ドイツの小さな町で教会に行った。庭に二抱えもある大きなオークの木があった。数百年のものだろう。思わず手をあわせたいような気持ちになった。「畏敬」ということばが湧いて出た。
「これがオークだな」
と思った。
Oakはよくカシと訳される。そして樫の字があてられる。その字からも強くて堂々としているというイメージがあり、そのような翻訳がよくされてきた。しかしオークは落葉樹であり、カシは常緑樹である。日本にはシイとカシという常緑のオークがあり、おもに西日本から南日本の暖かいほうに生える。種類もたくさんある。だがヨーロッパにあるオークは基本的に落葉であり、これは日本ではナラといわれる。ミズナラやコナラがその代表だが、クヌギやアベマキなども同じ仲間だ。
そういうわけでこの詩は「ナラの木」と訳した。
実際に見に行ってこの木のふもとから見上げて気が付きました。なんと『交差枝』が一か所もないのです。枝張りぶりを観察してみるとそれぞれの枝が我先に「…俺がおれが」と他の枝を押しのけて太陽光を浴びようなどとせず、それぞれの枝が自分の役割を自覚していて、枝を伸ばしているのかしらと錯覚するほどです。
この木の下のすぐそば徒歩2分くらいのところに湧水が出ているところがあり、興味深いのは「軟水」と「硬水」の2種類が接近して湧いて出ています。空のペットボトルを持って行って汲んで帰宅してから緑茶やドリップコーヒーなどを楽しめます。
私はまだ未体験ですが、ミズナラは落葉樹なので、よく晴れた冬の夜にもしもこの地を訪れたならば、楢の木に真っ暗な夜空の星が落葉したミズナラの枝先に満天の星がたわわに実っているような景色を見ることができるのではないでしょうか。まるで斉藤隆介作の「もちもちの木」のような世界と遭遇できるのでは…?
今、岡山市内で新しい保育園を建設中です。
園名を決めかねていたところ、ナラの木の詩のことを知り、とても素敵な詩なので、
園名に使わせていただき「ならの木保育園」としたいと考えています。
そこで、園名の由来として詩を紹介したり、
ホームページへリンクを張らせていただけたらと思い連絡しました。
ご連絡いただけたら助かります。
よろしくお願いします。
ota-t@oofuku.jp