縄文人(見習い)の糸魚川発!

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富山沖のヒスイ鉱床説と遮光器土偶宇宙人説・・・可能性だけならなんとでも(笑)

2019年02月02日 17時49分44秒 | ぬなかわヒスイ工房

縄文から古墳時代まで富山にはヒスイ加工遺跡が多いのだが、富山の考古学の先生方から「出土品のヒスイは糸魚川産だけでなく、富山沖にヒスイの鉱床があり、朝日町の海岸に打ち上がった富山産の可能性がある」という話を何度か聞いている。

「富山沖のヒスイ鉱床」について、何を根拠にしているのかと不審に思っていたのだが、ついに記述のある専門書を見つけた。

「富山沖に想定されるヒスイ鉱床」と記述はあるが、なんと本にも根拠の記述は無かった!

 

山から崩落して河川で砕かれ、海の波で丸められた原石を「海ヒスイ」と呼ぶが、山ヒスイ、川ヒスイ、海ヒスイはそれぞれ大きさや形状に特徴を持つ。

遺跡から出土する原石は大きくても赤ん坊の頭サイズとそれほど大きくなく、丸みもあることから山や河川で拾ったヒスイではなく、海岸で採取したヒスイというのが考古学的な一般見解のハズ・・・。

海底の鉱床から打ちあがったヒスイにはその過程がない訳だから、でっかくてゴツゴツしたヒスイ原石が富山の海岸に打ち上がっているのか?

そんなことはない。

ヒスイ拾いをする人なら誰でも知っていること。

糸魚川市の須沢海岸(ラベンダービーチ)から姫川方面(東側)を望む。

 

最寄りの海岸までまっすぐにヒスイが打ち上がるという考え方も変で、海流に運ばれてもっと広範囲に分布しないのは変じゃないの?

同じく須沢海岸から富山方面を望む・・・糸魚川は海岸段丘が発達しており、素潜りして確認した限りでは海底も同じく段丘が発達しているようだが、沖合から岸に向かって重たいヒスイが打ち上がるには段丘を幾つも越えてこないとねぇ~。

 

隣りの県だし、海の中に県境が引かれている訳でもないのだから、何も富山産の可能性とまで産地に拘らなくてもいいようだが、おらがクニの自慢にしたいのだろうか。

先日、糸魚川での講演でその事を話したら、聴衆から「そんなこと言うなら県境に防波堤を作ってヒスイが富山に流れないようにしろ!」と、私も知っている鉱物方面の大御所が怒っていたと聞いて笑ってしまったが、私にとっては講演で笑いを取れる有難いネタでもある。

地学や鉱物の専門家に聞いても私と同じ見解だったが、富山にも地質学者や鉱物学者はいるだろうに、考古学者と同じ見解なのだろうか?

富山沖に蛇紋岩帯が露頭しているという発見でもあれば、私も聴く耳は持つ。

例えば遮光器土偶は宇宙人である!と同じレベルで、可能性だけなら何でもありだ。