Life in Tokuyo 65_器用だった?Kさん

2007-06-14 | Care Work



 昨日の夜勤明けの朝、男性入所者Kさんのご家族が面会にお越しになっていました。Kさんのご家族は入れ替わりで面会にお越しになる頻度が高い方々で、この日お越しになっていたのはKさんの奥様とご子息です。
 この日は3人で施設の3階にある休憩所で外の景色をご一緒に眺めておられたり、談笑されたりと、ゆっくりお過ごしになったと思います。

 私が夜勤の退勤時間とKさんご家族の面会が同じになったので、ご家族と少しだけお話ししました。内容は来月の誕生日会で「歌の会」を開くので、ぜひご家族にもお越しいただきたいというお誘いです。
 そのお誘いの中で、ご子息からKさんはかつてギターを弾かれていたことを知りました。ご子息がおっしゃるには、周囲の人たちでギターを弾くような人たちは少ない時代と環境で、珍しかったことだと思うとのことでした。
 現在80代のKさんがお若い頃、そしてご子息がお父上がギターを弾いているお姿をご存知な時代というのは昭和20~30年代、高度成長期以前だったのでしょう。確かに楽器を楽しむ方が少なかった時代かもしれません。
 Kさんが歌をお好きなのは感じていました。「カラオケクラブ」や「舞踊クラブ」などでも音楽に合わせて(少しだけ)体を動かすKさんの姿を多くの職員が目撃しています。

 ご子息のお話ではKさんのかつてのお仕事は技術職だったとのことです。ご子息が面会時に着ていらした服は某家電メーカーのロゴ入りの制服で、親子で同じようなお仕事なのかと拝察しました。
 技術職でギターも弾けたKさん、もしかしたら手先が器用な方だったのかもしれません。

 しかし、現在のKさんは残念ながらとても器用な方とは申し上げられません。麻痺などはなく、両手も自由にお使いになれる能力はお持ちなのですが、食器を持つことは出来ても、摂取される際に箸やスプーンなどを用いることは極めて少ない状態です。結果、お碗やお皿に直接お口をつけて食事を摂られています。
 細かい手作業を要求されるお仕事をされていたり、楽器を弾かれていたりすると、脳も活性化されて認知症になりにくいという説もあるようですが、Kさんの場合は残念ながらその活性化がなされなかったのかもしれません。
 
 普段のKさんはとても物静かな方で、大抵は居室の窓側にいらっしゃり、何をなさるでもなく静かに座って過ごされています。
 そんなKさんにも来月の私たちのライブがちょっとでも昔を思い出してくだされたりしたらとても嬉しいことになります。私のベースやWのギターなども手にとっていただこうかとも考えています

 画像は本文に登場したKさんが描いたものではありません。「書道クラブ」でいつも面白い作品を書いてくださるAさんの「へのへのもへじ(?)」です。「へのへのも゛へ」になっていますが...


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