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縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

石の殸を聴け!・・・麻績勝広の油彩画展

2013年10月09日 07時03分58秒 | 糸魚川自慢

 

友人で糸魚川出身で童話作家の小川英子さんから油彩画展の案内葉書が届いた。糸魚川の町屋文化を守り伝える会の主催で、会場は本町通りの「旧倉又茶舗」。

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旧倉又茶舗さんは小川さんの実家で、現在は古き良き時代の町屋建築を活かした様々なイベント会場として活用されている
のだ。

油彩画は、なんと俺が糸魚川高校美術部の1年の時の部長だった麻績勝広先輩の油彩画だ。

高校卒業以来30年も会ってないけど、麻績先輩は当時から抜群に絵が上手くて、人となりも物静かで優しかったので憧れの先輩だった。

個展の前夜、旧倉又茶舗でのパーティー会場で先輩と30年振りの再会。


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麻績先輩と小川英子さん。二人とも高校OBとOGで尊敬する大先輩。


現在の麻績先輩は長岡市の養護学校に勤務しながら油彩画を描き続けているが、画題は糸魚川で拾った石ころや、渚の風景を写実的な筆致で描くというもの。

石ころといってもヒスイのような分りやすい石ではなく、普通も見向きもせず名前も知らないような地味な石ころばかり。

でもそれが凄かった。

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インドの細密画を思わせる石ころ曼荼羅!


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シューっという波が引いていく音や、プチプチという泡が弾ける音が聴こえそうだ。波と一緒に俺の心もシューって引いていく感じがして何故か泣けた。

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緑色片岩かな?砂岩と石英の互層かな?誰か教えて!

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砂岩にこれほどスポットライトが当たったことはかって無いだろうなあ・・・。

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ご存じ縄文人が磨製石器作りした蛇紋岩!



砂岩や蛇紋岩といったそこらに落ちている石の絵をじっと観てると、「絵とそれを観ている私」という対立関係が消えて、いつの間にか絵画のなかに引き込まれているのだ。

物言わぬ石ころがなんと多弁に語りかけてくることか。

静かだけど、韻韻と石の殸が聴こえてくる。

画題が地味なら、色彩も地味。

なのに作品の前に立つと、絵画世界に遊ぶ自分がいる。

画家の個性や主張を微塵も感じることなく、そこに石があるのだ。


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サプライズで水石と相馬御風の真筆も麻績先輩の絵に合わせて展示されてた。

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御風は、良寛を再発見して世に出した知の巨人で糸魚川市出身。

御風の書も凄いが、この企画をした小川さんのアイデアも凄い。



油彩画を観てこれほど感動したのは、熊谷守一の美術館で実物を観て以来だ。

これは麻績先輩の謙虚、誠実、慎み深さが成せる故だろう。

是非ともフォッサマグナの街、鉱物の宝庫の糸魚川市に麻績先輩の美術館を作って欲しいもんだ。

それが駄目なら、フォッサマグナミュージアムで買い取って展示して欲しい。

それと麻績先輩が描いた石の絵で石の図鑑作ったらどこにもないオンリーワンの糸魚川土産が出来る!

このアイデアどうですか企画財政課と教育委員会の人?

その価値は十分ある。