(つづき) . . . Read more
音楽史といっても、作曲家列伝のようなスタイルではなく、精神史的アプローチも交えて、作曲家と作品という概念の成立とその変化、記譜法や楽器の性能の発達といった技術的な変遷、そして音楽の受容形態の推移を辿りながら西洋(芸術)音楽の誕生から衰退までを叙述して、「楽譜として設計された音楽」としての西洋(芸術)音楽の歴史を概観する簡にして要を得た一冊。
. . . Read more
エドワード・T・ホールが亡くなった。
ホールといえば、『かくれた次元』(みすず書房)をまっさきに思い出す。はじめて読んだのは高校生の頃のことだった。この「私」というものの外延はどこまでか。そのような益体もないことを考えていたときに出会ったこの本はとても刺激に満ちた議論を展開していた。
. . . Read more
著者がかつて書物の中で出会った48人の女性たちについて書いた短い文章を集めている。実在の人物だけでなく、架空の人物もいる。ただ、それぞれの書物の中から魅力的な一節が切り取られていて、さまざまな人生の印象的な一齣や人となりをおだやかな眼差しで捉えたポートレート集といった趣の一冊となっている。
ここで紹介されている書物は読んだこともないものが多かった。しかし一編ごとに構成や叙述にさりげない工夫がなされていて、そのいずれの語り口にも惹きつけられ、結果として読んでみたいと思う本が増えていくことになる。したがって、この本は良質なブックガイドとしても読める。
ちなみに青山ブックセンターでは、本書で取り上げられた書物を集めたフェアを実施しているという。
. . . Read more