がんばれナラの木

震災にあわれた東北地方の皆様を力づけたくて
The Oak Treeを地方ことばに訳すことを始めました

魂のスパーク 

2011年04月20日 | エッセー
 「ナラの木」を訳したら、それをきっかけに東北の各地から実にさまざまな地方版が届いた。
 私がほとんど衝動的ともいう感じで訳したのだが、これでいいのだろうかという不安はあった。しかしそれが媒体となって東北の人に届いた。その届きようはまことに驚くべきもので、私の媒体を通り越し、直接、詩の魂に高圧電流がスパークしたかのごときであった。
 それはおそらく方言が心に近いからだと思う。私は鳥取の出身だが、私たち地方人にとって、「標準語」といわれることばは、心と距離がある。生活に不十分さはなくても、微妙な心の動きは伝えきらない。それに、抽象的な詩はいざしらず、木のこと、風のこと、という自然のことは都会人よりよほど身近な存在であり、それを表現することばもはるかに充実している。
 東北のことばはやさしく、力強いと思った。

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