limited express NANKI-1号の独り言

折々の話題や国内外の出来事・自身の過去について、語り綴ります。
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海陵王狂乱

2017年01月06日 11時38分35秒 | 日記
今回は、長くなります。

太平洋の東、アメリカでいよいよ「狂乱政治」が始まろうとしている。トランプ社長(と言うか「ジョーカー」と呼んだ方が正しいのかも)が椅子に座る日が、迫っている。メキシコへ移転しようとしていた企業を、SNSで名指しで攻撃して「前言撤回」へ追い込むと言う荒技に出て、早くも物議を醸している。卓袱台返しで、国内の雇用を増やそうとする姿勢は選挙の時からのものだが、ジョーカーが「どこまでやり抜くのか?」「どこまで本気なのか?」就任しないとまだ見えて来ない部分もあるが、自信はどの程度なのだろうか?彼は、かなりの自信家であり野心家でもあるのだろう。謙虚さとは無縁の自己中心的な性格であるのは、間違いあるまい。国益のためならば、悪魔にでも魂を売り付ける覚悟なのではないだろうか?太平洋を挟んではいるが、我が国もかなり痛い目に遭いそうだ。ジョーカーが、かつての、中国の金王朝4代皇帝「海陵王」と影が重なると思うのは、錯覚ではなさそうだ。彼の前、金王朝3代皇帝煕宗は、中国中原国家の主となったのはいいのだが、皇族や宗室を粛清して行くうちにおかしくなり、サディストとなった。さらに酒乱が加わり誰も手の付けられない暴君となったのである。「金史」「煕宗本紀」には、到る所に殺の文字がちりばめられているありさまだ。いつ殺されるか分からないのだから、煕宗を亡き者として自らが帝位に就く事を考えない者が現われても不思議ではない。「海陵王」は、そうやって帝位に就いた。某宗と言った廟号で呼ばれない理由は、後で述べる。「海陵王」は、漢文化の高い教養がある人物ではあったが、彼の血管にも煕宗と同じくサディストの血が流れていたのだ。中国史上まれに見る暴君として綴られている事実、野心家であり、極めて有能な人物で、中央集権の漢的中原国家を作り上げるために猪突猛進したのである。異を唱える者に対しては、容赦なく粛清した。有能であり、学識もあった彼は自らに対して、自信を持ち過ぎていたようである。新しい制度をつくるにしても、根回しなどは一切なし。「海陵王」の意思がそのまま法律となったのである。彼にしてみれば、根回しなど弊害そのもので、悪しき象徴そのものだったのだろう。彼の最終目標は、天下の南半分を保っている南宋を滅ぼし、歴代の中華王朝と肩を並べることであった。「海陵王」は、この目標に向って着々と準備を進めたのだが、彼の性格を反映したこの準備は、非常に性急でかつ強引なものであった。ジョーカーはまだ粛清は行ってはいないし、しかもまだ就任前。「決め付けるには、まだ早い」と思われる方々もいるかも知れないが、閣僚人事や顔ぶれを見ると、これまでのアメリカの「政治姿勢」からは明らかにかけ離れていると感じるし、アメリカファースト・内向き・国内最優先・人種差別的・移民排斥と言ったカラーがプンプンと匂っている。選挙中そのままの言動が、形になっている事も不安要素だろう。ジョーカーと「海陵王」が重なると言うのは、偶然ではないだろう。「歴史は繰り返す」と言うがもし、この言葉の通りになるとしたら、アメリカには悲劇的な結末が訪れるだろう。ジョーカーに投票した人々が「満足の得られる暮らし」と「安定雇用と賃金・格差の是正」「輝かしいアメリカの栄光」が得られないと感じた時が最も危険だ。国民を納得させられる「結果」が出なかったとしたら、最悪のシナリオが待っている。反面教師である「海陵王」はどうなったのか?と言うと、彼は暗殺されたのである。彼は、即位後に皇族・宗室・重臣のホロコーストを行っているが、南宋討伐に際しても命令を聞かない、意見をする将兵を片端から粛清していった。目的を妨げる者に対しては、誰であろうと容赦をしなかった。怖れをなした留守を預かっていた従弟が、「己の命を守るため」と言って即位し、「海陵王」の悪事数十条を挙げ「このような悪逆な者を皇帝にするわけにはいかないので、自分が周囲に推戴され即位した」と宣言したのである。彼こそが5代皇帝世宗である。そのころ「海陵王」は、揚子江の線まで南下し「3日で長江を渡れ!出来ねば殺す!」と息巻いており、世宗の即位の知らせに対しても「南を平らげたらば、蹴散らしてくれる!」と一蹴するつもりで将兵を督励していた。しかし、将兵は既に「海陵王暗殺」を決意していた。殺さねば殺されるのだから、誰もこの計画に反対する者はいなかったそうである。便宜上、「海陵王」と呼んできたが、彼は生前、いうまでもなく皇帝であった。しかし、死んだ翌年に海陵郡王の降格され、のちになって罪悪はなはだしいものがあり、王の資格も無いと言う議論があり、庶人に降ろし改葬されている。「金史」は彼を「廃帝海陵庶人」と記している。「南北戦争以来の危機」とも言われる選挙後の国内と人の分断に、排他的な国粋主義的な政策を掲げるジョーカー。以前にも書いたが、常に背中に銃や刃を身辺にテロリストを気にする必要がありそうだ。少しでも国民に不満が高まれば、足元は砂上の楼閣のように崩れ行くだろう。そして、一気にアメリカ国内・世界は混乱し、深い傷を残すだろう。ジョーカー以外にも「海陵王」は存在する。最近は割りに静かな北朝鮮「金正恩」と国を騒がしている韓国国民だ。フィリピンの某大統領やヨーロッパの右派政党の党首も該当するだろう。本家、中国も例外ではない。今年のキーワード・キーマンは、何れも「海陵王」と言っていい。

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