アストゥリアーナ ~ソングス・フロム・スペイン&アルゼンチン~
キム・カシュカシアン(Va)/ロバート・レヴィン(p) (ECM)
カシュカシアンによるスペインとアルゼンチンの歌曲集、といっても、この世界的なヴィオラ奏者が歌手に転向したわけではない。スペインとアルゼンチンの作曲家たち(ファリャ、グラナドス、ヒナステラ、モンサルヴァーチェ、グァスタビーノら)が書いた歌曲を人間の声に近い楽器、ヴィオラで歌ったアルバム。
スリーヴにはそれぞれの曲の歌詞が載せられており、カシュカシアンのヴィオラは歌詞の言葉をかみしめるように歌い、レヴィンのピアノもその歌に寄り添うように伴奏をつける。いずれの曲もどこか優しげで暖かく、憂いを帯びた美しい旋律を持ち、心の襞にそっと寄り添うような音楽となっている。
ジャケットにはゴダールの” Notre Musique”のスティルがあしらわれている。それは「神曲」ならぬ、「我ら(人間)の歌」という含意だろうか。”Notre”という単語の親さがこのアルバムの魅力を物語っている。
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