今日2月26日は「226事件」の日。
決起軍の中に、二つ目時代の柳家小さん師匠が、一兵卒として混じっていた。
演習だと聞いて、命じられるままに出動したら訳も判らないうちに反乱軍となってしまった。
意気消沈する兵士たちを励ますために、上官から一席やれと命じられたが、「誰もクスリとも笑わねぇ、あれほど受けなかったこたぁねぇ」と弟子に語っていたそうだ。
弟子たちは、うちの師匠は、天皇陛下に鉄砲を向けた謀反人!叙勲の時に陛下から「あの時は本気だったんだろ?」と言われて、頭を地面にこすりつけてあやまった!とネタにしていた。
小さん師匠も「あちこちのすずさん」。
NHKの歴史教養番組で、決起の一週間前には陸海軍ともにクーデター計画の詳細を把握していたが、阻止することなく傍観していたことが最新の資料で判明したと言っていた。
要するに汚れ役を純粋な皇道派の青年将校たちに押し付け、太平洋戦争に向けて軍政強化を目論んでいたようだ。
半藤一利の著書には、決起軍首謀者の一人、安藤大尉が大人物と認めていた鈴木貫太郎の夫人から助命嘆願を受け、とどめをささずに鈴木閣下に敬礼!と号令を掛けて立ち去ったとあるが、生き長らえた鈴木が終戦時の首相として、太平洋戦争を終わらせたことが、この事件の唯一の救いに思える。