍にあたる違法利息計約315万円を口座から引き出すなどした疑い。

<解説>
 年金を担保に金を借りることはできません。
 年金を担保にお金を貸すことができるのは上にでている独立行政法人福祉医療機構など3つの機関だけ、融資の相談は他人を通さずそういう所に、直接おでかけになったほうがいいです。「年金担保に」「年金ローン」「高齢者優遇」などの文字があるローンは違法な可能性が高く、近寄らないほうが確実です。極めて高い確率で「怖いお兄さん」が出てくるでしょう。

 今回は、ローンを仮に来た人に計金を貸し付け、代わりに福祉医療機構から金を借りさせ、違法な金利を上乗せして1カ月で全額を回収していた、という手口。
 公的なところからお金を戻してもらう上に利息をドバxとつけるんだがら、回収確実かつ利息が高いと悪いやつにとっては美味し事づくめの商売でした。
 
 2004年に法律改正があってから初めての摘発だそうですが、お年寄りの敵は今後もびしびし取り締まって欲しいと思います。
 
 ちなみに、年金証書や年金手帳は簡単に再発行してもらえます。年金口座も簡単に移せます。キャッシュカードや年金証書を取られたって、その気になれば警察に届け出た上で、さっさと口座を移し証書を再発行してもらえばOK。
 困ったら是非、警察でも、法律無料相談でも相談してください。おふぃすOKに相談されてもOKです。

社会保険未適用事業所の取扱

2005-04-13 13:52:01 | Weblog
 社労士会のHPにこんなリンクが貼ってありました。

 要するに行政側の、「厚生年金に入らなきゃいけないのに入っていない企業に対する対応指針」なのですが、
 厚生年金は法律上法人なら社員1人でも入らないといけないのですが、小さい企業は手が回らないので後回しで、20人、15人、10人、5人 という規模別に、加入の促進の対応を変えているみたいですね。

 しかし、こういう通知を公にしていいのかな。巷の人はすぐ逆読みするので、「4人までならまあ文句も言われないだろう」なんて捉えてしまいますからね(苦笑)。ただ、従業員が「障害状態」になったら、社会保険加入義務の履行違反を問われますから、身内だけで会社を作っている場合はともかく、「赤の他人を1人でも雇用していたら、加入するのが無難」だと思います。

 通知の中で気になったのは、「雇用保険のデータとの突合せ」をすること。
 雇用保険は労災保険とワンセットで加入。しかも労災はもし会社の内部で事故が起こったときに、加入していないとかなり使用者(事業主)が厳しい対応をとられる場合があるので、今までは社長に、「社会保険(厚生年金、健康保険)はともかく、労働保険(労災保険、雇用保険)だけは入っておいたら」とよく顧問社労士でアドバイスする人がいた(わしはそんないい加減なことは絶対しません)のですが、これからは労働保険の加入が、社会保険の加入に連動することになり、安易にアドバイスすると仕事上の致命傷になるかもしれません。

社会保険庁、年金未納対策を強化へ

2005-04-11 17:16:49 | Weblog
○社会保険庁は、国民年金の保険料未納問題に対応するため、強制徴収などの体制を強化する。新たに得られるようになった市町村の税務情報を活用して、悪質な滞納者を絞り込み、今年度は昨年度の3倍にあたる10万人に「最終催告状」を送付。約120万人と推計される世帯所得500万円以上の未納者を対象に、2年に1度は強制徴収できる体制の整備も始める。

 新たに入手できる税務情報からは、世帯所得が500万円以上あるのに未納という人が120万人にのぼることがわかったそうで、社保庁は、「時効」で滞納分の徴収ができなくなる2年以内に最低1度は強制徴収の網をかける体制を整える方針。

<解説>
 時効中断か。けっこう厳しい作戦に当局はでてますね。
 国民年金の保険料は2年で時効ですが、時効を中断しておけば、中断された保険料分はいつでもその気になれば徴収できます。例えば10年分でも。滞納した人も、中断された保険料分はいつかは強制執行されると覚悟しておいたほうがいいですよね。 それだけ厳しい措置であるとえます。理屈はそうですが2年に1回は強制徴収するという方向ですから、10年分まとめてというわけじゃないので、「ない」とは言わせないという作戦でしょう。
 人間の心理なんて、微妙なものですから、強制徴収を8年分されて、サラリーマン期間が8年あれば、あと9年入れば「年金もらえる」となると自発的に払うようになるかもしれません。そんな効用もある。

 「国民年金なんて払わない」という事がますますできなくなりつつあります。
 サラリーマンになればガラス張りで給与天引き、自営業も成功して収入が一定額以上になれば、強制徴収、「貧乏な自営業」以外は網の目を逃れることができなくなります。

 しかし、同時にこの強制徴収と同時に全額・半額免除に加え、4分の3、4分の1免除が導入される来年7月に向けて、対象者に免除申請をするよう働きかけを強めるということで飴も用意してありますね。
 要するに「あなたは免除基準に該当している様なので、滞納する前にとりあえず相談に来ませんか」ということをやるのだそうです。

 免除者は、「滞納」の数字に入りませんから、免除者を増やせば納付率はアップします。社会保険庁長官は、今免除者が200万人いるのをもう100万人増やしたいとの事。まあ納付者が増えなくても免除者が増えれば「納付率」はあがりますが、これでいいのかな。無年金者を減らすという意味ではいい施策かもしれませんが、自分たちの点数稼ぎにも思えなくもないです。


首相、厚生・共済両年金の先行統合提示

2005-04-08 21:11:00 | Weblog
○小泉首相は6日の党首討論で、年金制度の一元化について「国民年金を含めた一元化は時期が早い。自民党として厚生年金と共済年金の一元化に向けた案を出したい」と述べ、社会保障制度改革を協議する衆参両院合同会議で自民党の具体案を提示する考えを表明した。一方民主党の岡田克也代表は職業によって分かれている国民、厚生、共済各年金の一元化を提唱。

<解説>
 論戦を見ていないので、確かなことはいえませんが、自民、民主ともに従前からの持論を主張しただけなんでしょうか。
 
 それにしても、民主党は「なぜそんなに一元化にこだわる」のか私には理解できません。
 首相も「できれば一元化が望ましい」「国民年金と厚生、共済両年金は負担の方法も、給付の額も随分違う。どちらに合わせるかでその額が大幅に変わる」
 ということで、最終的には一元化に向かうべきという認識はあるのです。しかも、厚生年金と共済は職域の年金ということで、類似性はかなりありますが、国民年金は異質な性格を持ちます。

 もし民主党が一元化にこだわり改革に反対して、先行統合ができなければ、状況は最悪。

 理由は簡単、類似性はあると書きましたが、いろいろな面で共済年金のほうが厚生年金より優遇されている部分が多い。 だから、共済年金と厚生年金は明日にでも統合しとかないと、どんな年金改革をやろうとしても、「公務員はどうせ別途年金タップリ貰うんだろう」という不信感を国民の間から払拭できないからです。

 支給の場面だけではなく、最近問題になった、社会保険事務所のマッサージチェアの購入にしても、その原資は厚生年金であって、共済年金ではなかった。つまり、お役人は「他人の年金保険料を使い、自分たちの払った年金保険料には手をつけなかった」 これじゃまずいですよね。

国保、市町村の赤字負担膨張

2005-04-06 13:38:20 | Weblog
○自営業者らが加入し、市町村が運営する国民健康保険の財政難で国保の赤字などを穴埋めするため、市町村の一般会計から繰り入れた額は2003年度で3800億円強に達し、5年間で25%の増加。保険料引き上げで給付増を賄うのが本来の姿だが、住民の反発を恐れて保険料の引き上げを見送る自治体が多いため。
 国保は自営業者のほか、退職者など無職の人が加入する公的医療保険。加入者の平均年齢が50代前半と、30代半ばの健康保険組合などと比べ高く、医療費が膨らみやすい。

<解説>
 上の記事は、
 「保険の赤字」-「値上げしたい」-「反対が怖くて値上げできない」-「財源を税金(一般財源)から持ってくる」- 「本来使われるべきところ(教育とか其の他のこと)に金が回らない」ー 「行政サービスの全面的低下」
 という、極めてヤバイ循環に入っていることを示していると思います。今と同じ行政サービスを実現させるためには、「保険料値上げ」か、「一般財源確保のための増税」がさけられないのは自明。

 結局保険料で払うか税金で払うかの違いになってくるだけだと思うんですけど、時々一般大衆(ワシも入りますが)って何ておろかなんだろう思います。この場合は、一般財源=税金での不足分填補には何も文句は言わないけど、保険料の値上げには文句を言う。
 最近流行りの、年金未納(国保未納も多い)も同じで、「社会保険料=貴方の年金の、貴方の健康保険の」と明示された徴収の通知が来ると、「いろいろ理由をつけて払わない」けど、コンビニで100円のお菓子を買うと、同時に5円の税金を取られるのには何も言わない。保険料という形でお金が取れなくなるんなら、「消費税」という形に変わるだけなんですけどねえ。

 消費税にすると、とっても税金取りやすい。

 動物の知能を計る実験で、透明の板の前に餌を置いて動物を放し、その透明板に必死手や顔をこすりつけて餌をとろうとする動物をみて人間は笑いますが(板の横を避けて通ればいいと)。人間は他の動物のことを笑えませんねえ。目の前の金のことにしか関心が行かないんだから。



社会保険庁改革案をまとめる

2005-04-05 13:05:40 | Weblog
○社会保険庁は5日、民間業者への業務委託などにより、年金業務を行う同庁職員を削減する試算をまとめ、自民党の社保庁改革合同会議に示した。

 現在約2万8800人いる職員のうち、政府管掌健康保険(政管健保)業務に約3700人を移行し、残る年金業務は現在より約6900人少ない1万8100人で運営が可能とする内容。

 提出された試算では、
(1〉コンピューターシステムの刷新などによる無駄な業務の削減で正規2500人、非常勤1300人を削減
〈2〉年金相談業務などの民間委託を全国で実施して正規500人、非常勤4100人を削減するとともに、未納対策のために強制徴収部門は正規職員を1500人増加するとした。これにより、合計で正規職員1500人、非常勤職員5400人の削減が可能となる。

<解説>
 一瞬、見出しの大幅職員減の文字で、せっかく始まった「年金保険料の強制徴収」をはじめとする、「納付率向上策」がどうなる事かと思ったのですが、(2)の後半にあるとおり、強制聴衆部門は正規職員が大幅増ということで、この流れは大丈夫そうです。だんだん社会保険庁は「保険料収納庁」のようになっていくのでしょうか。まあそれはともかく。

 問題は、(2)の前半。
 タダでさえ、最近でも「質の低下」が叫ばれて久しい年金相談窓口なのですが、民営化でさらに質の低下は免れないでしょう。民間企業自身が、相談センターや電話業務などをみんな派遣社員に押し付け質が低下したのと全く同じ状況が起きようとしています。

 FPを使うとか使わないとか行っているけど、社労士を使おうがFPを使おうが、数は確保できても質は確保できないのが現状じゃないでしょうか?その認識は社会保険庁にはないみたい。

 電話会社のコールセンターが答えを間違えたのは人生設計に影響がないですが(当事者からみた腹立たしいけど、所詮は数万円の話が殆どですから)、老後の支えの中心である年金はそうはいかない。
 年金相談の質を向上させる何かの方策を考えないとなあとチラリと思いました。