limited express NANKI-1号の独り言

折々の話題や国内外の出来事・自身の過去について、語り綴ります。
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ジョーカー総統暗殺

2017年02月14日 15時26分04秒 | 日記
暗殺の序曲、それは「合衆国簒奪式」当日1月20日から始まっている。翌21日、首都ワシントンで50万人、全米で300万人規模となった反ジョーカーのデモが行われた。一方で「合衆国簒奪式」に参加したのは20万人ほどで、しかも白人ばかりで「簒奪演説」のマイクに会場からの抗議の声が紛れ込むという醜態ぶり。後にジョーカー総統は「簒奪式にはもっと大勢が居た」と虚勢を張ったが、大恥をかいてしまったのは間違いない。親衛隊の幹部が「お前達は黙っていろ!」とマスコミ批判の恫喝に及ぶほどに、総統政権は脆弱さを解消できていない。閣僚の議会承認の遅れや官僚機構の整備の遅延。連邦議会での「総統演説」すら、今もって実現していない。何もかもが「中途半端」な今こそ反ジョーカーの「市民革命」を推進する好機である。しかも総統命令の「入国禁止令」が司法の手で止まっている。全米で300万人を動員できた反ジョーカーの市民は、以前にも増して気勢を上げて総統政権と対立を強めるだろう。総統も「新たな総統命令」の用意があるようだが、一寸先は闇の熾烈な闘争と混乱が進行するだろう。この先、アメリカ帝国はどこへ向うのか?政治のと言うか「総統がばら撒く不安の種」を巡って、帝国国民はジョーカー支持と不支持の真っ二つに割れて争うことになるだろう。

米帝国の分断は解消することはできない。むしろこれから益々深刻化していく一方だろう。ジョーカー支持の白人保守層は、全米帝国に根強く広範囲におり、強固な信念(思い込み)を持っており、マスコミがどれだけ醜聞を暴いても動じようとはしない。むしろ既存のマスコミを敵視し反発する生理を持っている。ジョーカー総統が発するツイッターこそが真実だと信じて疑わない。彼らの要求は、安定した生活と雇用、移民問題の解決である。そこに焦点を定めてジョーカー総統は選挙戦争を勝ち抜いた。故に移民問題と言うキーワードは、単に地域の低所得白人層の雇用を奪うとか賃金を引き下げられると言うだけに留まらず、麻薬問題の恐怖とも繋がってしまった。「ジョーカーの長城」と言う一見馬鹿げた公約には、不法移民の流入だけでなく麻薬をも阻止する防壁をも意味する事となったのだ。

こうした現状に耐えられなくなった白人達が、これまでのタブーを破り捨て「本音」を公約に掲げたジョーカー総統に共鳴した。反ジョーカー側が民主主義と人権の正論で押しまくるほどに、露骨な保護主義に偏り反発を強めた。こうした事は、米国民主主義の歴史が築き上げて来た倫理的な前提、すなわち米国社会の規範と秩序を破壊していくことに繋がってしまった。ジョーカー総統の登場は、米国が自由と民主主義の理念を掲げ先導する偉大な国家ではなくなった事を意味し、米国の威厳と説得力を失墜させたことを意味する。「自由世界の崩壊」と言ってもいいだろう。女性スキャンダルで名誉毀損の訴えを起されるような総統では、まるでお話にならない。途上国の政治のようである。こうした米国帝国の劣化は、土台である社会の劣化の反映であり、国家社会が毒素に侵され腐っていて、悲鳴を上げている証明であり、もがき苦しみ痙攣している病人そのものである。

このように、悪性の中毒にかかってしまったアメリカ帝国のジョーカー総統後は、何が来るのだろうか?自由と民主主義を復元して、本来の国家理念の体現を実現できる世界からも信頼と尊敬を得られる姿になるのだろうか。かなり難しいことになるが、ここまで「分断」が進行した国家を建て直すには「戦争の発動」しかないと思う。東西か南北かの「内戦」の勃発がちらついて来る。テレビで頻繁に目にするようになった「ラストベルト」を象徴する錆びて朽ち果てた工場の建物の絵は、米国帝国の「自由と民主主義の理念」の現在の姿そのものである。内実を失い疎外感と倒錯感となった米国帝国の「理念」が、ジョーカー総統の治世として目の前で現実となってうごめいている。ソビエト崩壊を思わせる悪夢だ。ソビエトは70年で役目を終えた。アメリカは230年続いているが、そろそろ金属疲労の蓄積が限界を超えて、破局の道を歩むかもしれない。中華王朝でも260年前後が命脈を保った限界である。壮麗で虚飾に満ち溢れた「簒奪式」は何だったのか。ソビエト末期の矛盾と欺瞞にそっくりだ。総統の親衛隊には、危険な思想にかぶれた「宦官」と「外戚」と言う名の身内が揃っているだけだ。ジョーカー総統の治世の今後を考えた時、思い浮かぶのは「内戦」と「第三次世界大戦」と「核兵器の使用と言う悪夢」と「暗殺」の2文字の予感である。

軍かCIAが首尾よくジョーカー総統を始末し、証拠を捏造して「IS」のテロリストの仕業としたり、ヒスパニックの凶徒の計画的犯行にして冤罪事件化するのは、決して非現実的な話ではない。軍にもCIAにも反ジョーカー派は存在するはず。彼らがジョーカー総統を「暗殺」し誰かのせいにしさえすれば、分断を埋めて国内を結束させて修復することは充分に可能だ。「米国の敵」を仕立てあげて戦争に持込めば、国内の危機「内戦」は回避する事ができる。「第三次世界大戦」と「核兵器の使用と言う悪夢」からも当面は逃れられる。今年の春からの欧州の選挙で極右が台頭して、ジョーカー総統に追い風が吹き、強権独裁政治に加速がかかってはマズイのだ。共和党としても「党是に反する政策」を振り回すジョーカー総統の意のままにされては面目が丸潰れだ。どこかで誰かが動き出している可能性は否定できない。ジョーカー総統は民主党でも共和党でもなく、軍人でもなく、ワシントンに利害と人脈と派閥がない。そこが支持者に対するアピールポイントだった。しかし、バックに庇護者の組織とネットワークがないこと、軽薄で口の悪い独裁者であること、そうしたことを考えるとワシントンの権力構造によって常に命を狙われる位置と境遇にあるのは間違いない。彼は「暗殺」の2文字から逃れられないのだ。

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